このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > イギリス 安全衛生関連法規最近の動向

安全衛生関連法規最近の動向

資料出所:英国安全評議会(British Safety Council: BSC)発行
「Safety Management」March 2005 付録小冊子 「Update on Health & Safety Law」

(仮訳 国際安全衛生センター)


 英国安全評議会の手引き
  安全衛生関連法規最近の動向

 英国の安全衛生関連法規  
4
 安全衛生関連法規に関する最近の改正:アスベストに関する義務  
5
 労働時間関連法規  
5
 障害者差別禁止法  
7
 その他の法律改正  
8
 安全関連法規に関する新しい指針  
10
 安全関連法規発効日の統一  
10
 安全関連法規への改正の延期  
11
 規則案:高所作業関連法規  
13
 新たな振動管理  
14
 新たな騒音規則  
15
 法人殺人に関する提案  
15
 安全違反の罰金の引き上げ  
16
 火災安全法の改革  
17
 新たな職業ばく露限界のシステム  
17
 その他の法律改正予定  
19
 参考文献  
22
 問い合わせ先一覧  
23
 最終チェックリスト  
24

©British Safety Council - March 2005 - REF.A50503



安全衛生関連法規最近の動向

 英国の法律の下では、職業に従事する者は誰でも、職業に起因する傷害または職業性疾病による害を受けることのないよう保護されている。その意味するところは、すべての事業者が、労働者および事業活動によって影響を受けるおそれがある人々の安全衛生と福利厚生を保護する法的義務を負う一方、労働者も、自身の安全衛生および同僚と公衆の安全衛生について合理的な注意を払う義務を負っている、ということである。

 各種の法律および規則に具体化されているこの法的保護は、あらゆる労働環境に存在するさまざまなハザードから労働者と公衆を適切に保護することを確実にするために、随時内容が改められている。事実、ここ数年の間も、さまざまな安全衛生の問題にかかわる新しい英国の規制、またはその改正が導入されている。こうした規制は、企業と産業における労働慣行と作業機器の使用に関して幅広い変化をもたらしている。

 英国の安全衛生規制の変化を主として促しているのは、労働安全衛生をめぐる新しい指令や修正された指令を定期的に出している欧州連合(EU)であろう。たとえば、1993年の発効に伴って職場における一般的なリスクアセスメントという概念を英国に持ち込んだ、いわゆる「6点セット」の安全衛生規制は、EU指令である6本の独立した安全規則から成り立っていた。

 この時以来、EU指令は英国における安全衛生問題に影響を与え続けている。たとえば、EUは2002年7月、作業場での振動へのばく露防止に関する新しい指令を採択したが、この指令は2005年7月までに英国の法規に取り込まなければならない。

 その一方で、英国政府は国内の労働安全衛生基準の改善へ向けて、独自の法案の作成を続けている。たとえば、政府は2004年末、新たに提案している法人殺人(corporate killing)罪について、2005年春には法律の草案を公表予定であることを明らかにした。これは、被害者に死をもたらすような重大な安全衛生上の過失について、企業にもっと責任を問えるようにすることがねらいである。

英国の安全衛生関連法規

 1970年代半ばまで、法(Act)や規則(Regulation)、さらに執行機関を含めた英国の安全衛生に関する法的枠組みは、特定の産業部門に限定された断片的なものだった。しかし1974年労働安全衛生法(Health and Safety at Work Act 1974)の制定に伴い、1975年には安全衛生関連法規の抜本的な再編成が行われた。1974年労働安全衛生法は、あらゆる職業に従事するすべての労働者を法規によって確実に保護することを意図したもので、労働者、自営業労働者、および労働活動によって影響を受ける可能性のある一般公衆の福利厚生の問題に統一的に対処できる単一かつ包括的な法的枠組みを提供している。

 1974年労働安全衛生法は、安全衛生管理のために事業者が実施しなければならないことを具体的に掲げることはせず、非常に漠然とした言葉使いで記述されている。たとえば事業者は、合理的に実施可能な範囲で(as far as is reasonably practicable)、安全で健康に対するリスクのない労働システムを使用しなければならない、とされている。これは、職場に存在するリスクを事業者が評価し、事業活動によって影響されるおそれのある人々を保護する安全なシステムを事業者が導入する必要のあることを意味する。

 1974年労働安全衛生法の制定後、次のマイルストーンとなったのは、1993年1月のいわゆる「6点セット」のEU安全衛生指令の導入であった。この「6点セット」には、職場における一般的なリスクアセスメントの実施を事業者に義務付けた労働安全衛生マネジメント規則(Management of Health and Safety at Work Regulations)のほか、ディスプレイ装置を使った作業やマニュアル・ハンドリング作業など、特定の労働活動がもたらすリスクの評価を事業者に義務付けた規則が含まれている。

 1990年代には、これ以外にも安全衛生関連法規に多くの改正があった。この期間に導入された重要な法律の1つに、1994年建設(設計および管理)規則(Construction (Design and Management) Regulations (CDM) 1994)がある。この規則は、構想と設計から完成建造物の保守までを含めた建設プロジェクトのあらゆる段階において、安全衛生を適切に管理することを義務付けている。

安全衛生関連法規に関する最近の改正:アスベストに関する義務 

 2003年からの2年間に、英国の安全衛生関連法規には多くの改正が加えられた。その一部は従来の法律の簡素化を目的とした小さな改正だが、職場における安全衛生リスクに対する事業者の管理義務をさらに厳しくするような改正もあった。

 中でも単独の改正としておそらく最も大きいのは、2004年5月、18か月の導入期間を経て、非住居建築物におけるアスベストのリスク管理の法的義務が有効になったことであろう。

 改正された2002年職場のアスベスト管理規則(Control of Asbestos at Work Regulations 2002 (CAW))の下では、事業者に加え、建物の所有者や管理会社といった非住居建築物を管理する者は、職場の建物内にアスベスト含有物が存在するかどうか、または存在する可能性があるかどうかについて、これを判断するための合理的措置を講じる具体的な法的義務を負うことになった。

 規則はさらに次のことを事業者に義務付けている。

  • アスベスト製の材料が存在する場所を書面で記録し、これを最新の状態に保持する。
  • アスベストを含んでいないという証拠がない限り、あらゆる材料にアスベストが含まれている可能性があると仮定する。
  • アスベストを含んでいる可能性があるあらゆる材料について十分な情報を書き記し、第三者がそうした材料を特定できるようにする。
  • アスベストに関連するリスクを抑制するための管理計画を作成・実施し、アスベストに触れる可能性のあるあらゆる人にアスベストの場所と状態に関する情報を確実に提供する。

 英国安全衛生庁(HSE)は、各種組織がこの新しい法的義務を遵守するのを支援するために、建物内のアスベストの管理に関する新しい公認実施準則(Approved Code of Practice: ACOP)と指針(guidance)を発行し、この問題に関して詳しいアドバイスを提供するためのウェブサイト(www.hse.gov.uk/asbestos)を立ち上げた。

労働時間関連法規 

 2003年には、労働者の労働時間に関する法律にも多くの改正があった。具体的には2003年8月、1998年労働時間規則(Working Time Regulations 1998)の適用範囲が拡大され、以前は対象から漏れていた産業部門がカバーされるようになった。この改正により、以下が1998年労働時間規則の対象に含まれるようになった。

  • 管理職や事務職員など、道路、海上、および内陸水路の輸送部門の非移動労働者(non-mobile workers)の全部。
  • 道路輸送部門の一部の移動労働者(mobile workers)。たとえば重量3.5トン以下の車両の運転手。
  • 旅行要員または搭乗要員以外の航空産業の労働者の全部。
  • 鉄道輸送および海上で操業する部門の労働者の全部。

 この改正の下では、労働者は平均最大週48時間まで労働することができる。ただし当人が希望する場合、それ以上労働することは可能である。また労働者は、週一日休む権利;一日11時間休む権利;夜間勤務をする場合には無料健康診断を受ける権利;夜間労働者の労働可能時間を24時間中平均8時間までとする権利;1日の労働時間が6時間を超える場合には20分の休憩を取る権利;を持つ。

 ただし、欧州運転時間規則(European Drivers' Hours Rules)が適用されない業務に従事する道路輸送部門の労働者、たとえばライトバンを使った宅配便業者やタクシー運転手については、休憩、休息時間、および夜間労働時間の制限に関し、上と同じ権利を持つわけではない。代わりにこれらの労働者は、定期的な休息時間を設ける権利を持つ。ただし、最大週48時間まで労働する権利と、夜間勤務する場合に健康診断を受ける権利はこれらの労働者にもある。

 上に述べた改正は、さらに次のことを意味する。すなわち、2003年8月以降、道路輸送に関する欧州指令(Road Transport Directives)が適用される移動労働者、たとえば労働時間がタコグラフで規制されている重量物運搬車(heavy goods vehicles: HGV)と長距離バスの運転手は、夜間勤務をする場合に健康診断を受ける権利と4週間の年次有給休暇を取る権利を持つ。ただし、重量物運搬車と長距離バスの運転手の労働時間に関する新しい制限と、これらの労働者を対象とした毎日および毎週の休息時間の確保については、かねてから2005年3月23日に発効する予定となっていた。したがって、重量物運搬車と長距離バスの運転手は、週48時間まで労働する権利と、単一週では60時間まで労働する権利を持つことになる。

 欧州委員会(EC)は2004年、労働時間に関する欧州指令(European Working Time Directives)に対する改正案の公開協議を開始した。改正案では、労働者が週48時間を超える労働に同意することを可能にする適用除外選択(opt-out)の乱用を防ぐために、より厳しい条件を課すとしている。

 具体的には、この改正案の下では適用除外選択は残るものの、職員の労働時間について労働組合と労働協約(collective agreement)を結ぶ企業は、労働組合と合意しない限り、個々の労働者に適用除外選択契約への署名を求めることはできないことになる。また、事業者は労働者に対して雇用契約への署名と同時に適用除外選択契約への署名を求めることはできなくなり、個々の労働者との適用除外選択契約については毎年更新しなければならなくなる。

 この改正案は2005年3月にはまだ欧州議会で審議中であったが、2005年夏には最終的な改正範囲について合意に至る見込みである。

 労働時間法のさまざまな側面については、通産省のウェブサイトwww.dti.gov.uk/er/work_time_regs/index.htmで詳しく知ることができる。

障害者差別禁止法 

 2004年10月には安全衛生関連法規に対するもう一つの重要な改正が行われ、1995年障害者差別禁止法(Disability Discrimination Act 1995)の下で事業者とサービス提供者に新たな義務が課せられた。

 この改正により、2004年10月1日以降、労働者数15人未満の小規模企業に対しては、精神的障害または肉体的障害を持つ労働者を差別しないことを確実にすることが義務付けられる。

 事業者はこの義務を遵守するために、障害を持たない職員と比べ、障害者に著しい不便を強いるような職場の物理的状態、もしくは事業者により、または事業者に代わってなされた同様の物理的状態がある場合には、これに合理的な修正を加えなければならない。ただし障害者差別禁止法は、事業者に対して実施のできない修正や金額的に不可能な修正を義務付けてはいない。

 事業者が検討する必要のある修正には次のようなものがある。

  • 建物の構造的改正または物理的変更。たとえば、出入り口を広げる、車椅子用のスロープを設ける、照明スイッチ・ドアのハンドル・棚の位置を変える、など。
  • 機器の購入または変更。たとえば、視覚障害者に読み上げソフトを用意する、聴覚障害者に対応電話機を用意する、など。

 上記に加え、一般公衆にサービスを提供する組織は、2004年10月1日以降、障害者がアクセスする際の物理的な障害とならないよう、建物の物理的状態に合理的修正を加える義務を負う。たとえば、サービス提供者は、建物入り口に階段がある場合には、車椅子の利用者向けにスロープと手すりを設置し、視覚障害者向けにはわかりやすい標識を用意する必要があるだろう。障害者差別禁止法の遵守に関する詳しい手引きは、www.dwp.gov.uk/employers/dda/index.aspで入手できる。

その他の法律改正 

 2003年からの2年間には、安全関連規則の簡素化を目的とした改正も多く、また事業者に対し、特定の安全規則で定められた義務を履行できるまで十分な時間を与えることを目的とした移行期間の一部も終了した。

 2004年5月には、陸路および鉄道による危険物の運搬に関する新しい規則、2004年危険物運搬・可搬式圧力装置使用規則(Carriage of Dangerous Goods and Use of Transportable Pressure Equipment Regulations 2004)が発効した。この規則は14の独立した法律を1つにまとめたもので、国内法を危険物の運搬に関する国際協定に沿ったものにするために、2つの欧州指令が取り込まれた。

 新しい規則の主なねらいは、危険物の運搬に関する法律を簡素化し、あわせて危険物の分類、包装、表示、および運搬に関する一般原則を単純化することにあった。ただし新しい規則では、運搬事業者が英国の車両標識制度(vehicle marking regime)の代わりに、ADR/RIDハザード識別番号(ADR/RID Hazard Identification Number)による標識システムを使用できるなど、いくつかの改正も含まれている。詳細については、www.hse.gov.uk/cdg/index.htmを参照のこと。

 最近行われたもう一つの改正は、2003年人材派遣・職業紹介事業運営規則(Condcut of Employment Agencies and Employment Businesses Regulations 2003)が2004年4月に導入されたことである。この規則は該当する紹介事業者に対し、派遣紹介先の事業者が雇用現場・設備・労働活動の安全衛生リスクの適切な評価を実施済みであること、さらにこれらの情報が求職者に手渡せる状態にあることを、確実にするよう求めている。詳細については、www.dti.gov.uk/er/agency/newregs.htmを参照のこと。

 2003年12月は、1998年作業機器提供・使用規則(The Provision and Use of Work Equipment Regulations 1998)の下での一部の木材切断機械へのブレーキ取り付けの期限であった。具体的には、2003年12月5日までに、丸ノコ盤(circular saw benches);耳取機(dimension saws);電動および手押し供給式切断ノコ(powered and hand-fed cross-cut saws);片端および両端ほぞ取り盤(single-end and double-end tenoning machines);丸ノコおよび/またはほぞ取り刃の取り付けが可能な複合機(combined machines with a circular saw and/or a tenoning attachment);にブレーキを取り付ける必要があった。 ブレーキ取り付けの期限はさらに2つあり、上記以外の次に示す木材切断機械が対象である。

  • ナロー・バンドソー(narrow bandsaws);リソー(re-saws);垂直軸型成型機(vertical spindle moulding machines)(手動式または足踏み式ブレーキが付いていない場合);手押し式ルーター(hand-fed routing machines);厚み決め機(thicknessing machines);かんな/厚み決め機(planing/thicknessing machines);表面かんな機(surface planing machines);については、2005年12月5日に作業を完了しなければならない。
  • 上に指定した以外の機械のうち、リスクアセスメントでブレーキが必要であることが判明したものについては、2008年12月5月が作業の期限である。

 2006年夏には、2002年危険物質および爆発性雰囲気規則(Dangerous Substances and Explosive Atmospheres Regulations 2002(DSEAR))の下で定められた特定の義務に関する移行期間は終了する。この移行期間は、該当する義務を事業者が履行できるまで十分な時間を与えることが目的であった。

 危険物質および爆発性雰囲気規則の下では、爆発性雰囲気が職場に生成するおそれがある場合には、事業者は職場を危険区域に分類し、必要な場合には警告標識を掲げなければならない。2003年6月30日以降に使用を開始した職場については、分類をただちに行う必要があったが、2003年6月30日の時点で使用中であった職場については、2006年6月30日までに分類を終えなければならない。詳細については、http://www.hse.gov.uk/fireandexplosion/dsear.htmを参照のこと。

安全関連法規に関する新しい指針 

 これまでに取り上げた法律の改正と同様、事業者に安全関連法規の遵守方法を周知するための指針(guidance)についても、2003年以降、いくつか重要な改正が加えられている。

 2004年12月には、労働者の健康に関する情報の取り扱い・収集を行う事業者が1998年データ保護法(Data Protection Act 1998)を遵守するのを支援するため、情報最高責任者(Information Commissioner)が新しい実施準則(Code of Practice)を公表した。この実施準則は事業者に新しい法的義務を課すものではないが、疾病と傷病の記録や薬物・アルコールテストの詳細な結果、労働衛生監視など、労働者の肉体的健康または精神的健康に関する情報を処理するときに、どのようにすればデータ関連の法規を遵守できるか解説している。

 実施準則では、事業者が労働者の健康に関する情報を収集・記録することが許容される状況を列挙している。たとえば、安全衛生リスクを回避する必要がある場合も、そうした状況の1つである。また実施準則では、安全衛生を理由とするものでない限り、職場の薬物・アルコールテストを通じた情報収集の正当化は難しいことも述べられている。詳細については、www.informationcommissioner.gov.ukを参照のこと。

安全関連法規発効日の統一 

 新しい法律による事業者の事務負担を軽減するため、政府は2004年末、安全衛生に関する国内の新法および改正法の発効日を今後、年2日とすると発表した。

 具体的には、2005年から、国内法への盛り込み期限を独自に定めている安全関連EU指令に基づく法律を除いて、安全衛生に関する国内の新法および改正法は、4月1日と10月1日の年2日に発効されることになる。安全衛生委員会(HSC)は、EU指令に基づく新しい各種安全規則についても、可能であれば上の2日に発効されるよう努めるとしている。

 英国の安全関連法規への改正予定の一覧、およびこの件に関する詳細については、www.hse.gov.uk/aboutus/regulationsを参照のこと。

安全関連法規の改正の延期 

 この数年の間に、政府と安全衛生委員会(HSC)は、かねて予定されていた安全衛生規制の改正について、その一部の実施を見送る決定を下した。

 たとえば、政府と安全衛生委員会(HSC)は2003年初め、職場災害の原因調査を新しい法的義務として事業者に課す案を棚上げにすることを決定した。安全衛生委員会(HSC)によると、英国企業の間に災害原因調査の実施についての不安が少なからずあり、英国安全衛生庁(HSE)から災害調査に関する新しい指針が出るのを多くの事業者が望んでいることが、調査によって明らかになったためという。

 これを受け、英国安全衛生庁(HSE)は2004年6月、新しい法的義務としての災害調査の導入を勧告する代わりに、事業者向けに職場の災害およびニアミスの調査方法を丁寧に解説したワークブック「災害と事故の調査(Investigating accidents and incidents)」(HSG245)を公表した。

 2004年初めには、政府と安全衛生委員会(HSC)は、職場での協議に関する新しい規則案を棚上げにした。この規則案では、1977年安全代表および安全委員会規則(Safety Representatives and Safety Committees Regulations 1977)と1996年安全衛生(労働者との協議)規則(Health and Safety (Consultation with Employees) Regulations 1996)が一つにまとめられ、安全衛生への労働者の関与に関する規則となる予定だった。

 しかし規則案が安全協議の面で期待された改善をもたらさないと判断した安全衛生委員会(HSC)は、代わりに各種の幅広い非規制的な施策を定め、これらの施策を通じて安全協議の改善に引き続き取り組んでいくこととした。特別に訓練を受けた安全アドバイザーが中小企業を訪問して安全に対する意識向上を図る労働者安全アドバイザー(Worker Safety Adviser)制度は、そうした施策の1つである。

 2004年末には、安全衛生委員会(HSC)が委託した1981年安全衛生(救急)規則(Health and Safety (First Aid) Regulations 1981)の見直しが終わり、職場における救急に関する法律またはこれに付随する公認実施準則(ACoP)に改正は必要ない、との結論が出された。

提案された規則:高所作業 

 2005年春以降、高所作業、騒音と振動へのばく露の防止といった安全衛生関連法規には、いくつか大きな改正が加えられることになる。

 2004年4月に発効予定の新しい高所作業規則(Work at Height Regulations)では、一時的高所作業に関する欧州指令(European Temporary Work at Height Directive)が英国の法規に取り込まれることになる。規則が定める要件の多くは新しいものではないが、高所作業に関して現在定められている要件のすべてが目標設定型の規則に一本化され、あらゆる産業に適用されることになる。

 規則案には、高所作業を行う際に事業者が従うべき各種の管理手段の適用順位が盛り込まれている。事業者はこの順位に従って、次のような義務を負うことになる。

  • 必ずしも高所作業が必要ではない場合、別の作業方法を検討して墜落・転落のリスクを回避する。たとえば構造物の場合、地上で組み立ててから、本来の場所に引き上げるといったことが可能である。
  • 高所作業を完全に排除することが合理的に実施可能でない場合には、労働者の墜落・転落や物体の落下を防止しつつ作業を行えるような種々の措置を講じる。たとえば、労働者の墜落・転落を防止する柵の付いた、平らでしっかりと安定した作業台から作業を行えるようにする。
  • 労働者の墜落・転落や物体の落下のリスクを最後まで排除できない場合には、地上までの距離を最小限に抑え、転落・墜落や落下によって重大な結果が生じないよう、種々の手段を講じる。たとえば、墜落・転落防止ネット(safety net)や安全ハーネスなどの適切な墜落・転落防止具を選択して使用する。

 事業者は、管理手段の適用順位のすべてにおいて、安全ハーネスといった個々の労働者を傷害から守るだけの個人用墜落・転落防止システムよりも、足場や移動式作業台、墜落・転落防止ネットといった適切な共同保護手段の方を優先して選択するよう義務付けられることになる。

 またこの規則案では、ある最低の高さを設定して、これを超えた場合に墜落・転落のリスクから労働者を保護するために各種手段を講じることを事業者に義務付けるというのではなく、身体に傷害を負うリスクのあるあらゆる高所作業に規則が適用されることになっている。

 新しい規則の下では、事業者は次のことを確実に行う必要がある。

  • 高所作業にはしごを使用できるのは、足場など、おそらくはより安全なほかの手段の使用が妥当でないことがリスクアセスメントで明らかになった場合に限る。ほかの手段が妥当でない理由として、リスクが低い;使用時間が短い;現場の現在の外見を損なうことができない;といった理由がある。
  • 移動はしごの足が使用中にすべらないようにする。たとえば、すでにある構造物にはしごを紐でくくり付ける、はしご安定装置やすべり防止装置を使用する、など。
  • 足場の手すりの高さは、1996年建設(安全衛生福利厚生)規則(Construction (Health, Safety and Welfare) Regulations 1996)で定められた従来の最低高さである910mmmを引き上げて、最低950mmとする。

 この規則については、英国安全衛生庁(HSE)が2005年春に詳しい指針を公表する予定である。詳細については、www.hse.gov.uk/falls/index.htmを参照のこと。

新たな振動の管理 

 欧州連合は、高所作業の安全に関する新しい指令の策定のほか、ここ数年の間に、騒音と振動を受ける労働者の安全衛生の管理を強化する2つの指令を採択している。

 2005年7月6日に発効予定の職場の振動管理規則(Control of Vibration at Work Regulations)案では、労働者のばく露がばく露アクションレベル(Exposure Action Value: EAV)を超える可能性がある場合には、振動を管理する具体的義務を事業者が負うことになる。ばく露アクションレベル(EAV)とは、8時間を通じた労働者の平均ばく露に基づいてあらかじめ定められた振動レベルのことである。さらに事業者は、労働者が特定のばく露限界値(Exposure Limit Value: ELV)を超える振動にさらされないようにすることを確実にする必要がある。ばく露限界値(ELV)とは、振動によるリスクが許容できない高さにあると判断されるレベルのことである。

 2005年7月に規則が発効すると、事業者は手と体全体の振動に関してばく露アクションレベル(EAV)を遵守する必要が出てくるが、振動軽減を目的とした新しい作業方法を導入するまでの猶予を事業者に与えるために、規則案にはいくつかの移行措置が盛り込まれている。

 これらの移行措置を勘案すると、事業者が2007年7月までに手と体全体の振動に関してばく露限界値(ELV)を遵守する必要があるのは、2007年7月以降に新しい装置の使用を開始した場合であり、中古、リース、または2007年7月6日の時点ですでに使用中であった装置の場合には、手の振動(Hand Arm Vibration: HAV)と体全体の振動(Whole Body Vibration: WBV)の限界値は2010年夏まで適用されないことになる。なお体全体の振動(WBV)の限界値は、農業と林業で使われる機械に関しては2014年まで適用されないが、安全衛生委員会(HSC)は、手の振動(HAV)の限界値は農業と林業に対しても2010年までに遵守を義務付ける予定である。詳細については、www.hse.gov.uk/vibration/index.htmを参照のこと。

新たな騒音規則 

 安全衛生委員会(HSC)は、有害なレベルの職場騒音にさらされる労働者の安全衛生の保護強化を目的とした欧州指令については、2006年に英国の法規に取り込むとしている。

 2006年2月に発効予定の物理的因子(騒音)に関する欧州指令(European Physical Agents (Noise) Directive)では、労働者の聴力保護のための措置が必要になる騒音レベルが引き下げられることになり、これとならんで、労働者の騒音へのばく露が新しい限界値を超えないようにすることが企業に義務付けられる。

 この欧州指令は、現行の1989年職場騒音規則(Noise at Work Regulations 1989)に置き換わる形で実施されることになる。新しい規則の具体的な内容は次のとおりである。

  • 日常の個人騒音ばく露のばく露アクションレベル(EAV)の下限を85dB(A)から80dB(A)に引き下げ、衝撃騒音(高エネルギー音の短い破裂音)のばく露アクションレベル(EAV)の下限については、200パスカルから112パスカルに引き下げる。このレベルでは、企業は適切な情報と教育訓練を提供し、聴力保護具を利用可能にする義務を負うことになる。また労働者の聴力が危険にさらされている証拠がある場合には、企業は聴力テストを実施する必要がある。
  • ばく露アクションレベル(EAV)の上限を90dB(A)から85dB(A)に引き下げ、衝撃騒音については200パスカルから140パスカルに引き下げる。このレベルでは、医師の聴力チェックを受ける権利が労働者に与えられ、事業者に対しては、騒音へのばく露の軽減を目的とした種々の管理手段からなる正式なプログラムを導入し、職場内で労働者が85dB(A)以上の騒音にさらされざるを得ない区域については聴力保護区域であることを示す標識を掲示し、労働者の聴力保護具の着用を確実にすることが義務付けられることになる。
  • 87dB(A)のばく露限界値(ELV)、および衝撃騒音については200パスカルの限界値を導入する。事業者は、防音保護具(ear defender)などの個人用保護具で実現できる保護レベルを考慮しつつ、週あたりの騒音ばく露レベルがこれらの限界値を超えないようにすることが義務付けられることになる。

 新しい騒音規則案の詳細については、www.hse.gov.uk/noise/index.htmを参照のこと。

法人殺人に関する提案 

 政府が掲げた公約、すなわちイングランドとウェールズで新しい法人殺人罪に関する法律草案を提出するという公約は、2004年11月の議会での女王式辞でも言及された。

 新しい法人殺人罪は、被害者に死をもたらすような経営上の重大な過失について、より多くの企業に刑事責任を問えるようにすることを目的としたもので、現行の過失殺人法は根本的に見直されることになる。

 現行法の下では、殺人で企業を告訴できるのは企業の「責任者(controlling mind)」が同罪で有罪判決を受けた場合のみである。しかし新しい法人殺人罪の案では、企業の行動が、与えられた状況の中で合理的に期待されうる行動よりも著しく劣っている場合に、法人殺人で企業に罪を問えることになる。

 政府によれば、新しい法律は、企業が満たす必要のある安全衛生基準の面では、新たな負担を課すものではないという。新しい法人殺人罪は役員個人や企業で働くその他の人々を対象としたものではないが、作業に関連した死亡の原因がこれらの人々の重大な過失であることが明らかになった場合には、現行の殺人罪で個人が告訴されることもありうる。

 政府は、法人殺人罪について発表した2004年3月の時点では、軍などの国家機関にも新しい法人殺人罪を問えるかどうか検討中であった。内務省によれば、法人殺人罪に関する法律草案は、2005年の春遅くに公表される予定である。

安全違反の罰金の引き上げ 

 新しい法人殺人罪に加え、「安全衛生の活性化(Revitalising Health and Safety)」への取り組みの一環として、安全衛生関連法規に違反した組織を取り締まるための新たな手段が提案された。「安全衛生の活性化」は2000年6月に発表された10か年戦略で、英国における労働安全衛生基準の改善を目的としている。

 「安全衛生の活性化」には、新しい法律の導入が政府の公約として含まれていた。この法律は、下級裁判所で課すことができる法定罰金最高額20,000ポンドの対象を拡大し、現在では最高でも5,000ポンドの罰金しか課すことのできない安全衛生違反罪に幅広く適用することをめざしたものだった。また、政府の省庁や軍などの国家機関には安全違反の罪を問えない免責条項について、その削除を目的とした法律の提案も、「安全衛生の活性化」に含まれていた。

 政府は2004年秋、裁判所が安全違反に関わる罪に対して課すことのできる罰金の引き上げと、国家機関の免責条項の削除を目的とした法律の導入について、議会の日程が許す限りできるだけ速やかに公約を実現する考えであることを明らかにした。

 なお、「安全衛生の活性化」には、政府の検討事項として、特定の役員を安全担当に任命することを企業に法的義務として課すことも盛り込まれていたが、政府はこの件に関し、目下のところ法律を導入する計画はないことを明らかにしている。役員はすでに法的責任と自発的責任を適切なバランスで引き受けており、これが安全衛生問題への対処を役員に義務付けている、というのが政府の見解である。

火災安全法の改革 

 政府は現行の火災安全法の改革へ向け、イングランドとウェールズを対象とした単一の火災安全制度創設計画を発表した。

 この計画は、1971年火災予防法(Fire Precautions Act 1971 (FPA))と1997年火災予防(職場)規則(Fire Precautions (Workplace) Regulations 1997)を1つの法令にまとめ、英国の火災安全法の簡素化を図ることをねらいとしている。新しい法令案では、火災予防法が適用される職場に対して火災認証を発行する現行のシステムが廃止され、リスクアセスメントの原則に基づいた単一かつ包括的な火災安全制度に置き換えられることになる。

 新しい火災安全制度では、事業者やオーナーといった職場の責任者は、職場に存在する火災ハザードの評価を実施する法的義務を負うことになる。また、職場を管理する人物については、建築物の内部にいる人々が火災のリスクにさらされないようにするための安全措置を講じる一般的な義務を負うことになる。具体的には、以下のことが含まれる。

  • 建築物および防火装置や火災検知装置を適切に保守する。
  • 建築物に適切な火災警報器を設置する。
  • 火災発生時に建築物の内部にいる人々が適切に対応できるよう、適切な警告システムおよびその他の情報伝達システムを整備する。

   ただし政府によると、新しい法的義務のほとんどはすでに現行の火災安全法で定められているものなので、新しい火災安全制度が事業者に新たに大きな負担を課すことはないという。改正案は2005年にイングランドとウェールズで効力を生じる予定となっている。


新たな職業ばく露限界のシステム 

 事業者の法的義務である労働者の化学物質へのばく露の管理をいっそう容易にするため、安全衛生委員会(HSC)は2005年春、現行の職業ばく露限界(occupational exposure limit: OEL)のシステムを簡素化する予定である。

 有害物質管理規則(Control of Substances Hazardous to Health Regulations: COSHH)の1989年の施行時に導入された現行システムでは、職業ばく露基準(Occupational Exposure Standards: OES)と最大ばく露限界(Maximum Exposure Limits: MEL)の2種類の職業ばく露限界(OEL)が定められている。職業ばく露基準(OES)は、現在の科学知識に基づけば労働者の健康に対するリスクの徴候がないレベルをいう。一方、最大ばく露限界(MEL)は、「安全な」レベルのない化学物質、または実質的に安全なレベルを管理できない化学物質のレベルをいう。現在、事業者に対しては、化学物質へのばく露を職業ばく露基準(OES)以下とするか、または合理的に実施可能な範囲で最大ばく露限界(MEL)以下とすることが義務付けられている。

 ただ安全衛生委員会(HSC)によると、多くの事業者は、職業ばく露基準(OES)と最大ばく露限界(MEL)の意義を理解していないという。このため、現行システムは2005年4月6日以降、職場ばく露限界(Workplace Exposure Limit: WEL)という名の1種類の職業ばく露限界(OEL)を使ったシステムに置き換えられる予定である。新しいシステムでは、職場の大気中において許容される化学物質の最大限界が定められることになる。また、新しい職場ばく露限界(WEL)は、有害物質管理規則(COSHH)自体の中で取り上げられている労働衛生の原則に基づいた、無料で提供されている優良慣行勧告(good practice advice)とリンクされる予定である。

 これらの原則については、職場ばく露限界(WEL)の遵守方法について説明した事業者向けの無料のオンライン資料、「有害物質管理規則の要点(COSHH Essentials)」で解説される予定である。換言すれば、「有害物質管理規則の要点」に記載された有害物質のばく露管理方法に関する優良慣行勧告に従う事業者は、当該有害物質の職場ばく露限界(WEL)の範囲内にばく露を抑えていることになる。

 ただし、職場ばく露限界(WEL)を遵守するために「有害物質管理規則の要点」の優良慣行勧告に従うことは義務ではなく、2005年4月に発行予定の改訂版有害物質管理規則(COSHH)公認実施準則(Approved Code of Practice: ACOP)では、規則で掲げられた優良慣行の原則を守る限り、事業者は職場ばく露限界(WEL)の遵守について独自の方法を選択できることが、明記されることになっている。優良慣行の原則には、有害物質の発生を最小限に抑える作業工程の設計、および有害物質の漏出を最小限に抑えるのに最も効果的な手段の選択が含まれる予定である。

 新しい職場ばく露限界(WEL)システム案の詳細については、www.hse.gov.uk/coshh/index.htmを参照のこと。

 上記のほか、2005年1月17日には、アレルギー性皮膚炎に苦しむ人々の数を減らすために、高クロムセメント(high-chromium cement)の使用禁止令が発効した。禁止令では六価クロム含有量が2ppmを超えるセメントの使用を禁止しており、モルタル、グラウトおよびタイル接着剤など、クロムセメントの含有量が多い製品もその対象になっている。

 セメントの製造業者は還元剤を使うことでセメントの六価クロム含有量を減らすことができ、セメントを適切に貯蔵すれば、その効果は約6か月持続する。製造業者がこの方法を使う場合、新しい法律の下では使用期限と安全に貯蔵するための条件を包装に明示しなければならない。

 なお、セメントが人の皮膚に触れるリスクのない、完全自動で十分に密封された作業工程でセメントを使用する場合には、上の禁止令は適用されない。

その他の法律改正予定 

 2005年春からの数年間、英国の安全衛生関連法規にはさらにいくつか改正が加えられる見込みである。

 安全衛生委員会(HSC)は2005年中に、1994年建設(設計および管理)規則(Construction (Design and Management) Regulations 1994 (CDM))および関連指針に対する改正案の概要を示した公開協議文書を公表する意向である。この見直しは、建設業界の関係当事者が不満を表明したのを受けて行われたもので、建設業界の当事者らは、建設(設計および管理)規則が複雑である--これに加えて多くの義務履行者が官僚主義的姿勢で対処している--ために、規則の効果が薄れているとしている。見直しの中で検討されている事項には次のようなものがある。

  • 建設(設計および管理)規則を簡素化し、規則で期待されているのは何なのか、義務履行者にわかりやすくする。
  • 事務手続きよりも積極的な計画作りと安全管理を重視することで、官僚主義的な面を最小限とする。
  • 計画監督(planning supervisor)の役割をさらに効果的なものにする。

 改正案の詳細は後日、英国安全衛生庁(HSE)のウェブサイトwww.hse.gov.uk/construction/designers/consult.htmに掲載されることになっている。

 また、安全衛生委員会(HSC)は2005年7月1日までに、危険な化学物質の関わる大規模災害の防止と軽減に関するECのSeveso II指令(Seveso II Directive)を英国の法規に取り込まなければならない。

 英国内では、Seveso IIの安全、衛生、環境に関する条文は、1999年大規模災害管理規則(Control of Major Accident Hazards Regulations 1999 (COMAH))を通じて実施された。大規模災害管理規則(COMAH)では、定められた量を超える危険物質の大量の取り扱い、生産、使用、または貯蔵を行う現場--たとえば大規模化学施設や原子力発電所など--を操業する者に対し、特定の義務を課している。

 安全衛生委員会(HSC)は、この大規模災害管理規則(COMAH)を修正することで新しい欧州指令を英国の法規に取り込む予定である。安全衛生委員会(HSC)によると、最も大きな改正は、Seveso IIで定められたいくつかの定義と規定量の修正であるという。たとえばSeveso IIでは、硝酸カリウム肥料に新しい閾値が設定され、現行リストに7つの新しい発がん物質が追加され、硝酸アンモニアの定義が改正されて百分率組成のより低いものも対象に含まれるようになり、自動車用ガソリンに新たな定義が与えられてナフサ、ケロシン、およびディーゼル由来の燃料が含まれるようになっている。

 改正案の詳細については、www.hse.gov.uk/comah/index.htmを参照のこと。

 別の動きとして、政府は2004年夏、英国児童雇用法を近い将来に抜本的に見直し、一貫性と透明性を高める意向であることを明らかにした。

 政府案によれば、児童の雇用について現在関係のある170の法律と付随条項が、最低学卒年齢(16歳前後)未満のすべての児童に適用される1つの法律に一本化されることになる。

 現在は事業者に対し、雇用する児童労働者ごとに作業許可の申請を義務付けているが、政府案ではこれに代えて新たに簡略化した義務を定め、事業者に対し、学齢期児童雇用者として3年ごとに地方自治体に登録することを義務付けることになる。本稿執筆時点では、政府は2005年初めに新しい規制案の公開協議を予定していた。

 また政府は、児童に対し日曜日に2時間を超える労働を許可すべきかどうかについても、公開協議を行う予定である。土曜労働に関する現行の条文を踏襲した場合、日曜日の最大労働時間数は、13歳と14歳については5時間、15歳と16歳については8時間ということになる。

 政府によると、こうした措置を地方自治体、事業者、児童、および親に認識してもらうため、法律に関する簡単な優良慣行指針を作る予定であるという。

 もう一つ、安全衛生関連法規への改正予定として、電磁場(electromagnetic fields: EMFs)関連の健康リスクから労働者を保護することを目的とした新しい欧州指令が、2008年4月までに英国の法規に取り込まれることになっている。電磁場を発生するのは、架空送電線や無線送信機、携帯電話基地局といった電気設備である。

 この欧州指令の下で、英国の事業者は将来、周波数が300ギガヘルツまでの電磁場への過剰なばく露がもたらす短期的な健康リスクから労働者を保護する法的義務を負うことになる。具体的に言うと、欧州指令では、労働者を保護するために何らかの措置を事業者が講じなければならない電磁場ばく露のレベルが定められているほか、超えてはならない電磁場ばく露の限界値が設定されている。リスクアセスメントの結果、職場の電磁場ばく露レベルがアクションレベル(action value)以上であることが判明した場合、事業者には電磁場ばく露レベルを限界値未満に引き下げるための行動計画実施の法的義務が課せられることになる。詳細については、www.hse.gov.uk/radiation/nonionising/hse.htmを参照のこと。

 一方、政府は屋内の公共の場所と職場での喫煙を禁止する計画を明らかにしている。政府案によると、2007年末までに、許可された施設--これらの施設については別扱いとなる予定--を除くあらゆる屋内の公共の場所、およびあらゆる職場において、喫煙が禁止されることになる。また、2006年末までに、あらゆる政府省庁の庁舎とほとんどの国民保健サービス(National Health Service: NHS)の施設が禁煙になる予定である。

 さらに2008年末までには、すべてのレストラン、および食品を調理して提供するパブとバーで喫煙が禁止される予定である。ただし食事を供さないパブと、メンバーが喫煙を許可する決定をしたプライベートな会員制クラブに対しては、禁煙は適用されない。

 政府はホスピスや老人ホームといった特定の施設における喫煙の規制に必要な措置について、2005/06年度に公開協議する予定である。

終わりに

 労働安全衛生法が1975年に施行されて以来、幅広い分野にわたって数多くの安全衛生関連法規が導入されている。これは、労働安全衛生基準の引き上げが重要であえるという認識が英国において高まっていることを示すものである。

 おそらく英国の現在および将来の安全関連法規に最も大きなインパクトをもたらすのは、欧州連合(EU)であろう。定期的に採択されている欧州指令は、英国内だけでなく、ヨーロッパ大陸全体の労働活動のあり方に影響を及ぼすものだからである。

 その一方で、新しい法人殺人罪の提案と軽微な安全違反罪に対する罰金引き上げの計画は、安全衛生管理の重要性に対する企業と業界の認識を高めることになり、ひいては英国の今後の安全衛生の課題を見定めるうえで、重要な役割を果たすことになるであろう。



参考文献

'Health and safety regulation. A short guide'
  HSC13REV1

'What to expect when a health and safety inspector calls: A brief guide for businesses, employees and their representatives'
 HSC14

'HSC's enforcement policy statement'
 HSC15

'Directors' responsibilities for health and safety'
 INDG343

'Management of health and safety at work. Management of Health and Safety at Work Regulations 1999. Approved Code of Practice'
 L21, ISBN 0-7176-2488-9

'The Control of Substances Hazardous to Health Regulations 2002. Approved Code of Practice and guidance'
 L5, ISBN 0-7176-2534-6

'Safe use of work equipment. Provision and Use of Work Equipment Regulations 1998. Approved Code of Practice'
 L22, ISBN 0-7176-1626-6

'A short guide to managing asbestos in premises'
 INDG223(rev3), ISBN 0-7176-2564-8

'A comprehensive guide to managing asbestos in premises'
 HSG227, ISBN 0-7176-2381-5

'The management of asbestos in non-domestic premises. Regulation 4 of the Control of Asbestos at Work Regulations 2002. Approved Code of Practice'
 L127, ISBN 0-7176-2382-3

'Investigating accidents and incidents: A workbook for employers, unions, safety representatives and safety professionals'
 HSG245, ISBN 0-7176-2827-2

'Fire and explosion - How safe is your workplace? A short guide to the Dangerous Substances and Explosive Atmospheres Regulations'
 INDG370, ISBN 0-7176-2589-3

'PUWER 98: Retrofitting of braking to woodworking machines
 WIS38

英国安全衛生庁(HSE)の指針書籍、冊子、公認実施準則(ACoP)、およびビデオは次のところで注文できる:HSE Books (Tel) 01787 88165、(Fax) 01787 313995、またはwww.hsebooks.co.uk

多くのHSE出版物は次のところから無料でダウンロードできるwww.hse.gov.uk

'Working with ADR: an introduction to the carriage of dangerous goods by road'
 04DFT01, ISBN 1-9047-6347-2

上の出版物は次のところから無料で入手できる:運輸省(Department for Transport)(Tel) 0870 1260 236 または (E-Mail) dft@twoten.press.net

英国安全衛生庁(HSE)のウェブサイトからコピーをダウンロードすることもできるwww.hse.gov.uk/cdg/index.htm

'Your guide to the Working Time Regulations'

上の出版物は通産省(Department of Trade and Industry)のウェブサイトから無料でダウンロードできるwww.dti.gov.uk/er/work_time_regs/index.htm



問い合わせ先一覧


英国安全評議会(BSC)
 独立の安全衛生機関。有害物質、マニュアル・ハンドリング、職場のアスベスト、ディスプレイ装置などがもたらすリスクの評価と管理など、リスク管理とリスクアセスメントの多くの側面に関し、総合的な教育訓練を提供している。
  Tel: 020 8741 1231  Fax: 020 8741 0835
  E-mail: mail@britsafe.org
  Internet: www.britishsafetycouncil.org

英国安全衛生庁(HSE)
 英国における安全衛生法の執行機関。安全衛生法の遵守に関する指針を提供するほか、労働衛生相談部(Employment Medical Advisory Service: EMAS)を通じて労働衛生に関する種々の問題について助言している。労働衛生部(EMAS)へは地元のHSE地域事務所経由で問い合わせることができる。なお、店舗や事務所といった、リスクの低い一部の職場における安全関連法規の執行については、地方自治体の担当である。もよりのHSE事務所については、HSEのインフォラインで詳しく知ることができる。地方自治体については電話帳を参照のこと。
  Internet: www.hse.gov.uk

HSEインフォライン(HSE Infoline)
 労働安全衛生の問題に関する無料の案内および情報の提供。
  Tel: 0870 154 5500  Fax: 02920 859260
  E-mail: hseinformationservices@natbrit.com

HSE出版局(HSE Books)
 安全衛生に関する有料、無料の指針書籍、ブックレット、ビデオ。
  Tel: 01787 88165  Fax: 01787 313995
  Internet: www.hsebooks.co.uk

英国災害報告センター(Incident Contact Centre)
 イングランド、スコットランド、およびウェールズの事業者が、RIDDORに該当する災害・疾病・危険事態を報告するため設けられた国立センター。
  Tel: 0845 300 9923  Fax: 0845 300 9924
  E-mail: riddor@natbrit.com
  Internet: www.riddor.gov.uk

北アイルランド安全衛生庁(Health and Safety Executive for Northern Ireland: HSENI)
 北アイルランドにおける安全衛生法の執行機関。
  Tel: 028 9204 3249  Fax: 028 9023 5383
  E-mail: hseni@detini.gov.uk
 Internet: www.hseni.gov.uk

英国労働組合会議(Trades Union Congress: TUC)
 労働組合の安全代表への助言と情報の提供。また、事業者と労働者向けの手引きの作成。
  Tel: 020 7636 4030  Fax: 020 7636 0632
  E-mail: info@tuc.org.uk
 Internet: www.tuc.org.uk

英国規格協会(British Standards Institution: BSI)
 機械、装置、および設備の安全衛生に関する規格の作成。
  Tel: 020 8996 9001  Fax: 020 8996 7001
  Internet: www.bsi-global.com

英国政府刊行物出版局(The Stationery Office)
 安全衛生規則を含む政府刊行物の作成。
  Tel: 0870 600 5522  Fax: 0870 600 5333
  Internet: www.tso.co.uk/bookshop

英国環境庁(Environmental Agency)
 イングランドとウェールズにおける大半の環境関連法規の執行機関。また、環境面での優良慣行に関する助言の提供、無料の手引きの作成。
  Tel: 0845 933 3111
  Internet: www.environment-agency.gov.uk

スコットランド環境保護庁(Scottish Environmental Protection Agency: SEPA)
 スコットランドの環境規制当局。
  Tel: 01786 4557700  Fax: 01786 446885
  E-mail: info@sepa.org.uk
 Internet: www.sepa.org.uk



最終チェックリスト

  • 安全衛生法の下では、事業者は、労働者および事業活動によって影響を受ける者の安全衛生と福利厚生を保護する義務を負っている。労働者は、自身と同僚の安全衛生について相当の注意を払わなければならない。

  • 事業者は可能な範囲で、安全で健康に対するリスクのない労働システムを用いなければならない。これは、職場に存在するハザードを特定し、これらのハザードが労働者にもたらすリスクを事業者が評価しなければならないことを意味する。

  • 1974年労働安全衛生法(Health and Safety at Work Act 1974)は、あらゆる職業に従事するすべての労働者を安全関連法規によって確実に保護することを意図したものである。

  • 2002年職場のアスベスト管理規則(Control of Asbestos at Work Regulations 2002 (CAW))の下では、事業者、および建物の所有者や管理会社など、職場がある建物を管理する者は、アスベストが存在するかどうか、または存在する可能性があるかどうかを知るために、職場の適切な評価を実施する法的義務を負っている。

  • 1995年障害者差別禁止法(Disability Discrimination Act 1995)の下では、すべての事業者、および一般公衆にサービスを提供する組織は、2004年10月以降、障害者がアクセスする際の物理的障害とならないよう、建物を合理的に修正する法的義務を負っている。

  • 2005年4月に発効予定の2005年高所作業規則(Work at Height Regulations 2005)では、高所作業に関して現在定められている要件のすべてが目標設定型の規則に一本化され、すべての産業に適用されることになる。この規則には、可能な場合には常に足場等の共同保護手段を選択するといった形で、高所作業を行うときに事業者が従うべき各種の管理手段の適用順位が盛り込まれている。

  • 物理的因子(振動)に関する欧州指令(Physical Agents (Vibration) Directive)は2005年夏までに英国の法規に取り込まなければならないことになっており、事業者は、あらかじめ定められたアクションレベルまたは限界値に達した場合、手と体全体の振動へのばく露を管理する具体的な義務を負うことになる。

  • 物理的因子(騒音)に関する欧州指令(Physical Agents (Noise) Directive)は2006年2月までに英国の法規に取り込まなければならないことになっており、職場騒音にさらされる労働者の安全衛生の保護強化を目的としている。この欧州指令により、労働者の聴力保護のための措置を事業者に義務付けた騒音アクションレベルは引き下げられることになる。

  • 政府は、新たに提案している法人殺人罪について、2005年夏には法律草案を公表予定である。新しい法人殺人罪は、被害者に死をもたらすような経営上の重大な過失について、より多くの企業に刑事責任を問えるようにすることを目的としたものだが、事業者が満たさなければならない安全基準の面では新たな負担を課すものではない。

  • 政府は2005年、英国の火災安全法を簡素化し、イングランドとウェールズを対象とした単一の火災安全制度を導入する意向である。政府案によると、火災認証を発行する現行のシステムは廃止され、事業者に対する新たな要件として、リスクアセスメントの実施と、職場の火災リスクを管理するための適切な措置の実施が義務付けられることになる。

  • 2005年4月には、有害物質へのばく露の管理を事業者がより容易に行えるようにするために、2種類の職業ばく露限界(OEL)から構成されている現行システムに代えて、職場ばく露限界(WEL)という名の1種類の職業ばく露限界(OEL)を使ったシステムが導入される予定である。この新しい職場ばく露限界(WEL)とあわせ、労働衛生上の優良慣行勧告も「有害物質管理規則の要点(COSHH Essentials)」の中で無償提供される予定である。「有害物質管理規則の要点」は、化学物質による安全衛生上のリスク抑制について解説した英国安全衛生庁(HSE)のオンライン資料である。


(9ページの流れ図)

EU指令が英国の法規になるまで

欧州連合が合意し、欧州共同体官報(Officical Journal of the European Communities)で公表され、国内法への盛り込み期限が付いた指令

英国安全衛生庁(HSE)が規則案について労働組合や事業者団体、関係当事者と非公式に協議する

規則の草稿が作成され、安全衛生委員会(HSC)に送られ、正式な公開協議文書が公表される

公開協議期間は約4か月

安全衛生委員会(HSC)が公開協議期間中に寄せられたコメントを考慮に入れて修正案を承認する

安全衛生委員会(HSC)が規則案を国務大臣に勧告する

国務大臣によって規則が作成され、議会に提出された後、欧州委員会が設定した期限までに発効する


(12ページのリスト)

安全衛生関連法規の最近の改正および改正予定

アスベスト(ASBESTOS) - 2002年職場のアスベスト管理規則(Control of Asbestos at Work Regulations 2002)の一環として、非居住建築物におけるアスベスト管理の法的義務が2004年5月21日から発効した。

化学物質(CHEMICALS) - 2004年有害物質管理(改正)規則(Control of Substances Hazardous to Health (Amendment) Regulations 2004)の一環として、高クロムセメントの使用および供給の禁止が2005年1月17日から発効した。

建設(CONSTRUCTION) - 安全衛生委員会(HSC)は、1994年建設(設計および管理)規則(Construction (Design and Management) Regulations 1994)の改正案について、早ければ2005年春に関係当事者と協議する意向である。

法人殺人(CORPORATE KILLING) - 政府は、新しい法人殺人罪に関する法律草案を2005年春に公表する予定である。

輸送(TRANSPORT) - 陸路および鉄道による危険物の運搬に関する14の独立した法律を1つにまとめた2004年危険物運搬・可搬式圧力装置使用規則(Carriage of Dangerous Goods and Use of Transportable Pressure Equipment Regulations 2004)が2004年5月10日に発効した。

障害者法(DISABILITY LAW) - 2004年10月1日から、1995年障害者差別禁止法(Disability Discrimination Act 1995)の下で企業に新たな義務が課せられ、障害を持つ顧客または労働者を差別しないことを確実にすることが義務付けられた。

人材派遣(EMPLOYMENT AGENCIES) - 人材派遣業者は2004年4月6日以降、2003年人材派遣・職業紹介事業運営規則(Conduct of Employment Agencies and Employment Businesses Regulations 2003)の下で安全衛生情報取得義務を新たに負うことになった。

防火(FIRE SAFETY) - 60本を超える現行の火災安全関連規則に代わる新しい火災安全法(Fire Safety Act)がイングランドとウェールズで2005年中に発効する予定である。

大規模災害管理(MAJOR ACCIDENT HAZARD) - 2005年7月1日までに英国の法規に取り込まれる予定の欧州指令により、危険度の高い施設における大規模災害の管理に関する英国の法規の適用対象が拡大する。

騒音(NOISE) - 職場騒音規則(Noise at Work Regulations)に対する改正が2006年2月15日に発効予定である。ただし、音楽部門と娯楽部門は2008年2月まで適用対象外となる。

喫煙(SMOKING) - 政府は屋内の公共の場所と職場での喫煙を徐々に禁止し、許可された施設についても2008年末までに禁煙とする予定である。

振動(VIBRATION) - 職場における手と体全体の振動に関するばく露管理は、2005年7月6日からさらに厳しくなる。ただし、ばく露限界値(ELV)の導入は、2007年から2014年までの間に段階的に行われる予定である。

高所作業(WORK AT HEIGHTS) - より安全な高所作業の推進を目的とした新しい規則が2005年4月に発効する予定である。


写真のキャプション

(2ページ左の見出し)
すべての事業者が労働者の安全衛生と福利厚生を保護する法的義務を負っている。

(4ページのキャプション)
2004年5月以降、事業者に加え、非住居建築物を管理する者は、作業場におけるアスベストの存在を特定するための合理的措置を講じるとともに、あらゆる人々のアスベストへのばく露を防止する管理計画作成の法的義務を負うことになった。

(5ページ右の見出し)
2004年5月の改正は、単独の改正としておそらく最大のものであった。

(6ページのキャプション)
2003年8月、労働時間規則の適用範囲が拡大され、以前は対象から漏れていた鉄道、道路、および海上で操業する産業の労働者もカバーされるようになった。

(7ページ右の見出し)
事業者は合理的修正を加えなければならない。

(7ページのキャプション)
1995年障害者差別禁止法の下で、サービス提供者とすべての事業者は2004年10月以降、障害者がアクセスする際の物理的障害とならないよう建物に合理的修正を施す義務を負うことになった。

(8ページのキャプション)
陸路および鉄道による危険物の運搬に関する法律の簡素化を目的とした新しい規則が、2004年5月に発効した。

(8ページ左の見出し)
新しい規則の主なねらいは法律を簡素化することである。

(10ページ左の見出し)
事業者向けに用意されている指針にはいくつか重要な改正があった。

(11ページのキャプション)
2003年初め、安全衛生委員会(HSC)は、新しい法的義務として職場災害の原因調査の導入を勧告する代わりに、災害調査に関する新しい指針を発行する、と発表した。

(13ページ右の見出し)
事業者は共同保護手段の選択を義務付けられることになる。

(14ページ左の見出し)
規則案には事業者に猶予を与えるための移行措置がいくつか盛り込まれている。

(15ページのキャプション)
労働者の振動へのばく露があらかじめ定められたアクションレベルまたは限界値に達した場合には、事業者は労働者の振動へのばく露を管理する法的義務を負う。この法的義務は2005年7月から発効する。

(16ページのキャプション)
政府によれば、提案中の新しい法人殺人罪は、企業が満たさなければならない安全衛生基準の面では新たな負担を課すものではないという。

(17ページ右の見出し)
政府は単一の火災安全制度創設計画を公表した。

(18ページのキャプション)
2005年4月、英国の職業ばく露限界(OEL)のシステムは簡素化され、有害物質のばく露管理に関する無料の優良慣行勧告とともに職業ばく露限界(OEL)を1種類に絞ったシステムが導入される予定である。

(19ページ右の見出し)
今後数年間はさらにいくつか改正が加えられる見込みである。

(20ページ左の見出し)
事業者には、現行の要件に代えて新たに簡略化された義務が課せられる。

(21ページのキャプション)
危険度の高い施設において特定の危険物質を使用、貯蔵、または製造する場合、これらの危険物質がある閾値を超えると大規模災害管理規則の適用対象となるが、2005年7月からはこの閾値が引き下げられる予定である。



この法律のオリジナル(英語)は国際安全衛生センターの図書室でご覧いただけます。

このページの先頭へページの先頭へ