このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > スウェーデン EUにおける化学物質暴露限界値決定に至る長期手順

EUにおける化学物質暴露限界値決定に至る長期手順

資料出所:National Institute for Working Life発行
「WORKING LIFE」Research and development news 2002年 No.3
(仮訳 国際安全衛生センター)

原文はこちら


 カロリンスカ大学のGunnar Johanson教授は、欧州連合(EU)化学物質基準部門のスウェーデンの専門家である。

 Gunnar Johanson教授は、スウェーデン国立労働生活研究所(Swedish National Institute for Working Life)衛生基準評価部門のメンバーであり、北欧部門の委員長でもある。彼は、最近、化学物質暴露限界値に関するEU専門家グループのメンバーとして、二期目、三年間の任務を引き受けた。
 専門家グループである職業暴露限界に関する科学委員会(Scientific Committee for Occupational Exposure Limits:SCOEL)には、参加者が各国二名の主要国を除いて、その他のEU加盟国からは各一人専門家が参加している。欧州自由貿易連合(EFTA)からも一人代表者が参加している。
 ストックホルムにあるカロリンスカ大学の環境医学部長でもあるGunnar Johanson教授は、仕事は、刺激的で有益なものであると述べている。SCOELでは、様々な化学物質に関連するリスクは、欧州委員会によって編集されたリストにより評価される。専門家達が健康に基づいたガイドライン値を提示し、次に関係者の意見が求められ、それから欧州委員会の決定が下される。そこに至るまでに、その物質が最初に研究されてから数年が経過してしまうことも多い。
 加盟国は、承認されたガイドライン値を自国の法令に反映する義務がある。ガイドラインには最小値を設定してあるが、さらに厳しい値を設定することは、各国にまかされている。
 「EUでの意思決定プロセスは時間がかかりすぎ、専門家グループ内でのリスク評価だけでも、数年間を要する。我々は、グループ内の全員の意見が一致するように懸命に努力し、多数決で決める事はしない。」と教授は認めている。
 現在、審査されるべき20の化学物質がある。Gunnar Johanson教授の最新の貢献は、ミネラルスピリット(petroleum spirit)の暴露限界値勧告を準備するにあたっての、ミネラルスピリットがどのように皮膚に吸収されるかに関する専門家のレポートである。


この記事の出典 National Institute for Working Life発行「WORKING LIFE」 2002年 No.3 は国際安全衛生センターの図書館が閉鎖となりましたのでご覧いただけません。