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鉛の暴露で脳腫瘍増加の可能性
--アメリカの統計から判明--
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資料出所:「Journal of Safety Research」2000年夏号/Vol31/Number2,P108
http://www.elsevier.com/locate/jsr
(訳 国際安全衛生センター)
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最近のレポートによると、職業上の鉛暴露によって、脳腫瘍が発生する可能性があると言われている。この仮説を究明するため、われわれは鉛の暴露マトリックスを、1984年から1992年までの期間における、アメリカ内24州の27,060例の脳腫瘍による死亡者、および対照として、10,8240例のガン以外の疾病の死亡患者の、両方の死亡証明書に記載された職種および産業コードに当てはめてみた。
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その結果、鉛の高い暴露を経験した白人系の男女では、脳腫瘍のリスクは鉛暴露の確率が上昇するほど高くなり、特に白人男性で暴露の確率も濃度も高い(確率=2.1;信頼区間95%、1,1-4.0)者は2倍のリスクがあった。
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またリスクはアフリカ系アメリカ人男性で鉛の暴露レベルが高い場合、低、中度の暴露確率でも高くなった。強度レベルの傾向(Trend by intensity level)はアフリカ系アメリカ人男性(すべての暴露確率も合わせて)で統計的に有意であった。このような暴露評価は死亡証明書に記載されている職種と産業のみに基づいたものだが、ほかにも疫学的あるいは実験的な研究から、鉛との暴露と脳腫瘍リスクの関連を示唆する報告もある。
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この仮説をテストするためには、さらに分析調査を進める必要がある。 |
(P. Cocco, M. Dosemeci, E.F. Heineman「Journal of Occupational and Environmental Medicine」40(11)、937-942)
この記事の出典「Journal of Safety Research」は国際安全衛生センターの図書館でご覧いただけます。
http://www.elsevier.com/locate/jsr
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