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ILO

安全衛生に関係するILO条約およびその概要

アスベスト(石綿) (1986年 第162号条約)

正式名は「石綿の利用における安全に関する条約」といい、職業上の石綿への暴露による健康に対する危険の防止と抑制、及びこの 危険からの労働者の保護を目的とする。

このために必要な法令の制定・定期的な見直しと十分な監督制度による実施が求められる。この法律規定には、青石綿及びその含有 製品の使用禁止、石綿の吹きつけ禁止、暴露限界または他の暴露基準の設定と見直しのほか、可能な場合には石綿または石綿含有 製品を無害または有害性の低い他の物質や製品などで代替させること、などが含まれる。

さらに、もろい石綿絶縁材を含有する装置や構造物の取り壊し、及び石綿が浮遊する可能性のある建物・建造物からの石綿の除去は、 当局が認定した資格のある使用者・請負業者等だけが担当できるとされる。

また、使用者は、作業環境における浮遊石綿粉じんの濃度測定、労働者の石綿への暴露監視、関係労働者に対する情報提供および 継続的な教育訓練の確保義務を負う。なお、この条約を補うため、一層詳細な規定を織り込んだ同名の勧告(第172号)がある。

批准=20