生鮮食品
- 手動の食品加工器具(ナイフ、ハサミなど)を、刃がよく切れて、手入れが行き届いた状態にしておく。刃が切れにくく、または手入れが悪い機器・器具は、操作により強い力を要する。
- 氷を扱う際には軽量のプラスチック製のシャベルを使う。この器具は、重いシャベルに比べて身体にかかる負担が少ない。労働者は小さなシャベルを使うことによって、手ですくうよりも、より短時間により多くの氷を移動させることができる。
- 氷を製氷機から商品のディスプレイ・ケースに運ぶ際には、運搬用氷ケースを使う。
- 最適作業範囲で作業を行うことができるように、重量計および包装作業台を配置する。労働者が作業するのに高すぎる、または低すぎる位置に重量計が置かれると、労働者は不自然な姿勢で作業をしなければならなくなることがある。すべての労働者が快適な姿勢で作業ができるように、可能な場合は、重量計の台および包装作業台を調節可能なものにする。
- 箱、メロン類、ジャガイモの袋、またはその他の重い物品を持ち上げたり運んだりする際には、身体の近くに持つようにする。これにより、背中(腰)にかかる負担を軽減することができる。
- スイカなどの重い物品は輸送用容器に入れておき、動かすときにはパレット・ジャッキを使う。
- 商品を冷やす際には、氷をシャベルで移す作業を省くために、氷ではなく冷蔵庫を使うことを検討する。
- 重い物品または回転率の早い物品を、最適作業範囲内の棚に配置する。
- 重い物品を動かす際にはカートを使う。手を伸ばしたり運んだりする動作を最小限に抑えるために、作業中のカートはディスプレイ・ケースに並べて配置する。
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その他の情報源
以下の情報源は、食料雑貨店におけるエルゴノミクスおよび業務上のMSDsの発症予防に関するさらに詳しい情報を必要としている者にとって、有用だと思われる。
Working Smart in the Retail Environment Ergonomics Guide、食品マーケティング協会、(202) 452-8444)
食品マーケティング協会は(有料)、このガイドを含むさまざまなガイドラインおよびビデオを多数発行している。このガイドは、安全性、快適さ、および生産性を向上する方法についてレジ担当者および第一線管理者を指導するものである。また、労働者が用いるべき、および避けるべき一般的および特定の手法の概要をまとめた「適切な作業形態についての手引き(Working Smart Quick Reference)」も含まれている(1996年、68頁)。
In Search of Better Checkstands、国際食品商業労働組合
特にレジ担当者が食料雑貨物品をつかんで持ち上げてスキャンする必要がないようなかたちの食料雑貨スキャナーの利点など、レジスターのデザインに関する詳細な情報を提供するものである。
Easy Ergonomics, A Practical Approach for Improving the Workplace、カリフォルニア州労使関係局
一般的なエルゴノミクス的助言を提供するために作成されたものであり、特定の業界を対象にしたものではない。自らの労働環境におけるエルゴノミクス的状況の改善に取り組む事業者、監督者、および労働者向けに、簡単で実践的なエルゴノミクス的取り組みを提案するものである(1999年、90頁)。
Elements of Ergonomics Programs、米国保健社会福祉省、米国立労働安全衛生研究所、(800) 356-4674)
この文書は、業務上のMSDsの発症予防を目的とした、労働環境で実施する可能なプログラムの基本的要素について説明したものである。ここには、プログラム構築に役立てることができる技術、手法、参考資料およびその他の情報を得られる情報源などをまとめた「ツール・ボックス」が含まれている。
Ergonomics for Very Small Business - Retail/Wholesale(ポスター)、カリフォルニア州労使関係局
零細規模の小売りおよび卸売り事業の事業者向けの、安全なエルゴノミクス的作業内容の例を掲載したポスター。
さらに、米国イリノイ州アーリントンハイツにあるOSHAの研修所では、エルゴノミクスを含む、安全および健康に関するさまざまなコースを受講することができる。また全国各地にある研修所教育センターでもコースを受講することができる。コースの開講スケジュールについては、OSHA研修所(2020 South Arlington Heights Road, Arlington Heights, IL 60005, (847) 297-4810)またはOSHAの研修内容に関するウェブサイトを参照のこと。
OSHAの認証を受けた計画のもと、独自の労働環境における安全および健康プログラムを運営している州および地域が多数ある。食料雑貨店に対する州の具体的な指導内容および規則遵守支援、または食料雑貨店に適用されるさまざまな州基準に関する情報を得る方法については、州の運営するプランの事務局に直接連絡することができるが、その方法についてはOSHAウェブサイトを参照のこと。
OSHAは、事業体に対して労働環境における安全および健康面の支援を行う、無料コンサルティング・サービスを実施している。OSHAのコンサルティングは、主に連邦政府OSHAが資金を提供しているが、具体的なサービスは全米50州の州政府、コロンビア特別区、グアム、プエルトリコ、およびバージン諸島がそれぞれ実施している。各州では、安全で健康的な労働環境を確立、維持するために支援を要請してきた事業者に対し、労働環境における安全と健康に関して十分な資格を持つ専門家および医療従事者が対応している。危険の多い業界または危険をともなう作業を行っている中小企業の事業者向けに立ち上げられたこのサービスは無料で実施されており、秘密が厳守されている。OSHAのコンサルティングに関する情報はウェブサイト(
www.osha.gov)で閲覧可能であり、またOSHAの出版部((202)693-1888)に小冊子「事業者向けのコンサルティング・サービス(
Consultation Services for the Employer)(OSHA 3047)」を依頼することもできる。
参考文献
[ガイドラインの原文を参照]