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職業性の急性、外傷性手指傷害の疫学:文献の検討

G. S. Sorocka,b,c, D. A. Lombardib,c, T. K. Courtneya,b
J. P. Cotnama, M. A. Mittlemanb,d

aLiberty Mutual Research Center for Safety and Health,71 Frankland Road,
Hopkinton,MA 01748, USA
bDepartment of Environmental Health, Harvard School of Public Health, 665 Huntington Avenue,
Building I, Boston, MA 02115, USA
cDepartment of Biostatistics and Epidemiology, School of Public Health and Health Sciences,
University of Massachusetts at Amherst, Amherst, MA 01002, USA
dDepartment of Epidemiology, Harvard School of Public Health, 665 Huntington Avenue,
Building III, Boston, MA 02115, USA



資料出所:Elsevier Science発行 「Safety Science」 Vol.38, No.3, 2001年8月 p.241-256
(訳 国際安全衛生センター)



要約

この検討の目的は、職業性の急性、外傷性の手指傷害に関する文献を要約し、将来の研究の報告を示唆することにある。1996年において米国の病院救急部門で治療を受けた職業性の傷害のうち、最も多かったのは急性手指傷害(裂傷、圧挫または骨折など)であった。これらの傷害は推定330万人の傷害労働者の30%を占めている(99万人)。指の切り傷、裂傷は、1994年の米国内の損失労働日数で、腰痛、足の損傷についで3番目に多かった。世界の7個所の製造環境で調査された手指の事故率は年間100人の労働者当たり4〜11件であった。特に24歳以下の労働者が手指の傷害で最もリスクが高い。男性の方が女性より重い手指の傷害の率が高い。

これらの傷害の発生率が高く、多くの労働時間が失われているにもかかわらず、これらについて病因学的な観点からの理解は不十分である。文献では職業性の手指傷害については、対照研究が1件あるだけである。この調査は、傷害が起きた時点における固定的(年齢)および過渡的なリスク要因(普通はしない作業を行っていた)が重要な役割を果たしていることを指摘していた。急性の手指傷害については、軽減可能なりスクまたは保護的要素(手袋の使用など)を特定するために、より分析的な疫学的研究が必要である。この点について、事例をそれ自身の対照群として使用する新しい疫学的アプローチである、ケース・クロスオーバー・デザインが、急性の職業性手指傷害の過渡的で軽減可能なリスク要因を確定する効率的な方法であることが証明される可能性がある。



本文は省略しabstractのみ紹介していますが、