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ごみ収集におけるエネルギー作業負荷と作業効率に及ぼす
収集ポイントの二輪コンテナ数の影響(オランダ)

Effect of the number of two-wheeled containers at a gathering point on the energetic workload and work efficiency in refuse collecting

P. Paul F. M. Kuijer, Allard J. van der Beek, Jaap H. van Dieen, Bart Visser and Monique H. W. Frings-Dresen

資料出所:Elsevier Science発行「APPLIED ERGONOMICS」 Vol 33, No 6, 2002, p.571-577
(抄訳  国際安全衛生センター)


要約

 二輪コンテナの最適な収集ポイントを設計するため、収集ポイントにおける二輪コンテナの数が、エネルギー作業負荷と作業効率に与える影響を研究した。二輪コンテナ数が2個、16個、32個である3種の規模の収集ポイントについて調査を行った。試験区域で二輪コンテナ収集のシミュレーションを行った。エネルギー作業負荷の定量化は、酸素摂取量(リットル/分)、心拍数(拍/分)及び自覚作業強度をパラメータとして行った。作業効率は、二輪コンテナを32個収集するのに要した時間として定量化した。1日8時間のあいだに収集される二輪コンテナの最大受け入れ可能量は、VO2maxの30%の最大酸素摂取量というエネルギー基準を使って推定した。収集ポイントの規模は、酸素摂取量、心拍数及び自覚作業強度に対しては影響しなかった。しかしながら、収集時間中に集められる二輪コンテナの数(作業効率)と1日8時間のあいだに受け入れ可能な最大量は、収集ポイントにある二輪コンテナ数が16個及び32個であったときの方が、2個であるときより高いという結果が得られた。

© 2002 Elsevier Science Ltd. 全権利所有。

キーワード
Pushing/pulling(押す作業/引く作業)、Energetic workload(エネルギー作業負荷)、Work efficiency(作業効率)



1. 序論 *)

 ごみ収集は身体的にきつい仕事で、高い筋骨格系障害率や高い病気欠勤率につながっている(Frings Dresen ほか, l995a; Poulsenほか, 1995)。 現在、オランダでは、大部分のごみは、二輪コンテナによって収集されている。 ごみ収集作業者が二輪コンテナを収集する前に、住民は二輪コンテナを道路の任意の位置に置いておく。収集ポイント、すなわち住民が二輪コンテナを置いた場所であるが、ここにおける二輪コンテナの数は1つのこともあるし30を超えることもある。都市部では、二輪コンテナが3〜4個の小さな収集ポイント間は徒歩で移動するが、6個を超えるような大きな収集ポイントの場合は、通常ごみ収集トラック後方の踏み台に乗って移動する。業務改善の可能性の一つとして、収集ポイントの二輪コンテナの数を変更することがあげられる。それを実行する前に、それがごみ収集作業者の負荷と作業効率に対してどう影響するのかを明らかにしておくことが必要である。一般に、小さな収集ポイントでは、短時間の押したり引いたりする作業と歩くことが交互に発生し、大きな収集ポイントでは、より長い時間の押したり引いたりする作業と短時間の立ち作業が交互に発生する。交互発生作業や作業と休憩のサイクルが作業負荷に与える影響についてのこれまでの研究では、数分間続く作業の影響のみを論じていて、これらの作業の間にある短時間の動作については注意を払っていないものが殆どである(Rohmert, 1973; Deivanayagam と Ayoub, 1979; Price, 1990)。従って、交互発生作業及び作業と休憩のサイクルに関する現在のガイドラインは、この特定の状況には適用できない。


*) 何故このような研究が行われたか、ということを理解するために序論を参考までに追記します。

この記事は論文のabstractとintroductionの一部のみを紹介していますが、出典(英語:全文)は国際安全衛生センターの図書館が閉鎖となりましたのでご覧いただけません。