HSE(英国安全衛生庁)は、建設業におけるセメントの安全使用に関するガイダンスの改訂を発表した。
セメント−建設情報シート26(改訂第2版)は、セメントから受けるリスク及びリスクのコントロール方法についてアドバイスしている。このHSEの新情報シートは建設工事でセメントを取り扱う作業者及びセメントの使用を監督する人に向けたものである。
Mike Cosman(HSE建設担当課長)は次のように語った。
“法律では建設工事現場にトイレ及びお湯が出るような福利厚生施設を設けることを義務付けてはいるが、多くの現場ではこのことが見過ごされている。お湯は湿ったセメントに接触する人には欠くことのできないものである。もし迅速且つ入念に洗い落とさなければ、ひどいやけどやアレルギー性皮膚炎を引き起こし、このことにより重大な傷害の原因ともなりうる。”
1年間に約450人の建設労働者がアレルギー性皮膚炎にかかり、レンガ職人の10人に1人がアレルギー性皮膚炎にかかって仕事を離れている。
HSEの新情報シートには大事に至らないよう次のような簡単な予防対策が書かれている。
- セメントが皮膚につかないようにする。事業者は個人用保護具(PPE)を支給し、作業者はそれを使用すること。
- もしセメントが皮膚についたら、迅速且つ入念に洗い落とすこと。
- もし皮膚が赤くなったり、ヒリヒリしたら、医師に相談すること。
- 事業者は定期健康診断を実施して、極力早期に問題を見つけ対処すること。
“私は建設業界でセメントを取り扱うすべての人が、この無料情報シートのコピーを手に入れるよう強く勧める。そうすればこの危険有害性のある建築材料の安全使用が確かなものとなる。”
とMike Cosmanは述べた。
この情報シートは現在絶版となっている以前の版と入れ替えるものである。このシートは有害物質衛生管理規則2002年(the Control of Substances Hazardous to Health Regulations (COSHH) 2002)、労働安全衛生マネジメント規則1999年(the Management of Health and Safety at Work Regulations 1999)及び建設(健康、安全、福利厚生)規則1996年(the Construction (Health, Safety and Welfare) Regulations 1996)をサポートするものである。
<編集者メモ>
1 有害物質衛生管理規則2002は、1995年1月以来施行されてきたそれまでの規則に取って代わるものである。これらの規則は事業者に予防対策を義務付けるものであり、もしくは合理的に実施不可能な場合には、危険有害物質のばく露を低減することとされている。
2 労働安全衛生マネジメント規則1999は事業者に安全衛生面のリスクを評価することを要求しているものである。
3 建設(健康、安全、福利厚生)規則1996は、建設工事に適用され、福利厚生施設の設置を含めた基準を策定している。
4 セメントは、皮膚を傷つけやすく、浸食性がある。セメントに含まれる物質が皮膚に接触したり、こすれたりしたとき、あるいはセメントの粉塵を吸い込んだりしたときなどに傷害を引き起こす原因となる。なお、そのうえ、セメントは人を不治の過敏症体質にしてしまうアレルギー性皮膚炎を発症させる。
セメント−建設情報シート26改訂版のコピー1部は下記のHSEブックスにて無料で入手できる。
PO Box 1999, Sudbury, Suffolk CO10 2WA tel:01787 881165 or fax: 01787 313995
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