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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > ベトナム 伝統的な農村協同組合における労働環境と衛生

伝統的な農村協同組合における労働環境と衛生
(Working environment and health in traditional village cooperatives)

資料出所:MOLISA(労働傷病兵社会省)発行「Viet Nam Newsletter on Occupational Safety and Health」2001年5月第4号
(訳 国際安全衛生センター)


農村共同組合には、手工芸品および農産物の生産について長い伝統があり、ベトナムにおける経済発展に貢献し、失業率を低下させてきた。

だが、非公式部門(informal sector)であるこの分野の労働環境条件および労働衛生は、大きな懸念の対象となりつつある。労働安全衛生に関する複数の調査が行われたが、粉じん、騒音、および有毒ガスは、全般的に事業場の許容暴露限界値より高いレベルにあった。

83カ所の農村協同組合で実施した調査では、粉じん濃度が許容限界値の何倍にも達することが示されている。一部のレンガおよびセラミック生産現場における粉じんレベルは、5倍から7倍となっていた。クァン・ナム省の繊維および衣料品農村会社では、2倍から3倍の高さとなっている。

67カ所の農村協同組合の調査では、騒音サンプルのほとんどが、許容騒音レベルに対して5dB(A)から15dB(A)高いことが明らかになった。83カ所の協同組合(紙生産、建築材料生産、繊維および衣料品、金属精錬)で実施された調査では、うち19カ所の組合で、燃料の燃焼、電池及び塗料に含まれる鉛化合物をしばしば原因とする一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、亜硫酸ガス(SO2)および二酸化窒素(NO2)などの有毒ガスによる汚染が明らかになった。その濃度は許容暴露限界値の1.5倍から5倍に達するものであった。

この調査から、多くの労働者が、腰痛、関節痛や呼吸器系の炎症のような慢性疾患に苦しんでいることがわかった。労働者と事業者の間で適切な情報提供ならびに規制および優良規範についての意識を高めることによって、労働安全衛生を改善する必要がある。この目標を達成するために、労働傷病兵社会省(MOLISA)労働保護局(Department of Labour Protection)が、農村の事業者および労働者向けの「小企業労働改善」(WISE)研修コースを編成するにあたって、ILOおよび関連する労働安全衛生機関と協力している。