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はしご安全の5つのルール

資料出所:NASDホームページ
(仮訳 国際安全衛生センター)

原文はこちらからご覧いただけます
http://www.cdc.gov/nasd/docs/d000701-d000800/d000762/d000762.html



皆さんは家庭内外での死亡原因の筆頭は墜落・転落、転倒であることを知っていますか。全米安全評議会(NSC)によると、毎年家庭内外で墜落・転落、転倒により6,000人以上の人々が亡くなっている。更にその何倍もの人々が障害者となる傷害に遭遇している。この災害には、濡れた面や凍った面で滑ったり、階段から落ちたり、屋根から落ちたり、はしごから落ちたりすることが含まれている。実際、毎年3万人以上の人々が、はしごに関連する墜落・転落、転倒によって傷害を被っている。これらの災害の大部分は、被災者がはしご安全の基本ルールを破ったことが原因となっている。次に掲げるはしご安全の5つのルールは、特に脚立及びはしごに重点を置いたものである。


ルール1:作業に適したはしごを選ぶこと。

はしごには色々なタイプのものがあり、それぞれ特別の目的を持っている。更に、木製、アルミニウム製、ガラスファイバー製などがあり、手軽なものから産業用まで様々なものがある。一般的に家庭で使われるものには、2つのタイプが最もよく見られる。一つは真っ直ぐなもの(長さが固定のもの又は、伸び縮みできるもの)、もう一つは脚立タイプである。タイプ、構造に関係なく、はしごはアメリカ規格協会(ANSI)の規格に適合しているという証明ラベルがついており、損害保険者研究所(UL)のリストに掲載されているということを確認することが大切である。

はしごは、快適に作業が出来るように十分な長さがあり、繰り返し使えるよう十分な強度を持っていなければならない。アルミニウム製は木製に比べて軽くて天候による影響が少ないためよく使われている。しかし、木製又はガラスファイバー製はアルミニウム製ほど揺れないということが言える。

作業が電線に近接して行なわれ、接触する恐れがある場合は、アルミニウム製のものは適当な選択とは言えない。このような場合は、乾いた木製のはしご又はガラスファイバー製のものが適切となる。


ルール2:はしごを使う前に点検すること。

どんなはしごでも、問題が起こり、不安全になる可能性がある。はしごを使う時にはいつも、段、手すり、かすがいなどがゆるんでいたり、損傷したりしていないかを点検する。更に、ねじ、ボルト、ちょうつがいなどの金物がゆるんでいないかをチェックする。脚立の場合は、開き止め金具が正しくロックされていることを確かめる必要がある。はしごが安定し、作業中にすべることのないように安全な滑り止め(safety feet)があることを確認する。

はしごに何らかの欠陥がある場合は、修繕するか、別のはしごを使うようにしなければならない。欠陥のあるはしごは絶対に使ってはならない。塗装された木製はしごは、時折、欠陥が塗装により隠されている場合があるので、はしごにペンキを塗ることはお奨めできない。しかし、ワニスや木の防腐剤のような透明なものを塗るのはOKである。


ルール3:注意してはしごを据えつけること。

はしごが十分安全な構造になっていたとしても、使用する場所が危険な位置だったり、不適切な立てかけ方だったりすれば、災害が起こってしまうことが十分考えられる。例えば交通がある場所ではしごを使用する場合には、衝突防止のためのバリケードやガードを活用しなければならない。はしごの方に開くドアは開かないように鍵をかけたり、封鎖したりしなければならない。はしごを支えている面(ベース)の周りは、物が散乱していないようにし、はしごの下部(ベース)は、固い水平面にセットしなければならない。

脚立は、開き止め金具がロックされるように十分脚を開かなければならない。真っ直ぐのはしごは、4:1の割合で立てかけるのが良い。つまり、ベースとはしごの上部が屋根に支えられている点(上方の支点)までの高さ(h)の1/4だけ壁またはその他の垂直面から離して立てかけることになる。

また、はしごにより、屋根や作業床に昇る場合は、はしごの先がそれらよりも少なくとも3フィート以上突き出ていなければならない。

もし可能なら、はしごは、ずれないように、出来るだけ上方の支点の近くで固定する。決して、不安定な面にはしごを立てかけてはならない。


ルール4:はしごの昇降は慎重に行うこと。

いつも、はしごに面と向かい、両手で手すりを持つようにする。もし道具を必要とする場合は道具用ベルトで持ち運んだり、ひもで上げ下げする。

滑るのを防ぐためには、滑りの原因となるものがないかどうか、いつもはしごの段及び靴底の点検をすることが大切である。金属製のはしごの段など滑り易い場合には、足元をしっかりするため、滑り止めをつけるなどの工夫も大切である。


ルール5:はしご上での作業時には常識を働かせること。

いつも片手ではしごにつかまり、左右や後方に大きく手を伸ばしたりしないこと。バランスを保つために、はしごの手すりの間にベルトのバックルが来るようにする。高すぎる所に登ると災害が発生しやすいので、脚立の場合は上から2段目以上、はしごの場合は上から3段目以上には昇らないようにする。

はしごの運搬

1人ではしごを手で持って運ぶ場合は、はしごの先端が頭の位置よりも高くなるようにする。特にコーナー、通路、ドアをくぐる時には注意することが大切である。

常に適切な注意を払い、はしごを傷つけたりすることがないようにする。はしごを落としたり、放り投げたり、投げ下ろしたりしないようにする。車で運ぶ時には、横揺れを防止するために、サイドステーキ(固定具)を使い、はしごを安全に縛って運ぶようにする。ガタガタ道の場合にはゆっくりと運転する。

はしごの保管

はしごは風通しのいい場所で、たわませたり、反らせたりしないようにして保管するようにする。真っ直ぐのはしごは、平らな棚の中か、壁に腕木でつるした状態で保管するのが最も良い方法である。脚立は閉じた状態で立てて保管するようにする。

木製のはしごは湿気、虫、高温から守らなければならない。湿気と強い日光は木製はしごの2つの大きな敵である。これらは、はしごの使用寿命を急速に短くする。