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皮膚暴露の変異性

資料出所:Swedish Council for Working Life and Social Research発行
「Newsletter」 December 2002, No.4 p.2
(仮訳 国際安全衛生センター)

原文はこちら



 炎症又はアレルギーを引き起こす化学物質への皮膚暴露は、労働環境における潜在的リスクとなっている。例えばアクリル酸は、熱硬化性プラスチック、ワニス、床材、のり、歯科材料等々に使われている、リスクがある物質である。

 皮膚暴露の測定は、暴露には直接的な原因と間接的な原因(例えば表面)があるため、複雑なプロセスを経る場合がある。人の皮膚にどのような影響を及ぼすかを正確に予想することが難しいだけでなく、暴露レベルは人によって異なり、同じ人でも日によって異なる。皮膚暴露の変異性は、殆ど研究されていない分野である。しかしこの分野は、皮膚暴露を測定するための最良の方法を決める上で、非常に重要な分野である。もし、将来のある時点において皮膚暴露許容値が導入されるとしたら、優れた測定方法と評価器具が必要となる。 

 プロジェクトでは、"テープストリッピング"として知られる方法を用いて暴露データが収集される。この方法は、体の色々な部位で、同じ面積の皮膚に繰り返しテープを貼り、皮膚の細胞層の外側に存在する物質の量を測定するものである。この方法は、アクリル酸に対して十分に試して培われた方法であり、この分野でも使用が可能である。

 歯科医療従事者は、アクリル酸に最も暴露されている集団である。彼らが取り扱う量は少ないが、一日を通じて繰り返し使用している。研究者は、歯科医療従事者間のアクリル酸レベルを測定することで、職場での皮膚暴露測定のためのテープストリッピング方式をさらに改良し、異なる労働者間の変異性だけではなく、異なる日及び体の異なる部位による変異性を研究し記述することを目的としている。そうしたデータに、取扱量や作業中に手袋を着用したかどうかといった要素を加えて分析することにより、研究者は、皮膚暴露についてまとめようとしている。これは、皮膚暴露及び統計モデル分野での優れた専門家との協同作業で行われることになっている。