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作業用機器
Workplace Equipment

資料出所:英国安全評議会(British Safety Council)発行
「SAFETY MANAGEMENT」2004年6月号 p.32

(仮訳 国際安全衛生センター)



 仕事をするには、それが事務所のコンピューターであれ、建設現場のドリルや倉庫のフォークリフトであれ作業用の機器が必要となる。これらはすべて「作業用機器の供給と使用に関する規則(Provision and Use of Work Equipment Regulations, PUWER)1998」の対象である。以下にSM誌が作業用機器を安全に使用するための重要点を記述する。

 HSEの作業用機器(Work equipment)という定義のなかには、作業現場で使用される機械(machinery)、器具(appliance)、工具(tool)あるいは設備(installation)が含まれている。ということは事務所用コピー機、フォークリフト、はしご、タワークレーン、動力プレス及び木工機械といったいろいろなものが作業用機械の分類に入ることになる。

適切な機器の選択

 その結果、なんらかの形で作業用機器を使用しないような作業現場は英国には殆どない。従って事業者には、これらの機器が適切に選択され、メンテナンスされ、使用されるようにするための法的義務が課せられている。

 労働災害統計が明らかにしているように、作業用機器を安全に操作できなかったことによる人的、金銭的コストは莫大なものとなっている可能性がある。例えばHSEの暫定的な数字によると、2002/2003年だけで、回転しているシャフト、スピンドルなど動いている機械に接触して15人の労働者が死亡しており、重傷あるいは4日以上の休業災害を被った人は5,300人にもなる。

 しかしHSEの数字を見ると、死亡災害の第1位の原因及び重傷災害の第2位の原因は高所での不安全作業となっている。事実、高所からの墜落・転落によって2002/2003年には35人が死亡し、また重傷災害の6件に1件も高所からの墜落・転落によるものである。

 従って、墜落・転落の災害を減少させるために、HSCでは高所作業の管理を強化する新しい提案を行ったところである。この規則案には、すべての高所作業において使用する作業用機器(足場、はしご、ロープアクセスなど)を選びかつ使用する際に事業者が守るべき最低要求事項が含まれ、また、事業者がこれらの機器を選ぶ際に従うべき階層的なアプローチも含まれている。

 作業用機器の安全な使用を規定している主な規則は、PUWER 1998及び揚貨作業及び揚貨装置規則(the Lifting Operations and Lifting Equipment Regulations, LOLER)1998の2つである。

スタッフとのコミュニケーション

 特にPUWERは、あらゆる種類の作業用機器の管理と使用に関する規定を設け、また移動式作業用機器及び動力プレスの安全使用に関する具体的な要求事項を含んでいるものである。PUWERでは、事業者が作業に適している機器を選び、かつ製造者の指示書に従って使用されるようにすることを要求している。又この規則は、間違った据え付け方法、老朽化あるいは例外的状況により重大な安全リスクが発生するようであれば、事業者が作業機器を点検することを求めている。

 加えてPUWERでは、事業者がフォークリフト及び建設用掘削機のような移動式作業機器によって発生するリスクについてアセスメントを行い、例えば機器の転倒時にオペレーターを守る防護ケージ、傾斜地で移動式機器に十分なブレーキをかけることができるようなブレーキ装置など適切な安全装置を装備することを定めている。一方、LOLERは、PUWERの一般的規定に加えて揚貨作業及び揚貨装置の具体的なハザードについても取り上げている。

 この2つの規則により、事業者は、揚貨作業に対して、機器の選択と使用及びスタッフの訓練を含むリスクアセスメントを行うことを要求されている。これらの規則はまた、揚貨装置が、使用目的に合った適切な強度を有していなければならないことを規定している。

法的義務

 これらの法規は1998年12月から施行されているが、HSEの統計によると、まだ多くの事業者は自分の法的義務を果たしていないことが判明している。例えば2002/2003年では、英国の事業者がこの2つの規則で定められた法的義務を果たさず、かつ機器によるリスクを管理する対策を取らなかったとして、安全監督官により4,100以上の是正勧告書(enforcement notice)が出されたのである。

 この是正勧告書の数は、前年に比べて700件も増加している。この数字が示すものは、事業者が作業用機器が関係する災害を減少するために必要な対策を未だ行っていない一方で、監督当局は事業者が自分の義務を果たすようにプレッシャーをかけ続けているということである。

 事業者は、構内の全ての作業用機器が使用に当たって安全であるようにする義務があるが、中には災害が発生したら労働者を死に至らしめ、あるいは重傷を負わせるといった特別なリスクをもたらす可能性のある機器がある。例えば、工場や作業現場で普通に見られる重機のような多くの機械は、回転しているシャフト、スピンドル、心棒(stock bar)といった危険な部分を持っているという特徴がある。これらは、以下のようにいろいろな災害の原因となりうる:

 接触する−研削砥石との接触で重度の擦過傷、丸鋸との接触により指や手足の切断の可能性がある。
 巻き込まれる−労働者の衣服、毛髪あるいは手足が、ガードのない回転シャフト、プーリー、あるいはドリルに巻き込まれると重大な災害が発生する可能性がある。
 激突される−高速で移動する機器類は、人がその運行経路上にいると重大な災害の原因となる可能性がある。
 飛散−加工工程で機械から飛散した木片、金属片、あるいは部品により、災害が発生する可能性がある。

 加えて、オペレーターが安全に緊急停止させることができないような不適切な制御方式を使っている機械も存在しているおそれがある。もし事業者が、例えば機械ガードを定期的に清掃するなど、作業機器の保守を適切に行っていない場合、機器が不安全な状態になっている可能性がある。

 可動部分がある機械に、適切なガードを装備するという重要性は明白なはずである。しかし災害統計によると、非常に多くの事業者が、依然として、適切な機械ガードを装着していないのである。しかし機械部品は常にガードされなければならないという明確な規定がある。PUWERでは、例えば、固定式ガードの使用、あるいは労働者が接触する前に可動部分を停止させるような電子式ガードの設置など機械の危険な部分に接近しないような措置を事業者が講じなければならないという法的義務を規定している。

 これらの規則はまた又、機械ガードに関する階層的な対策を規定している。この階層は次のようなものである:
固定式囲いガードを使用すること。
その他のガード、あるいは防護装置を使用すること。
治具、押し棒といった道具を使用すること。
情報を提供し、指示を与え、教育訓練を実施し、監督すること。

実用的ガイダンス

 機械防護に関する実用的ガイダンスとして最も有効なものは、欧州整合規格(Harmonised European Standard, BS EN)シリーズである。これらの規格には、様々の機械の使用により発生するハザードを特定し、ハザードを低減、あるいは除去する方法が定められている。その中には色々なタイプのガード及び安全な作業方法に関する具体的なアドバイスも含まれている。

 また、安全衛生法令は、一方で様々な作業用機器等により発生するリスク対策を実施する事業者の義務を明確に規定しているが、同時に他方で労働者、特に機械のオペレーターに対しても、作業用機器を可能な限り安全な方法で使用しなければならないという責任を強調している。

 例えばオペレーターは、機械を運転するたびごとに、事前に全ての固定式ガードが適切に作動するかチェックし、また機械の停止方法を確実に知っていなければならない。

 しかし、何らかの対策を実施する前に、事業者は職場の機械によってもたらされる全てのリスクについてアセスメントを行うことが必要不可欠である。リスクアセスメントは、1999年労働安全衛生管理規則(Management of Health and Safety at Work Regulations 1999)で法的要求事項となっているが、これを実施することにより、事業者は作業用機器によってもたらされる安全衛生リスクを洗い出すことができ、また、安全作業システムといったような今ある対策で十分か、あるいは更に一層リスク対策が必要かを決定することができるのである。

危険な部分

 従って、リスクアセスメントは、職場で使用される全ての機械及び作業用機器について実施し、かつ、それらの機器の災害の原因になりそうな危険な部分(歯車やベルトコンベアなど)を特定しなければならない。

 リスクアセスメントで調べなければならない典型的な例は次のような点である:
動作中に手足を巻き込むような部品はないか。
人が接触すると危害を加えるような、鋭い、皮膚をすりむく、熱い、冷たい、あるいは通電しているような部分はないか。
毛髪、装身具、衣服は、可動部分に巻き込まれる恐れがないか。
機械から飛来してくる部品のリスクはないか。

 加えて、リスクアセスメントは、機械の通常運転の場合だけでなく、据付、メンテナンス、清掃の場合についても行うべきである。なぜならば、通常運転の場合には近づくことのない機器の危険部分がメンテナンス作業中に現れるかもしれないからである。そしてリスクアセスメントにより、このような仕事の場合は、別な対策を組み合わせて行う必要があるということがわかるかもしれない。

適切なガード

 上に述べたように、事業者には、機械の危険な部分への接触を防ぐため、適切なガードを作業用機器に設置するという法的義務がある。しかし同時に事業者は、新しいガードによって機械オペレーターに別のリスクをもたらさないようにしなければならない。例えば、不適切なガードは、機械のサイクルを見なければならないオペレーターの視界を遮る恐れがある。

 利用可能な機械ガードには、次のような様々なものがある:
 固定式ガード−このガードは、機械の危険な部分に体の一部分が接触しないようにするものである。固定式ガードは可動部分がなく、また特別な工具でしか取り外すことができないものでなければならない。
 隔離式ガード−このガードは、機械付近の危険区域から適切な距離をとって設置されたガードである。
 調節式ガード−このガードは、全体が調節可能なガード、あるいは調節可能な構造部分をもった固定ガードである。その時点で行われている作業に合うように調節され、その作業が終わるまではその状態で固定される。
 固定式囲いガード−このガードは、機械全体を覆うもので、オペレーターが完全に危険区域から除外されるものである。加工される部品を自動又は手動で供給するために開口部があることが多い。
 インターロック式ガード−このガードは、ガードが閉じられるまで機械が起動しないものである。言い換えると、ガードは災害のリスクがなくなるまで、ロックされたままとなる。

 しかし、ガード方式が適していない場合には、危険区域へ労働者が接近する前にリスクを低減、あるいは除去するために他の防護装置を利用することができる。オペレーターが危害を受ける恐れのある位置にいると自動的に機械を停止させるような回路遮断ガード、例えばオペレーターの体が光線を遮ると作動する光線式装置もこれに含まれる。

緊急停止制御

 この他の防護装置としては、機械装置に関する緊急停止制御がある。これは、異常事態発生時に直ちに対応できるように、必要に応じ設置されなければならない。

 しかし、この制御により機械が直ちに停止されなければならないのはもちろんだが、その場合、別のハザードにより、近隣の労働者に危害を及ぼさないように管理された状態で停止しなければならない。

 高所からの墜落・転落も、職場での死亡災害及び重大災害の大きな原因である。従って、機械の場合と同様に、事業者が作業に最もふさわしい適切な機器設備を選択することが大切である。

 この問題に対処するために、近々、高所作業規則(Work at Heights Regulations) 2004―これはEUの作業機器使用指令(European Use of Work Equipment Directive)の修正である−が高所作業の場所に出入りする際に使用する機器の選択について具体的な要求事項を導入する予定である。これには足場、はしご及びその他、作業場に出入りする際に使用する機器が含まれ、またこの選択について階層的アプローチが定められている。

 これらの要求事項の多くは、目新しいものではなく、多くの事業者がなんらかの形で実施していることを反映しているものではあるが、現在は建設業にのみ適用されているいくつかの法的義務が、より広い範囲、例えば窓ガラスの清掃、トラック上部での作業及び広告板取り付け作業等に拡大される見通しである。

 この規則案は、2004年10月に施行される予定である。なお、検討中であるが、事業者が全ての要求事項を実施するためには、更に2年間の猶予が与えられる可能性がある。

 一般的にいえば、この新しい規則は高所作業に関する現行の全ての要求事項を、全産業に適用するひとつの目標設定規則( goal-setting regulations)にまとめたものである。特に今回提案された規則では、事業者が高所作業を実施する時に守らなければならない階層的な対策を定めている。この階層の下で、事業者は次のことを実施しなければならない:

高所作業がどうしても必要だという訳ではない場合、代替作業方法を工夫することで墜落・転落のリスクを避ける。例えば地上で構造物を組立て、それを作業個所へクレーンで吊り上げるなど。
人やモノが落下しないような対策をとって作業する。例えば人間が落ちないような障壁を備えた、水平で、安定した、かつ丈夫な平面で作業を実施すること。
墜落・転落距離を最小限にし、また墜落・転落の被害を最小限にするように、例えば安全ネット及びハーネスといった、適切な墜落防止設備を選んで使用すること。

総合的対策

 この階層の全段階で事業者に求められているのは、例えば一人だけの労働者を保護する安全ハーネスのような個人的墜落防止器具に優先して、足場、移動式高所用足場及び安全ネットといった総合的な防止対策をとるである。

 現行規則では、事業者は2 m以上の高所で作業が実施される場合には、なんらかの対策を実施することが要求されている。しかし、重傷という結果になった事故の約60%が2 m以下の高さからの落下で発生しているので、新規則ではこの最低高さという要求事項はなくなる予定である。その代わりに事業者が考えなければならない重要事項は、墜落・転落がもたらす結果と作業用機器が仕事に対して適切であるかどうかということになる。

 例えば事業者は、以下の事が確実に行われるようにしなければならない。
はしごを作業床として使用するのは、タワー式足場のような他の安全な設備が、合理的に見て使用可能でない場合であること。はしごは、恒久的な階段を設置することが、合理的に見て実際的でない場合にのみ、昇降用手段として使用されること。
可搬型はしごの下端は、例えば既存の設備に締結する、はしご安定装置(ladder stabilizer)やスリップ防止装置をはしごに取り付けることなどにより滑らないようにすること。はしごの下部桟に労働者が乗ることによりはしごの安定を図ることは、他の方法で安定させることができない場合のみに許される方法である。
個人用墜落防止装置は、リスクアセスメントの結果、安全に使用できることが確認された場合で、かつ、より安全な作業機器が使用できない場合にのみ使用すること。
足場の組立て、解体、重大な変更は、適切な訓練を受けた労働者のみが有資格者の監督のもとに行うこと。複雑な足場の場合、その組立て、使用、解体について有資格者が計画を策定することが必要な場合もある。
足場に設けられる手すりの最小高さは950 mmとすること。これは建設(安全衛生福祉)規則(Construction(Health, Safety and Welfare) Regulations 1996)で現在定められている910 mmの高さを変更するものである。
リスクアセスメントにより第2ロープの使用が危険であるということにならない限り、ロープ昇降システム(rope access system)は別々のアンカーで固定された少なくとも2本のロープで構成されていること。

 この高所作業規則(Work at Heights Regulations)は、最終的には2004年後半に発効することが予定されており、またこれを解説するHSEガイダンスも公表されることになっている。

 新規則案が採用されることにより、墜落・転落による死亡災害は、間違いなく減少するだろうが、このほかに例えばフォークリフト、ダンプカー、掘削機、トラクターといった移動式作業用機器のように高いリスクをもたらすものがある。事実HSEによると、毎年職場での輸送関係の災害で、約100人が死亡し、何千人もがけがをしているとのことである。

転覆しやすい

 ある種の作業機器は、運転の仕方が悪いと、両サイドに倒れたり完全に転覆しやすいものがあり、運転者や同乗者に重大な災害リスクをもたらすことになる。しかしPUWERの第3部では、事業者に転覆防止を含め、移動式作業機器の安全を確保する法的義務を課している。

 PUWERによって事業者は移動式作業機器が転覆するリスクについてアセスメントを実施しなければならない。これは、以下の点を調査することである。

移動式作業用機器及びそれに取り付けられている部品の性質
移動式作業用機器上で、あるいはこれらの機器によって実施される作業の影響
機器が使用される職場の状態

 アセスメントが完了したら、事業者は作業用機器を安定させ、車両転覆の影響を最小限にする対策を取る必要がある。例えば適切な転倒防護設備(ROPS、転倒時に乗車していた人々が機器により押しつぶされるのを守るためのフレームや運転台等)を設置することである。

 しかしHSEは、移動式機器にROPSを取り付ける前に、事業者が機械メーカーと一緒になって技術的分析を行い、ROPSを取り付けるのが合理的であるかどうか調べることを推奨している。もしROPSが設置不可能であれば、転倒の恐れがある場所では使用すべきではない。

 その一方でPUWERはまた、転覆した場合、オペレーターが機械と地面の間に押しつぶされないように、移動式機器上の運転者を固定するような装置(例えばシートベルト)を設置することを事業者に要求している。

揚貨装置

 加えて事業者は、タワークレーンやトラッククレーンのような揚貨装置が職場で安全に使用されるようにしなければならない。揚貨装置の使用により、作業の安全性は向上することが多いが、これはこの機器によるハザードについてアセスメントが行われ、対策が取られている場合にのみ言えることである。例えば吊荷が十分に安全な状態でなかったならば、吊荷の落下により人々に危害を与えるおそれがある。

 従って事業者は、クレーン等揚貨装置とその運転作業の両方についてリスクアセスメントを実施しなければならない。この場合は、揚貨装置の選択と使用、及びオペレーターの訓練について調査する。

 適切なアセスメントとは次の点を検討することである。
揚貨装置がどの位の頻度で使用されるか
吊荷の重量、形状及び重心
吊荷が落下したり人や物に当たるリスク

 揚貨装置は又、本来の使用に耐える適切な強度と安定性を持っていなければならない。揚貨装置の安定性を改善するにはいくつかの方法があり、例えばカウンターウエイトやアンカーシステムなどがある。

 更に、例えばフックやアイボルトなど揚貨装置の部品は、LOLERによれば、6ヶ月毎に点検しなければならない。この他の揚貨装置類は、12ヶ月毎の点検が要求されている。

メンテナンス手順

 勿論メンテナンスと点検が必要なのは、揚貨装置だけではない。重要なのは、作業用機器の全ての項目が適切にチェックされ、メンテナンスされていることによって、正常な運転が続けられ、機器を使用している労働者にリスクをもたらさないことである。メンテナンス手順は、メーカーの指示書に従って、かつ、この作業を実施するために訓練された有資格者によってのみ実施されなければならない。

 一方、点検は、機器の間違った据付や設置場所変更、老朽化、あるいは機器の安全運転に影響を与えるような異常な状況により重大なリスクが発生する恐れがある場合にのみ、必要となるものである。

 点検は、簡単な外観目視検査から、作業用機器の一部解体試験のようなより詳細な検査まで様々である。どの点検でも安全操業に関係する部品、例えば重量超過警告装置及び各種リミットスイッチといったものは常に点検対象としなければならない。

 しかし単に作業用機器が、安全で正常に動いているということを確認するだけでは十分ではない。事業者は、労働者が安全な方法で機器を操作しているかについても又、確認しなければならない。

 管理監督者、オペレーターが機械及びその他の作業用機器の安全使用に関して、また、問題があればいち早く解決されるようにするためには、どのように欠陥を報告したらよいかについて適切な教育訓練を受けていることは、大変重要である。

 何千という人々がガードのない機械、不安全な移動式機器、あるいは不適切な墜落防止装置により、けがをしたり死亡したりしている。しかし幸いなことに、作業用機器による災害の多くは、事業者が潜在的に危険な作業用機器を特定し、適切な安全対策を導入するというステップを取るならば、防ぐことが可能である。

 事業場を労働者にとっても公衆にとっても安全な場所にすることで、事業者は、作業用機器による災害の人的損失を低減できだけでなく、病欠の増加、スタッフの低い勤労意欲、高額の罰金、民事訴訟といった財政的損失を回避することも可能となるのである。