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ベトナムの労働安全衛生の課題
(資料出所:国際安全衛生センター海外調査)
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災害統計、各種の調査等からベトナムの労働安全衛生上の問題を次のようにまとめることができます。
- 安全上の問題
- 安全上の問題としては、災害の増加が顕著であり、労働災害防止の重点対象業種としては、鉱業、建設業、製造業、農業が挙げられ、製造業では、金属製品製造、機械器具製造、電気機器製造、建築材料(耐火レンガ等)、製造業が挙げられています。災害の種類では、感電や爆発・火災、墜落、崩壊、機械器具に係る災害防止対策の徹底が求められています。
- 労働衛生上の問題
- 労働衛生上の問題としては、粉じん、騒音、鉛等の重金属中毒、化学物質による皮膚炎・中毒対策が挙げられています。このうち、じん肺はMOH(保健省)の予防医学部次長のTu氏によると、1978年から97年の累積患者数が9,000人に達しており、職業疾病の中で最優先のものとなっています。このためMOHではILOの協力も得て、MOLISA(労働傷病兵社会省)、VGCL(ベトナム労働総連合)と共催で1998年4月にハノイでじん肺撲滅のワークショップを開催し、行動計画を作成しました。これを1999年から実施に移す計画となっています。
- その他の課題
- このほかに、職業疾病の統計には現れていないものの、工場の機械あるいは削岩機等の振動工具の使用による振動、繊維工場等での高温多湿の環境下での作業、作業場の採光、適切な照度の確保も解決すべき課題とされています。
具体的な問題業種、課題
- 鉱業、採石業、耐火物製造業、鋳造業を重点業種としたじん肺対策。
- 繊維工場等の生産現場における、温度、湿度、照度、騒音等の対策。
- 旧式の生産設備によるエルゴノミクスの問題。
- 建設業などでの振動工具の使用に係る対策。
- 農業を含め、化学物質の使用による中毒対策。
その他のベトナムの安全衛生の問題点(ソフト面)
- 災害統計の信頼性。
- 法令の整備が十分でないこと。安全衛生を確保するために遵守すべき規定が十分に規定されていないこと。
- 法令を遵守させるための仕組みが不十分であること。例えば、安全衛生を担当する監督官の数が少ないこと。
- 人々の安全衛生に対する意識がまだまだ低いこと。
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