HSEは窓拭き清掃の安全に関し、3枚からなる無料の情報シートとして、この新ガイダンスを発表した。このガイダンスは窓拭き清掃会社に向けたものではあるが、設計者やオーナー、建物のメンテナンスに携わる人々にも役立つものである。
窓拭き清掃は危険な作業であり、高所からの墜落リスクはHSEの現行最優先プログラムと
なっている。毎年仕事で数名の窓拭き作業者が死亡し、多くの作業者が重傷を負っている
この3枚からなる情報シートはHSEと業界との合意事項を設定したものであり、現行の法的要件を順守するための合理的な管理基準となっている。この全てのシートはHSE、地方監督機関、全国窓拭き職人及び一般清掃業者組合の代表により共同作成された。新ガイダンスには次の事項を含む。
- はしごの使用
- つり足場と高所作業車(mobile elevating work platforms: MEWPS) 例えば、‘チェリーピッカー(Cherry Pickers)’の使用
- ロープ使用による昇降方法
窓拭き清掃に関するロープ使用による昇降方法の採用については問題が提起されていた。この問題は来年実施予定の新しい高所作業規則の実施に当たっての中心課題となっていた。ロープ使用による昇降は広範囲に実施されている窓拭き清掃の作業慣行となっていて、基準が不十分であることが明らかになり、HSEは特別なガイダンスの必要性を感じていた。
しかしながら、ロープ使用による昇降は、新しいビルディングの窓を清掃するために、最初に機械的に選ぶべき選択肢ではない。設計者や昇降方法を指定する人々は、依頼者も含め作業者全員の墜落防止措置(ゆりかご式つり足場)のような対策を考慮しなければならない。もしロープ使用による昇降方法を採用する場合には、設計者はこれが、高所における壁面での昇降を伴うメンテナンス作業、あるいは清掃作業を始めとし、あらゆる関連情況を考慮に入れた最善の解決策であることを立証できなければならない。
新ガイダンスは考慮すべき多数のその他の包括的全体像を示すだけでなく、あらゆる作業において十分且つ厳格な訓練と監督がなされるべきことを力説している。
はしごの概要に関するシートは窓拭き清掃におけるベストプラクティスとなっている。はしごの使用も、今回の規則制定作業で多くの論争を生んだテーマである。
HSEの立場を明らかにすると、はしごや脚立を禁止しようとしているのではないが、はしごは最初に、機械的に選択する昇降手段ではないのである。はしごは、他に採りうる方法及び一般的な現場の情況について適切な評価を行った後にのみ使用すべきである。昇降器具の選択方法は、HSE監督時に、ますます、念入りにチェックされるようになっている。このガイダンスは、窓拭き清掃のような短時間の作業について十分に周知された対策が講じられている場合に限り、はしごは様々な仕事の用途に通常の道具として使用されうることを明確にしている。
つり足場と高所作業車は作業者全員の墜落防止措置として窓拭き清掃のより安全な昇降手段の一つであると長い間見なされてきた。しかし、たとえばそのような装置をメンテナンスしなかったことにより、深刻な事故が起こっている。これらに関する情報シートは窓拭き作業者用の一連のチェックリストとして用意されているる。
2003年9月に発表されたブーム式型のMEWPSに関するHSEの墜落防止の新産業ガイダンスMISC614と共に一読することをすすめる。
ブーム式MEWPSからの墜落防止(HSE情報シートMISC614);吊り下げ方式及び動力式昇降機器を使用する窓拭き清掃の安全(HSE情報シートMISC611);ロープ昇降方法を使用する窓拭き清掃の安全(HSE情報シートMISC612);可搬型はしごを使用する窓拭き清掃の安全(HSE情報シートMISC613)のコピーはHSEブックPO Box 1999,Sudbury, Suffolk, CO102WA, tel:01787 881 165かfax:01787 313 995で入手できる。
コピーはHSEウェッブサイトからダウンロードすることもできる。 http://www.hse-databases.co.uk/pubns/fallindx.htm
高所墜落に関わる優先プログラム情報はHSEウェブサイトから入手可能。
http://www.hse-databases.co.uk/falls/index.htm
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