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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > ベトナム NILP NEWSLETTER 1999年9月号
第1回ベトナム全国安全週間


Manh Quang 労働保護活動に関する調査


1998年12月、首相は1999年5月1日の世界労働者の日にちなんで、全国安全週間を実施する決定を発表した。この目的は、労働者の安全と健康、ならびに社会経済の安定と発展に貢献する州や市民の財産を守るためのOSH推進運動を国内に広く浸透させると同時に、事業者と従業員のOSHに対する理解を深め、産業界ごとのOSH活動計画を打ち立てることにある。

OSH活動計画を実行に移すため、都市部から各地方にかけて全国安全週間調整委員会が設置された。全国安全週間の期間中には、労働者の参加を呼びかけるキャンペーンの実施、マスメディアを通じた実際の労働条件および労働環境に関する報道、OSH活動の成功例と失敗例の分析、複数企業におけるOSH活動の監視と視察ならびに最優良企業の表彰などが行われた。

1999年5月3日にハノイで行われた全国安全週間の開会式には、政府要人、ハノイ市人民委員会、各政治・社交団体およびILOの代表者の他に、省庁、産業界およびハノイ市内の企業から1000人を超す人々が出席した。

ベトナム政府の代表として、Ngo Xuan Loc副首相が演説を行った。副首相は、OSHに関わる適切な政策および法規の確立、OSH教育訓練活動の推進、企業における安全問題担当者間ネットワークの展開、定期的な設備および技術の刷新、OSHに関する科学的研究の推進等、OSHの向上を目指して産業界や県が一丸となって取り組むべき様々な課題を明確に示した。

開会式では、Nguyen Thi Hang労働傷病兵社会相、ILOの町田氏、ならびにベトナム労働総連合(VGCL)常任副委員長Nguyen An Lung博士も演説を行った。MOLISA(労働傷病兵社会省)はOSHの実現に最も大きく貢献したいくつかの組織および個人を表彰した。

全国安全週間の期間中に友好文化宮殿で行われたOSH展示会には、MOLISA(労働傷病兵社会省)、MOH(保健省)、ベトナム労働総連合(VGCL)、警察省が出席した。

全国安全週間は国内のほぼ全ての市、県ならびに工業地域で支持され、「グリーン、クリーン、ビューティー-OSHの実現に向けて」と題したキャンペーンや消防訓練、最優秀安全対策の選考、OSH活動に参加する人々の交流会、安全環境セミナーといった活動が実施された。特に、ベトナム労働総連合(VGCL)が主催し、国民からの大きな注目を浴びた「OSHと消火活動に関する知識」コンテストには、約40万通の応募が寄せられた。

「...我国で初めて実施された全国安全週間は労働者にとって重要な行事である。事業者、組織および国家機関はあらゆる分野で互いに協力し合い、労働者の安全と健康を守り、地域社会の発展を促すという共通の目標に取り組むことになった...」

全国安全週間開会式での、Ngo Xuan Loc副首相の演説から抜粋。


「... 職場での事故や職業性疾病、火災や爆発といった危険をなくし、社会に多大な影響を及ぼす人命や財産の損失を防ぐためには、法律、科学技術、社会経済、宣伝活動、教育の各方面において有効かつ包括的な対策を打ち立て、企業役員、事業者、労働者を含めた全ての人々にOSHの重要性を認識させる必要がある......」

全国安全週間開会式でのNguyen Thi Hang労働傷病兵社会相の演説から抜粋

「... 全国調整委員会のメンバーである労働組合は、ベトナム全国安全週間を設けることにした政府の方針を大いに歓迎している。このイベントは、OSH推進活動を全国に広く浸透させ、OSHに対する国民の意識を高めるという重要な役割を担っている。全国安全週間の期間中には、将来に向けて行われてきた様々な活動が最高潮に達するであろう。したがって今後も活動を発展させていくためには、全国安全週間が終わってからの取り組みが非常に重要である。この点から見ても、全国安全週間は極めて意義深いイベントと言える....」

全国安全週間開会式でのNguyen An Luong、ベトナム労働総連合(VGCL)筆頭副会長の演説より抜粋。


「.... OSHの向上を公約に掲げる政府の取り組みはもちろんのこと、我々は全国民、特に省庁職員、労働組合員、企業役員、事業者、労働者が、ベトナム政府の指導のもと、OSHの向上を目指して最大限の努力を払うことを信じている......」

ILOバンコク支部OSH分野専門家、町田静治氏による全国安全週間開会式での演説より抜粋。