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アスベスト除去業者に警告書 - 106,400ドルの科料処分
Asbestos-Removal Contractor Cited; Faces $106,400 in Proposed Penalties

資料出所:Bureau of National Affairs, Inc.(BNA)発行
「Occupational Safety and Health Reporter」
Vol.35, No.24, p.559 (June 16, 2005)
(仮訳 国際安全衛生センター)

Reproduced with permission from
Occupational Safety & Health Reporter, Vol.35, No.24, p.559 (June 16, 2005).
Copyright 2005 by The Bureau of National Affairs, Inc. (800-372-1033)
<http://www.bna.com>



アスベスト除去業者に警告書 - 106,400ドルの科料処分

 6月7日、ワシントン州労働産業省は、ワシントン州タコマ高校で実施されたアスベスト除去プロジェクトにおいて、作業者をアスベストによる健康被害を起こすハザードにさらしたとして、このアスベスト除去業者に106,400ドルの罰金を課したことを発表した。

 米国ワシントン州レイクウッドのEastwood Enterprise, Incは、アスベストなどによる健康被害を起こすハザードから労働者を保護するための規定に対する10件の故意の違反、4件の重大な違反、4件の全般的な違反が認められたとして処分を受けた。これらの違反行為は、昨年フォス高校敷地内で行われた作業において発生したものである。

 全般的な違反について、ワシントン州は重大な重度の傷害または死亡に至る可能性の少ない違反と規定している。

 検査によって、Eastwood Enterprisesがアスベスト除去作業に従事する作業者に対しての基本的な防止策を講じていなかったことを示す多数の事実が明らかになったが、これには次のような不備が含まれる。

  • 医学検査、適切な防じんマスク、作業者に対する防じんマスクの装着テスト
  • 密閉された作業環境における空気の質の監視
  • 作業員のための洗浄および更衣設備を備えた汚染除去エリアの設置

 これに加え、Eastwood Enterorisesが記録を改ざんして作業者にアスベスト除去資格を与えていたことが、調査によって明らかになっている。

 調査では、フォス高校の職員および生徒がアスベストにさらされたことを示す証拠は見つかっていない。このアスベスト除去作業は、学校職員や生徒が立ち入ることのない作業現場の密閉エリアで実施された。

会社側は争う構え:6月10日、Eastwood社副社長のPaul Reeves氏はBNAに対し、この処分について異議の申し立てると語った。

 Reeves氏が労働産業省の担当官から聞いたところによると、学校区事務所職員が繰り返し労働産業省に現場の視察を求めていた。

 Reeves氏によれば、同社の安全対策への苦情の申し立ては、この現場での大量のアスベスト除去に要した費用負担の問題が持ち上がった時に始まっている。この現場では、学校区の環境コンサルタントによる見積りをはるかに上回る量のアスベストが除去された。学校区事務所は、すでに終了している追加の除去作業費用の負担を回避したいとの目論見から、下請業者であるEastwoodに対する嫌がらせとして州の労働安全機関をこの件に巻き込んだというのが、Reeves氏の主張である。

 「つまり、ある公的機関が別の公的機関を巻き込んで、自分たちの不始末を処理するということです」とReeves氏は語っている。

 またEastwoodは、元請業者を相手どり、この会社が負担すべき600,000ドル以上の経費の支払を申し立てる予定である。



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