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第21回研修
「ゼロ災(KYT)活動」(英語)
コースリーダー スピア・ベラシンガム氏
(BPマレーシア安全衛生・環境管理アドバイザー)

(要約 国際安全衛生センター *原文(英語)はこちら

ゼロ災運動(KYT)コースは、危険予知に関する非常に活動的なトレーニングプログラムであり、参加者にとりとてもわかりやすく、又、作業場におけるプログラムの実践は大変実践的なものでありました。企業、事業者、そして管理者と労働者双方の、労働安全衛生の全体責任に対する広範囲に渡る利点を理解するのに、さほど時間はかかりませんでした。講師の方々は、参加者全員にコースの明確な利点と、作業場におけるKYT実行の長所を認識させるために、課題を確実に理解させるよう最大の努力を払っていらっしゃいました。

コースは、作業場での事故をいかに無くすかについて従業員を教育するために、参加者に多くの技術を提供するという実際の行動に基づいたプログラムです。"我々すべては、かけがえのない存在である"という人類の相互理解の概念は、作業場において労働者に安全な作業環境を提供するという方針に対する、強力なメッッセージを呼び起こすものであります。
参加者達は、このゼロ災運動が、労働者の興味と熱意を維持させるであろう事を確信しております。上級管理者から一般の従業員までの積極的な参加は、事故のない環境を作る為に互いに責任を持つという考えを生みだし、そして、この理念は全ての人にとり本能的に培われるものでなければなりません。

明らかに、コース実行の初期段階では明確な結果は出ないかもしれませんが、従業員が時間をかけてKYTの正しい認識を得るうちに、大きな成功の可能性がもたらされるはずであります。
"指さし呼称"、"タッチアンドコール"は、明確な意識を持った作業場を維持する上で、チームの努力への気持ちをかきたてます。プログラムに沿った行動に加え、KYT技術は、労働安全衛生に対する従業員の認識を変えるための強力な手段であります。作業所でのKYTの積極的な活用の他に、交通KYTは、道路での危険予知に関するもう一つの活動であります。交通KYTは、単独行動としての車の運転と考えられています。プログラムは、通常運転の範囲を超え、且つ、第3者によって対策を予期できない場合の個人の危険予知能力を高めるための、運転者の責任の概要を述べています。

参加者は、KYTプログラムがそれぞれの国において、産業のより広い分野で促進されることを確信しています。セミナーで得た知識は、プログラムを支援し、産業におけるその他の従業員を教育し、トレーニングする事を事業者に確信させるものであります。プログラムが、チームワーク精神と労働者間のよりよい協力を形作り、生産計画に支障を来すことなしに、労働安全衛生を改善しながら、コミュニケーション技術を改善するでしょう。
従業員のモラルは、彼等の快適な状態を確かなものにすることにより、改善することが出来ます。セミナーは、又、参加者に、ネットワーク、知己、学んだ知識の共有、他の国々からの参加者達との体験などをもたらしました。

各講義後の実践は、昔とは違い、インストラクターから学んだ事を実践で生かす機会を参加者に提供しています。"聞いただけでは忘れてしまう、実行したことは覚えている" 参加者は、実践的な演習によってより理解を深めたと確信しています。演習は、各参加者に、作業業でのKYT実行においての改善・理解の向上・自信というものを導き、評価し、提供する機会をもたらしました。実際、従業員の物の考え方を変える事が出来、参加者の期待に見合ったKYTのOSHプログラムを、参加者はずっと探していました。

クボタ、ダイキン工場への現地訪問は、長い間、前者(聞いただけでは忘れてしまう)によって、最近では、後者(実行したことは覚えている)によって実行されているKYTプログラムに関する意見等を得るために、参加者によりすぐれた洞察力と機会を与えてくれました。
ダイキンで得た反応によると、実行の初期段階では企業にとり大きなチャレンジであったが、プログラムは、"実行したことは忘れない"に優れた安全の実践を提供したことは明らかであります。 クボタとダイキンの企業の経営基準というものは、大変立派ものでありました。10年間、無事故を維持しているダイキンの安全実行は、称賛に値するものであり、作業所でのKYT実行の利点を他の企業に模範として示すべきでしょう。

結論として、我々は全員このコースを楽しみ、日本の方々の非常に優れた文化と熱心な労働力に接することができました。この体験は、すべての労働者一人一人にとって、より安全な作業環境を作り出す作業所におけるゼロ災達成のゴールに参加者を導くことでしょう。日本は、労働安全衛生における優れた前例に続くための、他の国々のモデルとなるでしょう。
ウェルカムパーティー、フェアウェルパーティー、そして京都での名所旧跡の訪問は、永久に私達の心に残ることでしょう。