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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > ベトナム NILP NEWSLETTER 1999年5月号

INT/95/M10/DAN第2段階プロジェクト

ベトナム水産部門および建設部門における労働安全衛生、労働条件および環境の改善


Nguyen An Luong教授
ベトナム労働総連合(VGCL)常任副会長
国立労働保護研究所(NILP)所長
NPD、INT/95/M1O/DAN


水産省(MOF)や建設省(MOC)による緊密で効果的な協力およびILOジェネーブやILOバンコックの国際的な専門家による活発な支援により、国立労働保護研究所(NILP)およびベトナム労働総連合(VGCL)は1997年、INT/95/M10/DANプロジェクトの実現に成功した。同プロジェクトは、ベトナムの水産部門および建設部門における労働安全衛生、労働条件、環境の改善を目的としたものである。

上述したプロジェクトの成功に基づいて、プロジェクトの活動を広範囲に展開し、プロジェクトの発展目標の達成に向けてプロジェクト活動をより一層拡大することを目的として、国立労働保護研究所(NILP)はINT/95/M10/DAN第2段階プロジェクトをILOに提案した。ILOはこの提案を受諾した。

第2段階プロジェクトの当面の目的は以下の通りである。

  • 水産部門および建設部門における労働安全衛生の行動計画が円滑に実施されるための支援を行う。

  • 水産省、建設省および国立労働保護研究所(NILP)の労働安全衛生団体の技術力を強化する。


建設現場の労働安全衛生訓練者向けコース訓練風景




プロジェクトの達成目標は、以下の12項目である。

  • 水産部門

    達成目標1:
    水産業界における労働安全衛生の実行計画を公式に採用し、水産業に従事する管理者や労働者にその計画を通達する。

    達成目標2:
    労働傷病兵社会省 (MOLISA)、保健省(MOH)、ベトナム労働総連合(VGCL)による全国安全週間の共同実施など、労働安全衛生の認識拡大に向けた戦略を策定し、特に安全週間の期間には、認識拡大に有効な資料を作成して配布する。

    達成目標3:
    水産部門における1998〜2005年の労働安全衛生訓練戦略で、優先目標および実施メカニズムを特定する。

    達成目標4:
    管理者、監督者、労働組合代表者、労働者など、様々な対象グループに適した訓練方法を作成する。訓練方法では、労働安全衛生行動計画のテーマ、ベトナムの水産業における労働安全衛生管理システム、労働安全衛生の技術的問題に対応する。

    達成目標5:
    20人の訓練者を養成し、管理者、監督者、労働者を最低400人訓練する。

    達成目標6:
    モデルとなる労働安全衛生管理システムを、2箇所の水産加工工場で確立する。

  • 建設部門

    達成目標7:
    労働安全衛生の実行計画を公式に採用し、建設業に従事する管理者や労働者にその計画を通達する。

    達成目標8:
    労働傷病兵社会省 (MOLISA)、保健省(MOH)、ベトナム労働総連合(VGCL)による全国安全週間の共同実施など、労働安全衛生の認識拡大に向けた戦略を策定し、特に安全週間の期間には、認識拡大に有効な資料を作成して配布する。


    達成目標9:
    建設現場における1998〜2005年の労働安全衛生訓練戦略で、民間部門や建設会社から訓練資金を徴収する方法など、優先目標や実施メカニズムを特定する。


    達成目標10:
    管理者、監督者、労働組合代表者、労働者など、様々な対象グループに適した訓練方法を作成する。訓練方法では、労働安全衛生行動計画のテーマ、ベトナムの建設業における労働安全衛生管理システム、労働安全衛生の技術的問題に対応する。


    達成目標11:
    20人の訓練者を養成し、管理者、監督者、労働者を最低500人訓練する。

    達成目標12:
    モデルとなる労働安全衛生管理を、2箇所の建設現場で確立する。


1998年〜1999年初頭には、常任副会長Nguyen An Luong教授による直接の指導のもと、ILO専門家の協力により、国立労働保護研究所(NILP)、水産省(MOF)、建設省(MOC)による特別委員会のメンバーが、以下の多くの活動を展開した。

  • 水産部門および建設部門の双方において労働安全衛生の訓練や認識拡大に向けた戦略草案を立案した。1998年〜2005年に戦略を展開し、管理者、監督者、安全担当者の約90%、および水産部門や建設部門に従事する労働者全員が、2005年までに基本的な労働安全衛生の訓練を受けることを目標とした。

  • 管理者、監督者、安全担当者を対象とした2回の労働安全衛生訓練者向けコースが、ハノイおよびホーチミン市で開催され成功を治めた。これらの訓練者は、両業界の労働者を対象にした訓練コースを今後運営する際に動員される予定である。

  • 両業界の管理者、監督者、労働組合代表者、労働者など、様々な対象グループ向けの訓練方法を作成し、労働者を対象とした訓練コースの講師を務める訓練者に配布した。

ベトナム労働総連合(VGCL)、水産省(MOF)、建設省(MOC)の代表者による強い関心や協力によって、INT195/M10/DAN第2段階プロジェクトの効果的な取り組みが成功すること、そして水産業や建設業に従事する労働者、およびベトナムのあらゆる産業に従事する労働者の安全性や衛生面を改善する一因としてこのプロジェクトが適切であることを望み、またそうなることを断言する。


ホーチミン市の水産業界における労働安全衛生訓練者向けコースの訓練終了証明書授与式