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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > スウェーデン 仕事の期限による強い圧力が心筋梗塞を惹起する

仕事の期限による強い圧力が心筋梗塞を引き起こす

資料出所:スウェーデン職業と社会調査評議会
(Swedish Council for Working Life and Social Research, FAS)発行
「Newsletter」 June 2005 (完了プロジェクト)

(仮訳 国際安全衛生センター)

原文はこちら


 

 仕事の期限による強い圧力から生ずるストレス反応により、24時間以内に急性心筋梗塞を引き起こすリスクが増大する。

 このことがカロリンスカ研究所の研究レポートで明らかになった。1990年代の3年間にストックホルム地域で発生した、45歳から70歳までの男女3,000人以上の心筋梗塞の全ての症例が、この研究の対象に含まれていた。

 心筋梗塞と、発病する以前の12か月間に起きた仕事に関係したストレスの多い生活上の問題の間には、関連性があることがわかった。もしその人がある生活上の問題、例えば経済的困難、仕事上の軋轢、転職や仕事で責任が増えた事などから、強くストレスを感じるようなことがあったとき、特に危険であることがわかった。

 死に至らなかった約700のケースについては、クロスオーバーデザインと呼ばれる新しい方法を用いて特別な調査を行った。8%以上が心筋梗塞を起こす前の24時間以内に仕事関連でストレスの多い生活上の問題を経験していた。期限による強い圧力期限は6倍のリスクとなり、競合的状況は2倍のリスクとなった。

 心筋梗塞発病前の12か月の間に、ストレスの多い生活上の問題が繰り返し起こったために蓄積されたストレスがリスクを増すことは認められなかった。
つまり、古くからのこの仮説は不確かであることがより明らかになったのである。

 他の研究においては、突然の激しい身体的活動や感情的ストレスが、心筋梗塞につながる血栓形成の誘因となることが明らかにされてきた。この研究(カロリンスカ研究所の研究)で初めて、勤労生活で起こるストレスの多い出来事が急性心筋梗塞を誘発する可能性があることが論証された。

 更に詳しく知りたい方は,次のところへ照会してください:
Johan Hallqvist,Department of Public Health Sciences,Division of Social
Medicine, Karolinska Institute,e-mail:johan.hallqvist@phs.ki.se