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石綿肺による死亡者が増加、シリカの暴露も
   NIOSHが職業性肺疾患の調査報告書

資料出所:BNA発行「Occupational Safety and Health Reporter」30-11
(訳 国際安全衛生センター)


  国立労働安全衛生研究所(NIOSH)は3月、1993年から1996年にかけて行った職業性肺疾患の検討結果をまとめた報告書「1999年職業性肺疾患監視報告書」を発表した。これはシリーズの5冊目に当たり、石綿肺、石炭労働者じん肺、珪肺、ビシノーシス、その他の職業性肺疾患による死亡者や暴露者などの実態を調査したもの。

 報告書によると、石綿肺による死亡者は1968年の年間100人未満から1990年代中期には1,200人以上に増加し、「最近のデータの入手可能な期間の最近の年である1996年にも、増加の傾向は止まっていない」。データによると、OSHAやMSHAの石綿の職業性暴露サンプリングでは、暴露が全体に減少していることがうかがえるのであるが。

 石炭労働者じん肺(CWP)は、じん肺による死亡者の50%以上を占めているが、CWPによる死亡者は1982年の2,500人以上から1996年までに年間1,500人未満に減少している。「レントゲン診断によるCWPの発生率は1970年代半ば以降に急速に減少した」と報告書は述べている。珪肺の死亡者も1960年代末の年間1,000人超から1994、95、96年の250人以下に大幅に減少した。

 OSHAおよびMSHAの監督官は最近の10年間、シリカの過剰暴露が他の物質(石綿、石炭塵など)の過剰暴露よりずっと事例が多いことを指摘している。1995年と96年の連邦政府によるサンプリング・プログラムによると、多くの産業が引き続き「実際的な吸入性シリカの危険性」があると指摘している。たとえば、製造業や各種の加工金属製品産業では、集められたサンプルの3分の1以上が許容暴露限界(PEL)を超えており、平均シリカ測定レベルは「PELの10倍以上である」とされている。報告書は「これら両産業は、サンプルの15%以上が吸入性シリカのPELを超える多くの産業のうちの2つになる」と述べている。

 報告書は次の機関で入手できる。
 Publication Dissemination, EID, NIOSH,
 4676 Columbia Parkway, Cincinnati, Ohio 45226-1998; Fax:(513)533-8573

http://www.bna.com