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建設現場の一斉監督実施結果:4分の1の現場で作業停止
Work stopped on a quarter of construction sites during blitz

資料出所:英国安全評議会(British Safety Council)発行
「SAFETY MANAGEMENT」2003年9月号 p.12

(仮訳 国際安全衛生センター)



 英国安全衛生庁(Health and Safety Executive : HSE)により最近実施された全国一斉監督の結果、およそ4分の1の建設現場の工事は安全衛生基準が遵守されていなかったために即座に作業停止処分にされた。

高所からの墜落

 HSEが実施した過去最大の一斉監督は、高所からの墜落のリスクが建設現場で正しく管理されているかを確認することを目標としていた。これは、建設業における墜落災害を削減するために全欧州の広範囲で実施された監督・宣伝キャンペーン"Don't Fall for It"の一環として行われたものだ。
 2003年の6月2日から13日まで行われた一斉監督期間中、 HSEの監督官は英国全土にわたる1446の建設現場を監督し、責任者に安全衛生基準の違反を是正するまで作業停止を要求する計332件の作業停止命令書を出し、さらに、事業者に計75件の是正勧告を行った。
 この事実にHSEの建設関係の主任監督官ケヴィン・マイヤーズ(Kevin Myers)は「高所からの墜落のおそれのある作業について集中的に監督が実施されていたということを事業場では知っていたにもかかわらず、監督した現場の30%では、安全基準の不備により是正勧告がなされた」とコメントした。
 「この事実は、高所からの墜落のリスクを回避する責務を知らないか、または十分に理解していない人が建設業にはまだ非常に沢山いるということを示唆している」
 特に監督実施の結果、適切なつま先板及び中桟のない足場や作業床が多く、1994年建設 (設計および管理) 規則(Construction(Design and Management)Regulations 1994)の遵守状況がわるかった。
 HSEによれば、高所からの墜落リスク対策を目的とする第2回全国一斉監督が2003年9月8日から19日までの期間に行われるとのことである。

行動計画

 一方HSEは建設業における安全衛生パフォーマンスの改善を目的とした行動計画を公表した。
 事前の行動計画として、HSEの討論文書(Discussion Document)「建設業における安全衛生の活性化(Revitalising Health and Safety in Construction)」に対する利害関係者の回答について調査する。この文書は、建設業の安全を改善する方法についての議論を促すために、2002年9月に発行された。
 特に、この行動計画は建設業において安全を改善するのに利害関係者が一番可能性の大きいと思う分野をきめている。 これらは下記を含む。
業界の文化
教育、訓練、適性の重要性
顧客の役割
新立法を通じてのHSEの安全促進
「建設業における安全衛生の活性化についての行動計画(Acting on responses to HSE's Discussion Document : Revitalising Health and Safety in Construction)」は、HSEのウェブサイトhttp://www.hse.gov.uk/consult/2002.htmで入手できる。