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労働者の4人に1人が、体力を超えた仕事に就いている
One in four people work beyond their physical capacity

資料出所:National Institute for Working Life発行
「WORKING LIFE」Research and development news 2003年 No.4 p.1
(仮訳 国際安全衛生センター)

原文はこちら



 スウェーデン国立労働生活研究所(National Institute for Working Life)によると、労働者の4人に1人が、就業日に自身の体力を超えた仕事を行っているという。

 「困難な仕事に取り組むためには、エネルギーを蓄えておかなければならない。これらのエネルギーは、余暇に行う運動をとおして作り上げられるが、事業者は作業時間中に全員参加の運動を導入するべきである」と、研究者でありエルゴノミストのLena Karlqvistは述べている。

 彼女の研究によると、男性の27%、女性の23%は、就業日中、自分の体力を超えて働いていることが判明した。国際的な勧告は、人が1勤務の間に使うべき労力は、その最大身体能力の3分の1を超えないことが望ましいとしている。

 調査は、テストを受ける全ての人の健康状態と、専門家によって評価される仕事上身体にかかる負荷を対象とし、全てのセクターが調査対象となった。調査によると、作業場の機械化にもかかわらず、今なお、身体に負荷がかかる作業が存在するという。

 過重労働の男性は、従来の民間の仕事に多く見られ、一方女性は、女性中心の福祉関係分野に多く見られる。不健全な状態が、両グループに共通する特徴である。

 「労働者は責任を持たなければいけないし、運動を始めなければいけない。そして、その運動は、歩行や階段の上り下り程度のものでよい。

 しかし、看護師、ケアワークおよび清掃のような身体負荷の大きな仕事に就いている労働者にとって、運動は、労働中に行うべき義務とすべきである。これは、警察や消防署ではすでに実行されている。個人の健康に良い影響を与えるとともに、労働力が十分生産的であるために、社会にも恩恵を与える。」とKarlqvistは述べている。

 Lena Karlqvistは、社会全体として、労働者が不健康になりつつある傾向があると信じている。多くの仕事は負担のより軽いものになり、我々は、より快適なライフスタイルをもつようになった。

 不健康に加え、仕事上、過重な身体負荷に結び付くような要因がほかにも多数存在する。

 過重労働の女性は男性よりもさらに、作業関連の身体的、精神的問題を抱え込む結果となる。その理由は、二重労働(訳注:仕事と家事)、不規則な労働時間、仕事に対する影響力の低さ、単調な仕事、低賃金にあるかもしれない。

 「男性にとってライフスタイルのパターンはより大きな影響を持つ。過重労働の労働者は、その他の者よりアルコールの消費量がはるかに高く、また肥満の割合も高い。」とKarlqvistは述べている。

 Lena Karlqvistは、彼女の調査研究を以下の雑誌で発表している。

「European Journal of Applied Physiology」 vol 89 no 6 Aug 2003
"Physical demands in working life and individual physical capacity"

「Scandinavian Journal of Work, Environment and Health」 vol 29 no 5 Oct 2003
"Excessive physical demands in modern worklife and characteristics of work and living conditions of persons at risk"

さらに詳しい情報は、Lena Karlqvistに問い合わせのこと。
e-mail: lena.karlqvist@arbetslivsinstitutet.se


この記事の出典 National Institute for Working Life発行「WORKING LIFE」 2003年 No.4 は国際安全衛生センターの図書館が閉鎖となりましたのでご覧いただけません。