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スチュワーデスの68.9%に腰痛等職業病

資料出所:海外情報調査員報告 2001年1月 林熾昌



 姿は美しく見えるし、高い給料を獲得でき、また世界を漫遊出来る、というのが一般の庶民のスチュワーデスに対するイメージである。しかしながら、調査によると、彼女たちの44.7%にはセクハラ(sex molest)の悲しい経験があり、また長時間の高い高度での、騒音に身を曝す作業環境によって、腰痛、足の静脈瘤性症候群の職業病がよく見られる。
 台北市OL協会の『スチュワーデスについての作業環境とその内容』のアンケートによると、回答の44.7%は『常に』または『たまに』セクハラの経験がありとし、NOと返答したのはわずかの14.7%という。相手としては、搭乗客が一番多く、72.2%を占め、続いては同僚の25.4%、その次がパイロットの15.9%という。
 当該協会事務局長の黄氏は、このセクハラは一般の職場のセクハラとは大きく違い、スチュワーデスは『客を尊重すべき』作業環境におり、搭乗客に『NO』と言い難いので、雇用主が自主的に敵意の無い環境を築かない限り、スチュワーデスの人格権を確保することは出来ないと思う、と述べている。
 その他、当該調査によると、僅か24.6%のスチュワーデスが会社にセクハラに対する予防規範の定めがあると答え、48.4%はこの措置がとられていないと、又26.9%は『知らない』と答えた。言い換えれば、この問題について、会社のPRが不足しているということである。
 次に、職業病については、68.9%のスチュワーデスに腰痛、つづいて肩こり、手や腕の筋肉の痛み、足の静脈瘤性症候群、不眠、脊髄変形、聴力損失等の症状がみられる。
 同調査によると、これらの職業病は、彼女達が長時間高い空で、騒音に曝され、又狭いキャビンに閉じこめられており、常に『掲げる』『挙げる』『担ぐ』『膝曲げ』等の機械的動作をするせいだと考えられている。
 台北市OS協会の事務局長、黄氏に言わせれば、東西文化の違いのせいか、国内の航空会社は特に若い、美しい女性をスチュワーデスとして雇い、サービス時の搭乗客の『良い気分』の好感を招きたいということで、アジア地域の多くの航空会社のスチュワーデスのほとんどは若い女性である。
 長年、スチュワーデス試験情報を提供している空勤学園園長の劉氏は、国外航空会社のやり方と国内航空会社とは大きく違い、国外航空会社は専業レベルを重視し、安全且つスムーズに搭乗客を扱うために、『ママタイプ』のスチューワデスがキャビンで、その熟練されたな動作と機敏な応対で、若い人達にちっとも負けずに勤めており、又年長であり、豊富な社会経験をもっていることから、セクハラに直面することも少ないという。