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記事パワープレスで指を切断
Man Loses Fingers in Power Press Crush

資料出所:Safety Management (BSC)
August 2006
(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日:2007.06.01

労働者が不安全なパワープレスを操作中、3本の指を切断した件で、ノーサンプトン下級裁判所は、製造工場に14,000ポンドを超える罰金と訴訟費用の支払いを命じられた。

送検したHSE(イギリス安全衛生庁)監督官ピーター・スネルグローブ(Peter Snelgrove)氏は、判事に次のように述べた。ロバート・ガルビン(Robert Galvin)氏が、ノーサンプトンにあるクレーンヒルエンジニアリング(Crane Hill Engineering)社で働いていた時、この事故は発生した。

彼は、80トンパワープレスを使って、棒鋼を切断する作業をしていた。

ガルビン氏は、定盤(金属加工の台)から加工された鋼を1つ取り、正しく切断されているかをチェックしようとして機械の側面から手を入れた。

しかし、プレスを動かすフットペダルを誤って踏んでしまい、左手の3本の指が切断されてしまった。

スネルグローブ氏は、この機械には定盤への接近を防ぐための固定式のサイドガードが取り付けられるべきだったと述べた。

このガードが取り付けられていたら、ガルビン氏は、機械の前面に固定されているインターロック付きガードを開けない限り、定盤に近づくことができなかったはずであり、このインターロックはガードが開けられた時に、この機械を作動しないようにするので、たとえガルビン氏がフットペダルを踏んだとしても機械は作動しなくなっていた。

サイドガードを取り付けていなかったことは、「1998年作業機器供給・使用規則(PUWER 1998)を会社が順守していなかったことによると裁判所は審判した。

この規則によると、工具類は有資格者によって取り付け、取り外しあるいは調整されなければならない。この有資格者は、各作業シフトの始業時に、すべてのガードと安全装置の据え付けを点検しなければならないことになっている。

また、各作業のシフトの始業前4時間以内にガードが意図されたとおり作動するように、これらの点検が有資格者によって再度実施されなければならない。

この二つの点検の際、点検が実施されたことを示す書類にサインが必要である。

しかし、ガルビン氏の機械は、有資格者によって設置されていなかったと裁判所は審判した。パワープレスを設置した労働者は作業を完了しておらず、現場で利用可能なサイドガードを取り付けなかった。また、この機械の設置状況を点検したことを示す記録のサイン手順も実施されていなかった。

クレーンヒルエンジニアリング社は、PUWER規則の第9条2項、第11条1項及び第33条1項の各条項に違反したことを認めた。

損害賠償額軽減について、マーク・オーウエン(Mark Owen)氏は次のように述べた。

この会社は外部の教育訓練を採り入れ、今は機械点検のために二人の有資格者がいる。

この裁判の後、スネルグローブ氏は次のように語った。

「企業は、安全衛生上の手抜きが、悲劇と財政的コスト負担に直結することを認識しなければならない。」

「労働者は、ちょっとした間に、少ない保証で永久障害を被ってしまった。」