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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > アメリカ 注射針事故の注意を呼びかけ−NIOSHが医療機関に警
注射針事故の注意を呼びかけ
NIOSHが医療機関に警告

資料出所:NSC発行「Safety Focus」2000年7/8月号
(訳 国際安全衛生センター)

 米国労働省労働安全衛生庁(OSHA)は先に血液感染の病原体について、新たな順守指針を公表したが、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)も、医療機関での注射針事故に注意を呼びかける警告を発表した。NIOSHはCDCの付属機関で、労働者を作業関連の事故や病気から保護するための基準を公表している。今回の警告で、NIOSHは毎年60万件から80万件の職場での注射針事故が起きており、それからエイズやB型肝炎、C型肝炎などのきわめて危険な病気が発生するおそれがあるとしている。

 この警告では、感染の潜在的な危険や事故例、望ましい安全器具の特性などに触れている。各種の安全機能に関する具体的なデータも含まれている。最後に労働者および経営者に対する勧告が行われ、安全機能を持つ注射針の選択と評価を行うように求めている。

 この警告文書は下記のNIOSHホームページから入手できる。
  www.cdc.gov/niosh(dhhs[NIOSH] Publication Number 2000-108)

 意見や質問、詳細な情報の請求などは下記に送ること。
  Director, Division of Safety Research, NIOSH (304-285-5894,または1-800-356-4674.)

 NIOSHは以下のような予防プログラムを実施して、注射針事故を減らすことを勧告している。
  • 職場での注射針、その他の鋭利物の事故を分析し、危険と傷害の傾向を明らかにする。
  • 注射針事故のリスク要因と有効な予防措置に関する、地域的および全国的な情報をよく検討し、予防のための重点措置と戦略を確立する。
  • 注射針の使用法と処分について、従業員に十分な訓練を実施する。
  • 注射針事故の危険を伴う作業方法を修正する。
  • 作業環境における安全意識の向上を図る。
  • すべての注射針および鋭利物事故防止のための手順を確立し、報告と適切な事後措置を規定する。
  • 予防措置の効果を評価し、実績についてのフィードバックを提供する。
 なおNIOSHは医療労働者に次の注意を呼びかけている。
  • 安全で効果的な別の方法がある場合には、注射針の使用を避ける。
  • 安全機能を持つ器具の選択と評価を促進する。
  • 安全機能を持つ器具を提供された場合には、それを使用する。
  • 注射針の使用後にまたキャップをつけるのを止める。
  • 注射針を使用するあらゆる手順に着手する前に、安全な取り扱いと処分の計画を立てる。
  • 使用済みの針をすぐに適切な鋭利物処理コンテナーに入れる。
  • すべての注射針および鋭利物事故を報告し、適切な事後措置を受ける。
  • 働いている職場で注射針事故が起きる危険があると思った場合、すぐに経営者に通報する。
  • 血液感染病原体に関する訓練に参加し、感染予防法を順守し、特にB型肝炎の予防注射を受ける。