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有害化学物質衛生管理規則(COSHH)の改正
CHANGES TO COSHH
Exposure limit system to change in April, says HSC

資料出所:Job Safety Management
February 2005 p.13
(仮訳 国際安全衛生センター)



 HSC(Health and Safety Commission)の確認したところによると、最近のCOSHH(Control of Substances Hazardous to Health Regulations)改正により、化学物質に対する職場のばく露許容濃度体系は、間もなく、1つの基準にまとめ置き換えられることになるとのことである。

 化学物質に対する現在の2階層のばく露許容濃度(OELs)体系は、2005年4月からは1つの基準に置き換えられることになることをHSCは確認した。今回、この件はCOSHH改正・・・有害化学物質によるばく露管理を事業者が、より簡単にできるように企画されているもの・・・が発表されて明らかになった。

職場のばく露許容濃度

  今回の新基準は、職場ばく露許容濃度(WEL)として知られているものである。・・・これは、各化学物質量に対する職場内での最高許容濃度である。現在の体系では、2つの種類のばく露許容濃度(OELs)が規定されている。ばく露標準濃度(OESs)は、現在の科学的知識に基づいたもので、労働者の健康リスクに対する徴候は無いというレベルのものである。
 一方、最高ばく露許容濃度(MELs)は安全レベルでない、あるいは安全レベルに管理することが実際上できないといった化学物質に設定されたレベルである。事業者は、現在、化学物質のばく露低減のためには、OESsを低くするか、あるいは実行可能な限りMELsを低くすることが要求されている。
 しかし、HSCによると多くの事業者は、OESs及びMELsが果たす役割とはどんなものかについて理解していないとのことである。更に特に大多数の小規模事業者ではOELsについても知らないか、職場のばく露レベルが規定された許容濃度を順守しているかどうかをどのようにして決めるかについても不確かであると話している。
 このことにより、現在の体系は、1つのWELに2005年4月から置き換えられることになった。
 事業者が各々の責任を容易に理解できるように、WELsにたいしては、グッド・プラクティスによるアドバイス及び規則に掲げられた労働衛生工学の原則が自由に利用できるようにリンク付けが成される。

無料オンライン・リソース

  これらの原則の法順守方法については、COSHH必携、無料オンライン・リソース及び事業者向ガイダンス小冊子のなかで説明されている。HSCによると、有害化学物質のばく露管理方法については、各化学物質のWEL範囲内に入るように行えば、正しく管理することができるとのことである。しかし、この改正の答申期間中、何人かの人々によって、下記のいくつかの懸念が提起されたので、HSCは、法順守のためCOSHH必携アドバイスの利用は、義務化しないということを明確にする旨決定した。
 改正COSHH必携の認定実施基準(ACoP)では・・・4月に発行されることになっている・・・事業者は、有害化学物質のばく露管理に関するCOSHH必携のアドバイスに従うか、あるいは各化学物質のWEL・・・改正規則に掲げられているグッド・プラクティスの原則に基づいている場合・・・範囲内にとどめる事業場独自の考案方法に従うかのいずれかを選択できるように明確にすることにしている。
 これらには次のようなことが含まれる:

  • 有害化学物質の放出を最小限とする作業工程を設計すること;
  • 化学物質ばく露の全ての経路・・・吸入、皮膚吸収及び食物摂取・・・を考慮すること;
  • 有害化学物質の漏洩を最小限にするような最も信頼でき、且つ効果的な方法を選択すること。

  更にHSCは、現存するあまりにも多くの規準が廃止されるという事業者の心配により、もはや根拠がしっかりしていないと思われている322の現行OESsの削除計画見直しを行っている。HSCは現在、WELsへ殆どの現行許容濃度を移行することを決定している。更に健康保護に懸念がある102のOESsについてのみ除外する方向である。