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イギリス 全員参加の管理手法を活用した腰痛予防
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全員参加の管理手法を活用した腰痛予防 スーザン・ブラウン（Susan Brown） |
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要約 腰痛による作業員の欠勤は、数多くの要因---種々のマニュアル・ハンドリング（重いものを運ぶ、動かすなどの力のいる作業）の有無やそのパターン、本人の体力の問題や既往歴に加え、職場の管理者や同僚との関係、仕事全般への満足度などの心理社会的要因---が複合的に作用し、発生している。このように職業性腰痛が発生する背景は複雑で、原因の究明には包括的なアプローチが必要である。 この論文は、「計画し、実行し、評価し、改善する（Plan-do-check-act）」管理手法を活用するとともに、行動を計測し改善すること、腰痛について学習して軽症のうちに理学療法を受けることなどを含めた、腰痛管理手法の開発について説明している。この手法は、腰痛ケアに関する教育とトレーニングを絡め、環境上および行動上の問題の特定と治療に全員参加の管理手法を活用して、腰痛の予防に積極的に取り組んでいくように設計されている。もともとの計画では、まず物流倉庫でこの手法の効果を試してから、製造部門の中小企業でその可能性を査定する予定だった。しかし、思惑どおりに事態は進展せず、実施が難しいということで、経営側ならびに管理側の主要スタッフ間でプロジェクトに対する優先度が下がってしまい、物流倉庫での実験の成果は限られたものとなってしまったのである。作業上の重大な問題点の一つが、「作業員の病欠が頻繁に発生しているにもかかわらず、生産性を維持しつづけなければならない」という点にあることは興味深い。この手法は一部でしか実施できなかったにもかかわわらず、その有効性を確認することはできた。実施期間を通じて、腰痛による欠勤と筋骨格系障害が両方とも減少していたことを、本プロジェクト実施前後の変化を測定するために集められたデータが証明していたのである。しかし、この減少傾向とプロジェクトの成果に、どこまで相関性があるかは不明である。職場に関する研究の際に、倉庫で日常的に行われているマニュアル・ハンドリングのアセスメントを行ったことが、倉庫での作業を物理的に変更させるきっかけになったかもしれない。 腰痛に関する学習資料や簡単なチェックリストは、実験対象となった会社だけでなく、その後要点を説明した上で配布された、小規模事業所でも有効であることが判明した。その他、プロジェクトの実施で新たに判明した研究成果は以下のとおりである。 (i) 作業員の多くが膝の痛みを訴えており、こうした作業員には従来の（膝を曲げて荷物を持ち上げるといった）作業方法は有効でないかもしれない。 (ii) 職場の変化に伴う、病欠の度合いの変遷。 (iii) 重役たちが、目に見えるかたちで、こうした種類のプロジェクトに積極的に取り組んでいくことが大切であること。 (iv) 報告された腰痛事例には、心理的要因が大きな影響を及ぼしていること。 キーワード Back pain（腰痛）、back school（腰痛学校）、behaviour（行動）、knees（ひざ）、manual handling（マニュアル・ハンドリング）、participation（参加）、workforce（労働力） 研究者 Susan Brown MSc MCSP SRP
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