このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
|
 |
 |
|
高所作業規則に「2メートル規制」を盛り込むべきではない、とHSC Work at heights regs should not retain 'two-metre rule', says HSC
資料出所:英国安全評議会(British Safety Council)発行
「SAFETY MANAGEMENT」2005年3月号 p.3
(仮訳 国際安全衛生センター)
国際センター注:この記事で紹介されている高所作業規則(WAHR)は、2005年4月6日に施行された。 |
近々制定予定の高所作業規則(Work at Height Regulations: WAHR)は、建設業における「2メートル規制(two-metre
rule)」を含まないものになりそうだ。これは、安全衛生委員会(Health and
Safety Commission: HSC)が、この件に関しては個別の規則(regulations)で制定するのではなくガイダンスとするべきであるという勧告を担当大臣に提出したのを受けてのことだ。
HSCは1月の会合で、安全衛生庁(Health and Safety Executive: HSE)の監督結果にもとづき、建設工事における2メートル以上の高さでの作業の場合には墜落・転落防止対策を講じなければならないことを高所作業規則(WAHR)で定めるのではなく、2メートルを超える高所における作業の安全についてのガイダンスを策定するよう勧告することを決定した。
目標設定方式
現在の1996年建設(安全衛生及び福祉)規則(Construction (Health, Safety
and Welfare) Regulations 1996)では、2メートル以上で建設作業を実施する場合、事業者は手すりの設置等、特定の墜落・転落防止対策を講じなければならない。しかし、HSCは2003年にWAHRの原案を作成した際に、提案された目標設定方式(注)――高さに関係なく、傷害を引き起こしそうな墜落・転落リスクのある場合には常に最適な対策を選択するよう事業者に求めるもの――では、必ずしも2メートル規制を明確に盛り込む必要はないと定めた。この決定はまた、重大な傷害の原因となっている災害の約60%は2メートル未満の高さからの墜落・転落であるという事実にも基づいている。
しかし、規則がより確実で明確なものになるよう2メートル規制を盛り込むことを求める建設業関係者によるロビー活動を受けて、HSCは2004年10月に、この件についての諮問を開始した。
しかし、諮問では、明らかな前向きのコンセンサスを見出すことはできなかった。そこでHSCは、2メートル規制を規則に盛りこむのではなく、この件についてはガイダンスを策定するという勧告をする旨、決定したのである。
HSCのスポークスマンは、HSCは「2メートル規制に重点が置かれすぎていたと感じている」と発言した。彼女はまた、次のように付け加えた。「この決定は、現行の2メートル以上の高さでの安全基準の改善するとともに、2メートル未満での重大な墜落・転落問題にも焦点を当てることになる。この議論は、いかなる高さにおける作業の場合でも、注意深い対策が必要であることを事業者に思い出させることになった」
HSCは、最終決定用に担当大臣に勧告を提出したが、HSCのスポークスマンによれば、HSCは新しい規則が4月早々にも施行されることを望んでいる。
高所作業規則(WAHR)についての詳細な情報は、www.hse.gov.uk/falls/wahr.htmを参照のこと。
注:目標設定方式(goal-setting approach)なしとげるべき目標は記述するが、そのための具体的な方法については規定しない方式。
|
|