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事故の半分以上は職場外で起きる
労働者は日常生活にもっと注意を

資料出所:NSC発行「Safety Focus」2000年7/8月号
(訳 国際安全衛生センター)

 労働者の負傷事故の半分以上は職場の外で起きていることを知っていますか。それは本当のことで、安全衛生関連の対策をもっぱら職場に集中させてもいいのだろうか、という声も上がっている。労働安全衛生は非常に重要なテーマだが、家庭や通勤時にも同じような注意を払う必要がある。

 約24,000人が毎年家庭内の事故で死亡している。1日に約65人という率である。全米安全評議会(NSC)の報告では、家庭内の事故の負傷者は360万人に上るという。これらの負傷者のうち約10万人には、なんらかの恒久的な機能障害が残っている。こうした数字を見ると、職場外で安全に過ごすかどうかが、生きるか死ぬかの分かれ目になることがよく分かる。

 私たちはみな、家庭内の環境をよく知っている。それだけに家庭内では気を抜きやすく、かえってそれが死傷事故につながる。最善の予防法は職場におけるのと同様に、家庭内の安全と積極的に取り組み、管理することである。家庭内で「安全監査」を行えば、家庭内の安全向上に役立ち、問題の解決に貢献することができる。以下のリストを検討していただきたい。

一般
  • 煙検知器を各フロアに設置し、電池を毎年交換する。
  • 自宅に脱出口があることを確認する(2カ所の出入り口が必要)。
  • カーテンをヒーターや暖炉から遠ざける。
  • 毎年煙突を検査し、必要があれば掃除する。
  • 暖炉、薪ストーブ、オープンヒータの前には囲いや手すりを置く。
  • 移動式ヒーターには可燃物を近づけないこと、堅固な台の上に置き、倒れないようにする。
  • 電気コードや電話線を人の通る場所におかない。
  • 電気コードや電話線を家具の下、カーペットの下に敷かない。
  • コードの露出やすり切れをチェックする。
  • 小さな子供がいる場合、電気のソケットに蓋をつける。
  • 階段の照明を十分に明るくする。
  • 階段の手すりが堅固であることを確認する。
  • 家具に鋭利な角がないことを確認する。
台所
  • タオル、カーテン、その他の可燃物をこんろから遠ざけておく。
  • 消火器を台所に常備し、使い方を心得ておく。
  • 延長コード、電気器具コードを流しやこんろの近くに置かない。
  • 奥のバーナーを使用し、鍋の取っ手をこんろの奥に向けておく。
  • ポットや鍋の取っ手をしっかり取り付ける。
  • 掃除用品を明確に表示した容器に入れ、子どもの手が届かないところに置く。
  • 小さな子どもがいる場合には、引き出し、キャビネット、器具、ゴミ箱などに安全装置をつける。
浴室、洗面所、トイレット
  • 医薬品や掃除用品を安全キャップ付きの容器に入れ、子どもを近づけない。
  • すべての古くなった医薬品を捨てる。
  • 医薬品は元々のラベル付きの容器に入れる。
  • 救急箱を使いやすいように保管する。
  • 浴槽、シャワー室には滑り止めマットなどを置く。
  • 浴槽内や水のあるところに子どもだけを放置しない。
  • 子どもを浴槽に入れるときには温度をチェックする。
寝室/子ども部屋
  • 乳幼児を寝せる場合、幼児用寝台のしっかりしたマットの上に上向けに寝せる。
  • 幼児用寝台を窓、窓のブラインド、カーテンコードから離して置く。
  • 玩具に鋭利な角がないか、すぐにはずれる部分がないか、チェックする。
  • 子どもの玩具は低い、深い棚または蓋のない玩具箱に入れる。
  • ベッドでたばこを吸わない。
  • 眠る前に電気毛布のスイッチを切る。
  • 電気毛布の端を巻き込んだり、ベッド用シーツでカバーしない。
車庫/倉庫/屋外
  • 危険な物質(ライター燃料、塗料、シンナー、凍結防止剤)は元々の容器に入れておき、他の容器に移さない。
  • 可燃物にはラベルを貼り、しっかり蓋をした承認された安全容器に入れる。
  • すべての危険物、可燃物を子どもや熱、炎から遠ざける。
  • 工具や動力機器に子どもを近づけない。
  • 水泳プールには人が侵入しないようにフェンスやゲートを設け、子どもが開けない錠をかける。
  • 子どもを大人の付き添いなしにプールに入れ、または水のある場所で遊ばせない。
  • 自動車のバックシートにチャイルドシートまたは補助座席をつけ、適切に使用する。
  • 家庭で使う遊園地用具はしっかりと地面に固定する。
  • 遊園用具は軟らかい土または芝生の上に、垣根から6フィート(2メートル弱)離して設置する。