「安全衛生再活性化計画」の災害発生低減目標の達成状況（イギリス安全衛生統計）資料出所 ： Job Safety Management
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英国安全衛生委員会（HSC）の安全衛生再活性化計画（Revitalising Health and Safety strategy）は中間点にさしかかったが、死亡及び重傷災害発生率はほとんど低減していないことが最新の統計で明らかになった。 2004年年度「安全衛生統計」報告書が発表され、HSC委員長のビル・キャラハンは、2004年までに死亡・重傷災害発生率を5％削減するという「再活性化計画」目標は達成されなかったことを認めた。 本質的には変わらなかった死亡および重傷災害の発生率 事実、報告書では、2004年度の死亡および重傷災害発生率は、労働者10万人あたり0.7人であり、「安全衛生再活性化計画」目標の基準年である1999年度のものとまったく同じであった。死亡者数も、1999年度は162人に比べて2004年度は169人で基本的には変わらなかった。 一方、過去5年間の重傷災害発生率は、労働者10万人あたり116.6人から117.7人に増加している。しかしながら、昨年の労働者10万人あたり120.4人よりは若干減少している。 サービス業の傷害災害 死亡及び重傷災害発生率を低減する目標の未達成の理由の一端は、英国で急速に成長しているサービス業における重大傷害件数が増加したことにあるとキャラハンは語っている。 しかし、職業性疾病への取り組みは順調に進んでいることをキャラハンHSC議長は指摘している。この新しい報告書では、大半の職業性疾病発生率は減少しており、再活性化計画目標である10％減少は達成可能であるとしている。 概して、2001年度から2004年度までにかけての職業性疾病発生率は、労働者10万人に対して2200人から1800人に減少しているとHSCは推定している。とりわけ、職業性疾病の主な原因である筋骨格系障害と職場におけるストレスの発生率は双方とも、この期間では減少している。報告書では、業務上の喘息と皮膚炎の新規発症数も減少しているとしている。 他方、最近の自己報告による健康障害調査では、2004年度の職業性疾病により健康障害をこうむっている労働者数はおよそ200万人であるが、この数字は、その前年の220万人から減少していることが明らかになっている。 労働損失日数 「安全衛生再活性化計画」の最終目標は、職業上の疾病・傷害による労働損失日数を2005年までに15％削減することである。HSCによると、労働損失日数は、基準とした2000年～2002年の労働者1人あたり1.8日から著しく減少し、2004年度は1.5日になった。 しかし、実際は3％から23％の範囲で減少しているという現実の数字をみると、この数字はどの程度正確であるかはわからない。その結果、HSCは「安全衛生再活性化計画」目標の達成は可能と思われるとだけ表明した。 「成果達成の端緒」 中間地点での3つの目標はすべて未達成であったが、最新の統計では「われわれの戦略が実を結び始めていることを示唆している」とキャラハンは強調している。 しかし、2010年の「安全衛生再活性化計画」目標が達成に焦点を絞る必要があるとして、「さまざまな要素を組み合わせる必要がある。強力な監督指導が重要であるので、地方監督当局への支援と、より強いパートナーシップを築くように我々の努力を倍増しなければならない」と説明している。 パートナーシップ共同作業 「われわれは監督当局よりもはるかに幅広い役割を担っている。推進役として、建設、食品、製紙・製板紙、採石などの各産業の協同作業を支援してきた。社会的パートナーの責任は、業種レベル、企業レベル、現場レベルのいずれであれ、きわめて重大である。」 英国労働組合会議（TUC）安全部長ヒュー・ロバートソンは、2004年度「安全衛生統計」報告書には歓迎すべき内容がまだ多く記されている、特に職業性疾病の低下はそれに当たるとして次のようにコメントしている。 「職業性疾病の低下は、職業性疾病による高い労働損失日数に対処しようとしている決意の正当性を証明するものである。HSEは、労働組合も積極的に支援してきたこの分野での作業をコメントするべきである。」 「しかし、重傷災害発生率に何ら明快な変化が見られなかったことは問題である。重傷災害発生率の低減に取り組むためには、HSCは2010年の目標達成のために多くのリソースを与えられることを望んでいる。」
（資料出所：HSE） この記事の内容についてHSEから発表された下記の資料が、下に示したサイト①に掲載されています。これに関連する詳細な統計資料もサイト②に掲載されています。 Achieving the Revitalising Health and Safety targets |
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