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英国衛生安全庁(HSE)

英国金属加工業の疾病軽視による損失は年100万ポンド

資料出所:英国衛生安全庁(HSE)ホームページ

http://www.hse.gov.uk/press/2005/e05071.htm

(仮訳 国際安全衛生センター)


  喘息や皮膚炎のような病気による英国金属加工業の損失額は、金属加工用切削油剤(MWF)の品質の管理が不良の企業において数百万ポンドにも達している。

 何万人もの作業者が毎年MWFにばく露されている。ばく露された作業者が休職しなければならなくなったり、代わりの人を見つけて訓練しなければならない等、業界は損害を被るのである。MWFは金属を加工する間に使われるが、吸い込んだり、皮膚に接触したりすると危険有害なものになり、体に悪影響を与える可能性がある。このことは作業者に疾病をもたらすだけでなく、切削油剤をロスし、工具の寿命を縮め、そして機械の性能も悪化させる。

 疾病削減対策プログラムの一環としてHSEは、気管支炎や喘息を初めとする呼吸器疾患を引き起こす金属加工用切削油剤による疾病についての認識を一層高めることに努力している。2005年5月19日からHSEのホームページに次の新しい疾病の項目を含めようとしている:金属加工用切削油剤、これは金属加工業で働く作業者が有益な情報を簡単に入手できるようにしたものである。http://www.hse.gov.uk/metalworking/index.htm http://www.hse.gov.uk/metalworking/index.htm

 作業に関連して起きる喘息は、重大且つ増大している問題であり、大まかに見て毎年1500人から3000人程度新たな患者がでていると推定される。しかし、これは非常に低く見積もられた数字であり、職場では認識されておらず、且つ報告されてもいないもっと多くの患者がいると推定される。

 英国切削油剤協会やアミカス(Amicus)のような利害関係者は、金属加工用切削油剤の安全衛生、とりわけ呼吸器疾患に関するプロフィールをはっきりさせることを重要視している。

 Bert Boomkamp氏(協会の金属加工製品幹事グループ会長)は次のように話している。“新しくなったHSEのトピックページは、金属加工用切削油剤の管理や取り扱い方法に関し、重大なガイダンスを付け加えたものである。同グループは、金属加工用切削油剤のサプライヤーの大部分を代表する会員に、同ガイダンスの指導をより一層実施協力するよう呼びかけている。”

 Jan Willets氏(HSE製造業部門担当者)は次のように述べている。“金属加工用切削油剤を正しく取り扱うことは金属加工業で働く人々の健康と安全を守るためきわめて重要なことである。新しいホームページは十分且つ適切なリスクアセスメントを実施する方法及び職場で重大な呼吸器や皮膚の疾患にかかるリスクを抑制するための実際的な対策を取る方法についてすべてのユーザーに知らせる重大な役目を担っている。”  

編集者メモ

  • 危険有害物質管理規則(COSHH)は、金属加工用切削油剤のような、職場で使用される物質が健康へ及ぼす悪影響から作業者及び影響を受ける可能性のある人々を守ることを意図したものである。COSHHは事業者に対し危険有害物質を使用することにより発生するリスクを評価し、ばく露を防止したり、適切に抑制する手段を講ずることを要求している。

問合わせ先:
  HSEのInfoLine; tel: 0845 345 0055、
ホームページ http://www.hse.gov.uk/contact/index.htm
手紙のあて先:HSE InfoLine, Caerphilly Business Park, Caerphilly CF83 3GG。