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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > ベトナム NILP NEWSLETTER 1999年5月号

国際化学物質安全性計画(IPCS)および国際化学物質安全カード(ICSC)の翻訳に関する国際ワークショップ

アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH)、米国シンシナティ、1998年9月8〜10日


国立労働保護研究所(NILP)、Dang Dinh Tri理学士


国際化学物質安全性計画、アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH)、国際労働機関(ILO)が協力して、世界保健機関(WHO)と共に、1998年9月8〜10日米国シンシナティにおいて上記ワークショップを主催した。

会議の目的は、IPCS ICSCの翻訳に携わる国家機関の代表者を招集することであった。この代表者とは、世界中の関係者から評価を受けた参考文献として、IPCS ICSCの翻訳版を、国内の化学物質安全性デ−タシ−ト作成の基本に利用できると考え、自国での翻訳や普及に関心を抱いている人達である。

この会議のもう1つの重要な目的は、化学物質安全性デ−タシートやラベル付けシステムの作成や使用など、化学物質の危険性を伝達する手段の制作および普及を行うツールに関して、情報を収集することである。

会議には、ベルギー、中国、チェコ共和国、ドイツ 、ハンガリー、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア 、パキスタン、ポーランド、ポルトガル、ロシア、スペイン、シリア、タイ、ベトナムから、科学者や管理者26人が代表者として出席した。

会議の全参加者は、複数の報告を聞き、化学物質安全性に関する国際協力、ICSCプロジェクト、ICSCの翻訳に関するガイドライン、ICSCの作成手順、国家による化学物質の危険性を伝達するための政策や制度など、関連した問題点について論議を戦わせた。ICSCの翻訳に必要な条件を十分に満たしていない国に対しては、IPCSとより一層密接に協力し、人間や環境に害を及ぼす化学物質の危険要因やリスクを阻止するために、早期段階に国内の行動を策定する取り組みを実施することが提案された。

ベトナム労働総連合(VGCL)副会長兼国立労働保護研究所(NILP)理事であり、ベトナム代表団の代表者でもあるNguyen An Luong教授も、会議で報告書を提出した。この報告書で同氏は、ベトナムにおける安全性管理および化学物質情報に関する業績を紹介した。同氏はまた、化学物質の安全性管理を促進する機能およびベトナムにおけるICSCの翻訳や普及を強化するために、ILOやWHOに対して、ベトナムへの支援や援助を求めた。ベトナムは、ICSCの翻訳や普及を早急に展開する必要がある。そうすることで、ベトナムが十分な条件や知識を習得し、化学物質の安全性に関する分野の共通の傾向や国際的なコミュニティーに入り込むことができるようになるであろう。


IPCS ICSCの翻訳に関する国際ワークショップでの論議