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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > スウェーデン 担当省庁 労働安全衛生管理局の役割と戦略

労働安全衛生管理局の役割と戦略

(訳 国際安全衛生センター)


労働安全衛生管理局(Occupational Safety and Health Administration)の役割と戦略

議会と政府は、労働安全衛生管理局に以下に関する監督責任を負わせた。

  • 労働環境法
  • タバコ法の一部
  • 環境規準に基づく遺伝子工学と農薬に関する特定の問題
  • 労働時間法
  • 建物内部の特定の動力装置

労働安全衛生管理局は、労働安全衛生全国委員会と労働監督の職にある者で構成される。労働安全衛生全国委員会は、独自の規定を通じて労働安全衛生法上の義務を具体化する。労働監督の職にある者の任務は、規則が順守されているどうか点検することである。労働安全衛生管理局は、助言と情報を提供するとともに、労働環境改善の観点から情報を普及させる任務も負っている。

労働環境法の目的は、業務上疾病および業務災害を防止するとともに、他の面でも良好な労働環境を実現することである。具体的な内容として、以下に例をあげる。

  • 労働者が、疾病や災害の原因ともなる身体的または精神的ストレスを受けないような技術、労働組織、業務内容にする。
  • 業務において、多様性、社会的接触、協力、及び個々の業務間の調和に向けた機会を得ることを目的とする。
  • 個人および専門家としての発展の機会、及び自己決定および専門家としての責任を志向する。

良好な労働環境を実現するための労働安全衛生管理局の戦略には、同局の監督用資源を効果的に活用することも含まれており、そのために以下に取り組む。

  • 規則が労働環境改善のための有効な手段である場合に、労働生活のニーズに適合させた規則を公布すること。規則は、災害および疾病のリスクが高い分野を対象とする。規則の構成は明瞭かつ容易に利用できるものとする。規則の数は今後も減らしていくものとする。
  • 監督の焦点は、災害および疾病のリスクがもっとも高い分野におく。男女間での労働条件の差異、および男女が暴露するリスクに特別の注意を払うものとする。
  • 労働環境の内部的管理策の発展と、企業および行政組織への適用に取り組み、事業者が労働環境に対する責任を果たせるようにする。
  • 多様な対象グループのニーズに適した方法で、労働環境の問題に関する情報を提供するとともに、情報技術の変化が生み出す情報への要求の増大に応える。
  • 監督の過程で、特に小企業の事業者が労働環境の継続的改善に取り組む契機となるようなリスクと規則についての知識を伝達する。

良好な労働環境を実現するための労働安全衛生管理局の戦略には、国内および国際の両レベルで、労働環境に関連して他の機関と独自にかつ計画的に協力し、またそれらへの影響力を行使することも含まれる。こうした協力は中央および地域段階で、他の行政機関や組織、特に労働市場の関係者との間で推進するが、また労働衛生機関とも協力する。EU加盟国として、委員会やワーキンググループを通じたEU指令の枠組み作りや、欧州安全衛生機構の作業にも積極的に参加する機会がある。労働安全衛生管理局は、他の国際的な局面でもスウェーデンの労働環境政策についての広報活動を行っている。政府と議会、それに事業者と労働者が労働安全衛生管理局に大きな信頼を寄せることが重要であり、そのため、法の順守と高度な質的基準を重視しつつ、われわれの活動を常に発展させていかなければならない。