このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > アメリカ NORA news 医療従事者間の危険有害薬品の安全な取扱い

医療従事者間の危険有害薬品の安全な取扱い

資料出所:National Institute for Occupational Safety and Health (NIOSH) 発行
「NORA (National Occupational Research Agenda) news」
2002年春第4巻第1号
(訳 国際安全衛生センター)


NIOSHは、国家職業研究課題(National Occupational Research Agenda、NORA) を通じて、医療業界で使用される危険有害薬品への労働者の暴露を最小限に抑える方策を検討する作業グループを結成した。米国医療薬剤師会(ASHP)によると、危険有害薬品とは、遺伝毒性・発ガン性・催奇性のあるもの、受胎障害を生じるもの、または少量の投与でその他の種類の深刻な毒性を生じるものと定義されている。

危険有害薬品、とりわけガン化学療法やHIV治療に使用されている危険有害薬品は、約30年間にわたり臨床で定常的に使用されてきており、取扱いガイドラインも整っているものの、最近の証拠では、生物学的安全キャビネットは危険有害薬品の封じ込めには不十分であることが証明された。さらに、看護師および薬剤師による取扱い慣行など、他の形態の管理技術にもかなり大きな格差があること、手袋をはじめ一般的に着用されている保護衣服の有効性に関する情報が欠如していることも示された。こうした薬品の 、ガン治療や非悪性疾病への使用が増えるにしたがって、暴露の機会は増している。 さらに、在宅ケアにおけるこれらの薬品使用も増加しており、作業台に漏れ出した少量の治療液、汚染された用品、また薬品廃棄物そのものによって汚染される可能性 のある労働現場の範囲は拡大している。

2000年9月に、利害関係者のための最初の会合が、NORAの「受胎および生殖異常 」チームと「管理技術/個人用保護具(PPE)」チームの2チームによって共同開催され、さまざまな生殖障害予防グループの利害関係者が出席した。9月の会合に引き続き、2000年12月および2001年5月にも会合が開かれ、医療業界、政府機関、学界の専門家をはじめ、さらに多くのパートナーが参加した。参加者は、輸送、準備、管理、 廃棄物取扱いの際の慣行をはじめ、医療のあらゆる臨床現場を通じて万国共通で採用される、危険有害薬品の安全な取扱いに関する認知された慣行基準の確立について協議を行なった。

同作業グループは、危険有害薬品への暴露に関する警告を開発中であるほか、危険有害薬品に対する保護衣服の浸透性に関する実験室での研究を開始し、管理技術関連の追加プロジェクトの提案を行なった。


この記事の出典(英語)は国際安全衛 生センターの図書館で
ご覧いただけます。