国民保健サービス(National Health Service: NHS)職員に関する最近の調査で、英国保健制度における暴力行為の程度が明らかになった。デービッド・アクスベイ(David Axbey)が報告する。
健康増進委員会(Commission for Health Improvement: CHI)が実施した最近の調査によると、イングランドとウェールズのNHS職員のうち15%を超えるスタッフが、業務中に暴行を受けたことがあるという。
職場調査としては世界最大規模といってよい今回の調査において、NHSの監視と臨床ケアの改善のために設立された独立団体であるCHIは、2003年10月に全国572のNHSトラストの20万人を超える職員を対象にアンケートを行った。
2004年3月に公表された仮集計結果によると、NHSに従事するヘルスケア労働者の6人に1人が昨年中に業務中に肉体的暴行を受けたという。調査では、暴行を受けた被害者のうち事件を上司に報告したのはわずか67%であることも明らかになった。
英国安全衛生庁(Health and Safety Executive: HSE)のクリス・テイラー保健サービス局長(Head of Health Services Unit)は言う。「HSEは保健サービス諸機関と協力して、NHS職員の労働条件の改善と、患者に対するサービスの改善に取り組んでいます」
「保健サービスはHSEの最重要課題の一つであり、CHIの調査で浮かび上がった主なリスクについては、NHSトラストの監督ですでに重点的に扱っています」、テイラー保健サービス局長はこのように述べている。