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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > ベトナム NILP NEWSLETTER 1999年5月号

ベトナム労働総連合(VGCL)テーマ

農業部門の労働安全衛生に関する初期研究


Dinh Hanh Thung博士
国立労働保護研究所(NILP)副理事


過去数年間にわたりベトナム政府は、あらゆる状況における国内食糧品の安全性を保証するために、加工業と密接に関連した農業、林業、養殖業の包括的な発展および農業や農村の構造に対する経済メカニズムの更新を目標として、農業や農村部の開発に関心を向けてきた。10年間の刷新計画後、2900万人の農民による多大な努力が工業化や近代化を推し進める原動力となった結果、ベトナムの米の輸出高は年間300万トン以上となり世界第3位に浮上した。

新種のタネ、集約農業、作業の電気化や機械化、殺虫剤の使用など、発展した農業技術を取り入れ、農業や農村部の発展過程に多大な貢献を行ってきた。しかし一方で、こうした技術の応用によって、感電死、機械による事故、化学物質による中毒など、農民の安全性や健康面を脅かす様々な危険要因が発生した。

農民の労働条件を改善し、労働安全衛生の認識を高めるために、科学技術環境省は、1998〜2000年に農業部門における労働安全衛生の初期研究(機械、電気、化学的な要因に重点を置いた研究)に関して、ベトナム労働総連合(VGCL)レベルでテーマに着手するようにと、国立労働保護研究所(NILP)に委託した。農業生産の特定分野における労働安全衛生の状況の実地踏査や評価に基づいて、テーマの目的を特定した。この目的とは、特定の農業分野における2005年の労働安全衛生の状況を予測し、農業生産における労働安全衛生を改善するための奨励案や解決策を策定することである。

前述した目的を達成するために、このテーマでは以下の作業を実施した。

  1. 農業生産および農業部門における労働安全衛生のデータや情報の検討を実施。

  2. 実地踏査や調査、および収集したデータの分析や評価を実施。

  3. 2005年の特定農業分野における労働安全衛生の状況を予測。

  4. 農業部門の労働安全衛生管理のメカニズムや政策、農業で使用される個人用保護具の一覧、農民に対する労働安全衛生の訓練資料など、農業生産活動における労働安全衛生を改善するための奨励案や解決策を策定。


1998年以降、テーマの実行に携わる研究者は、北部デルタの19地域およびホアビン州とタンホア州の丘陵地区や山岳地区で、テーマの研究目的に沿った多くの活動を開始している。収集されたデータは、コンピュータで分析される。テーマの全活動は、2000年に完了する予定である。


殺虫剤への接触に対して、個人用保護具の安全な使用方法を農民に説明する