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掘削工事の安全

資料出所:HSEホームページ
http://www.hse.gov.uk/pubns/cis8r.htm

(仮訳 国際安全衛生センター)



はじめに

毎年、掘削工事で死亡災害や、重傷災害が発生している。掘削工事の災害を防止するには、適切な計画、管理そして施工監督が欠かせない。この情報シートは、掘削工事での災害防止の情報を提供するものである。


計画

掘削工事を始める前に、次の事項に着目して計画をたてることが重要である。
  • 側壁の崩壊

  • 掘削箇所に上部から落下する物体

  • 掘削箇所に落下する人や車

  • 人への工事用設備の激突

  • 掘削箇所近くの構造物

  • 地下公共敷設物との接触

  • 掘削箇所への出入りの方法

  • 排気ガス

  • 一般公衆の事故

作業を開始する前に矢板や支柱等必要な資材を確認する。


この工事は、木製矢板と金属製切り張りによるものであり、 矢板の上部がつま先板の役割を果たしている。手すりは掘削箇所への転落を防止しており、固定はしごで安全に出入りできる。地下構造物も支持されている。


掘削箇所の崩壊

水圧による土止め装置で掘削箇所の中に作業者が入る必要がないものである。
  • 側壁や先終端は適切な土留め支保工で崩壊を防止する。

  • 保護されていない掘削箇所には立ち入らない。

  • 支保工の先端では作業をしない。

  • 浅い溝での作業でも危険である。溝の中でかがんだり、ひざまずいたりするときは、支保工が必要である。

掘削箇所への物の落下

  • 掘削した土その他の物を側壁近くに置かない。掘削土は掘削箇所に落下したり、荷重により側壁の崩壊をもたらすおそれがある。

  • 掘削箇所の上端には落下物防止措置が施されているか確認する。必要ならばつま先板を設置する。

  • 掘削作業に従事しているときは、保護帽を着用する。

人や車の掘削箇所への落下

  • 掘削箇所への人の落下を防止するための手段を講じる。掘削箇所の深さが2m以上となるときは、手すり等で防護し、つま先板を設ける。

  • 車両は、掘削箇所からできるだけ離して置く、必要ならば明るい色で塗装した防護板や柵を使用する。

  • 車両から掘削箇所に材料等を落とす必要があるときは、オーバーランを防ぐため、車止めを置く。掘削箇所の側壁の支持が特別に必要になるかもしれないことを忘れてはならない。

人への工事用設備の激突

  • 労働者に激突するおそれがある掘削機のような動く設備から労働者を分離する。それが不可能な場合は、労働者が設備に激突されないよう、安全な作業方法をとる。

  • 工事用設備の運転者は有資格者とする。

掘削箇所近くの構造物

  • 掘削が足場や構造物の基礎に影響を及ぼさないかを確認する。狭い溝の掘削であっても壁等の下堀となることがある。

  • 掘削を始める前に仮支えが必要かどうか検討する。基礎の調査や構造物の設計者からの援助が必要である。

地下公共敷設物との接触の防止

  • 地下公共敷設物のサイン、例えば、弁のカバーや道路上の舗装のパッチを探す。

  • 地下公共敷設物を追跡するために、ロケーターを使用し、路面にマークする。

  • 掘削工事の責任者が、地下公共敷設物にたいする対応を知っていることを確認する。作業者は安全な掘削法や緊急時の対策を知っていなければならない。

掘削箇所への出入り

  • はしごやその他の安全な方法で掘削場所に出入りできるようにする。

排気ガス
  • 排気ガスは危険である。発電機やコンプレッサーなどのガソリンまたはディーゼル-エンジンで動く機器は、換気がなされていない限り、掘削箇所や掘削の端部付近で使用しない。

公衆の安全

  • 公開の場所では、歩行者や車両が掘削箇所に転落しないよう、全ての掘削箇所をフェンスで防護する。

  • 作業時間外に子供が作業場に入ってくるおそれがあるときは予防措置(埋め戻し、掘削箇所のカバー等)を行い、危害を受ける機会を少なくする。
詳しくはHSG151「公衆の防護(Protecting the public : Your next move)」を参照


監督

  • 土止め支保工の組み立て、変更、解体は、資格のある者の監督の下で行う。

  • 掘削作業に従事する者には、安全な作業方法を明確に指示しなければならない。


掘削作業の点検

  • 資格のある者が次のときに掘削作業を点検しなければならない。

    • 各シフト毎の作業開始にあたって

    • 掘削面等の安定性に影響を及ぼすことを行った後

    • 浮き石や、土その他の物が落下した後

    • 点検の後には書面により報告をする。点検の結果危険が認められるときは、作業を停止する。
点検と報告についての詳細な情報はCIS 47を参照下さい。


関係法令(英国)

労働安全衛生法(Health and Safety at Work etc Act)1974

安全衛生マネジメント規則(Management of Health and Safety at Work Regulations)1992

作業用具使用規則(Provision and Use of Work Equipment Regulations)1992

建設業(衛生、安全、福祉)規則(Construction (Health, Safety and Welfare) Regulations)1996


参考文献

以下省略