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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > アメリカ 若年労働者の傷害は高齢労働者よりも多いか?

若年労働者の傷害は高齢労働者よりも多いか?海外文献レビュー
Have young workers more injuries than older ones?
An international literature review

シモ・サルミネン(Simo Salminen)

フィランド労働衛生研究所労働安全部(Finnish Institute of Occupational Health, Department of Occupational Safety)、Topeliuksenkatu 41b, FI-00250 Helsinki, Finland

資料出所:NSC and Pergamon発行 「Journal of Safety Research
Volume 35(2004) , p.513-521
(C) 2004 National Safety Council and Elsevier. Reprinted with permission from Elsevier.

(仮訳 国際安全衛生センター)



[要約]

問題提起:この海外文献レビューでは2つの問題提起を行った。すなわち、若年労働者の業務上の傷害発生率はほかの労働者に比べて高いか、若年労働者の傷害は高齢労働者の傷害より致命的である場合が多いか、である。

方法:致命的でない傷害と致命的な傷害に関する論文を次の基準に従って集めた:(a) ピアレビューが行われている雑誌に発表されたもの;(b) 若年労働者が25歳未満であるもの;(c) 若年労働者の傷害発生率または死亡率と、労働者全体のそれが掲載されているもの;(d) 人口および傷害件数に関する記述があるもの。

結果:致命的でない傷害に関する論文63件のうち大部分は、若年労働者の傷害発生率が高齢労働者よりも高いことを示していた。致命的な業務上の傷害に関する45件の論文のうち29件は、若年労働者の死亡率が高齢労働者のそれより低いことを示していた。これらの結果は、女性より男性の方がより顕著であった。

産業への影響:これらの結果は、若年労働者が業務上傷害のリスク・グループであることを示している。ただし、若年労働者の傷害は、高齢労働者の場合よりも致命的になるケースが少ないことが示されている。

キーワード:業務上傷害;死亡;年齢;性別;投票式(Voting method)


表3
レビュー結果
傷害の種類 結果 論文件数
若年労働者のほうが高率(%) 違いなし(%) 若年労働者のほうが低率(%)
致命的でない傷害 56 27 17 63
死亡 16 20 64 45
致命的でない傷害
 男性 70 15 15 26
 女性 44 26 30 23
死亡
 男性 44 12 44 9
 女性 17 50 33 6



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