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[ページリンク] HSE(イギリス安全衛生庁)ウェブサイトの本セクションでは、職場の温度環境が作業者に及ぼす影響とその対処に関する勧告に記す。 問題点とリスク
屋外の作業場屋外で作業する際に、事前のリスク考慮がされていない、または、適切にリスク管理がされていなければ、天候環境が作業者の健康に非常に深刻な影響をもたらす場合がある。この影響は即座に、または、長い時間をかけて現れる可能性がある。 例を挙げると、直射日光へのばく露は、日焼け、火ぶくれ、皮膚の老化、などの皮膚障害の原因となり、長期的なばく露は、皮膚ガンを引き起こすリスクを高めるおそれがある。皮膚ガンはイギリスにおいて最も多く発症するガンのひとつで、毎年5万人以上が新たに罹患している。 直射日光への不要なばく露は以下の方法で予防できる。
日焼け予防は重要であり、日焼けした皮膚は皮膚障害を被っていることを理解する必要がある。日焼けで黒くなった皮膚は決して健康である証ではない。 屋内の作業場事業者は以下の事項を実行する必要がある。
報告事業者に申し出ることに不安を感じる場合は、労働組合、地方自治体事務所、HSEの地方事務所に相談が可能である。 熱ストレス
序論 このページでは暑熱環境下で作業する際のオーバーヒートのリスクについて説明し、その予防方法の実践的なガイダンスを提供する。このインフォメーションは、暑い夏季にリスクが高まる職種にも適応されるが、多くの職業では熱ストレスは一年中取り組むべき課題となっている。ここでは、製パン工房、高圧室内(compressed air tunnels)、鋳造工場、製錬工場など暑熱環境下で作業する際のオーバーヒートのリスクについて説明している。ただし、職場の温度快適性にかかわる問題については言及していない。 温度快適性とは 熱ストレスは、身体内部温度のコントロールができなくなり始めると生じる症状である。大気温度と同様に、作業量、湿度、作業時の着用衣類などの諸要素が原因で熱ストレスが生じることもある。従って、作業場を通り過ぎるだけの作業者には熱ストレスによるリスクの存在はわかりにくいかもしれない。
事業者と作業者は、暑熱環境下での安全な作業の方法、熱ストレスの原因となる諸要素、熱ストレス発症リスクの低減方法について認識しておく必要があります。 身体はどのように熱に対処するのか。 身体は暑熱に対処する際、皮膚表面への血流量を増やし、発汗を促す。血流量が増すことにより身体内の熱が身体表面に達し、汗が身体表面から気化することで体温が下がる。身体表面での放熱や対流によっても熱は奪われる。 熱ストレス発生状況の代表的な例 保護服を着用し、暑熱、多湿環境の中で重労働をしている作業者は、以下の理由で熱ストレスのリスクにばく露するおそれがあります。
この状況のまま作業を続けると、作業が長時間になるほど症状は悪化する。 熱ストレスの影響について 熱ストレスが及ぼす影響は個人ごとに異なり、他の人より影響を受けやすい人もいる。 以下は、一般的によく見られる症状である。
熱ストレスが発生する場所 作業工程や、狭く閉鎖的な空間による暑熱環境が原因で生じる熱ストレスを被るおそれのある作業者の職場の例としては、以下のようなものが挙げられる。
上記産業では、暑熱環境下での作業はごく一般的に行われている。上記以外の産業では、暑熱環境下での作業は、作業環境での作業の種類や作業内容の変更に応じて不定期に行われている。たとえば、屋外の気温変化による季節に応じた作業内容の変更は、熱ストレス発症の主要因となるおそれがある。 熱ストレスに対し、事業者がするべきこと 着衣を脱ぐ、冷たいものを飲む、あおぐ、日陰や冷涼な場所に座る、作業量を減らすなど、涼しくなるように行動を変更することや、発汗することにより、作業者は時間をかけて暑熱環境に順応していく。しかしアスベストの除去など、多くの作業ではこのように行動を変更できない場合がある。熱ストレスが発生しそうな状況では、事業者はリスクアセスメントを実施する必要がある。 リスクアセスメントで事業者が調査すべきこと
第一に、事業者は作業者(および彼らの安全管理の責任者)と面接して、熱ストレスの初期症状を患っていないか確認する必要がある。問題が生じている可能性が見られれば、事業者は、たとえば、職業衛生専門家、看護師、医師など、暑熱環境下でのリスクを判断できる専門家に相談する必要がある。 事業者がリスクを低減できる方法について 以下のようにして、可能な限り熱源の排除や削減に努める。
- 工程を変更する。 - ファンやエアコンを使用する。 - 放射熱へのばく露を低減する物理的な障壁を使用する。
- 温度が設定レベル以下の場合、あるいは、一日の中でより涼しい時間帯に限り作業場への入場を許可する。 -リスクのある状況での必要作業時間を明記した作業許可書を発行する。 - 定期的に休憩を取らせたり、冷涼な場所に休憩施設を設けたりする。
無料インフォメーションシート寒冷ストレス寒冷ストレス予防のためのHSEによるガイダンス事業者及び作業者はHSEが12°C以下での作業に関する特定のガイダンスを持たないことに注意しなければならない。英国/欧州規格(British/European Standards: BSEN)に従うことが、事業者の必要最小限の基準への取り組みを明確にする。このような状況下での最初の第一基準として、労使双方が下記英国規格(British Standards)を参照するように勧告する。
上記した規格は完全なリストではないが、リスクアセスメントの方針を立て、問題管理を始める基礎を提供する。各事業の状況により、事業者は他の規格を参照する必要もある。 脱水症脱水症は、熱ストレス環境下で、作業者の安全作業能力に大きな影響を及ぼすおそれがある。発汗による水分の損失を補うためには、紅茶、コーヒーまたは炭酸飲料ではなく冷たい水を少量ずつ頻繁に飲むことを奨励することが、熱ストレス環境下での脱水症状を最小限にする。また、喉の渇きは脱水症を予防する効果的なサインではないことを理解しなければならない。喉の渇きを感じたときは、既に脱水症状が始まっているのだ。 すなわち、熱ストレス環境下で重労働をする際、作業者は15分毎におよそ250ml(0.5パイント) または30分毎に500ml (1パイント)の水分を補給するべきである。しかしながら、水分補給の妨げとなるPPE(個人保護具)を着用する、または、衛生要件が飲食の妨げとなる産業で作業するなどの作業の性質により、この方法が実施できない場合がある。このような場合の代替方法は、作業開始前に1時間単位で500mlの水を飲み、休憩時間に500mlの水を飲むことを奨励することである。これらの方法により、作業中の水分需要量を満たすかもしれないが、水分の蒸発量が著しく多い場合は、水分摂取量を比例して増やさすべきである。また、発汗した量に等しい水分を補給しても、過度の発汗が原因の塩分の損失による脱水の影響を受けるかもしれない。これは、作業開始前に、作業者が十分給水したことを確認すべきであることを意味する。 屋外の作業屋外で作業を行う際、天気は個人の有効性に影響を与えるおそれがある、そして工学的に制御することは容易にはできない。このような環境を管理する、最も効果的な方法は以下のようなシンプルな管理を導入することである。 寒冷環境
暑熱環境
直射日光下での作業どのような危険があるのか。過度の日光は皮膚にとって有害である。日焼けによる黒い皮膚は損傷を受けたサインであり、その損傷の原因は日光に含まれる紫外線(UV)である。 想定される被害者屋外での作業が長時間になる場合は、皮膚が過度の日光にばく露するおそれがある。農場、建設現場、市場向け菜園、野外活動、公益事業の一部など屋外で作業する作業者はこのようなリスクを負うおそれがある。以下の人は特に配慮する必要がある。
日光の有害な影響について 短期的には、日焼けにより皮膚に水ぶくれができ、むける。少し赤くなっているだけでも皮膚障害の徴候である。 長期的には、日光に当たり過ぎると皮膚は老化が早まり、革のように堅くなり、しみやしわができるが、最も深刻な影響は皮膚ガン罹患の可能性が高まることである。 自分自身を守るためにできること
詳細な情報HSEは以下のリーフレットを無料で提供している。
下記ウェブサイトからも役立つ情報を入手できる 「サンスマート:全英皮膚ガン予防キャンペーン」(SunSmart: the UK’s national skin cancer prevention campaign) 寒冷環境下での食品の取り扱い食品を取り扱う作業場の温度食品業では、食品衛生法の要件を満たすと同時に、職場の「適温」を維持する必要がある。 法規上、食品衛生法と衛生安全法に対立しているものはない。一般的に、食品衛生法は食品の温度を規定し、衛生安全法は職場の室温を規定している。局所冷蔵密閉空間などのよく知られた技術を使う場合、最高室温を食品衛生法が規定するなどのいくつかの例外はある。 安全衛生上の要件屋外作業場における安全衛生上の温度要件は、以下の事項により満たされる。
保冷倉庫における安全衛生上の温度要件は、以下の事項により満たされる。
食品業界の特別ガイダンス
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