(資料出所:ILO発行「Promotional Framework for Occupational Safety and Health」
International Labour Conference, 93rd Session, 2005, Report IV (1), Annex I, pages33-48)
デンマーク政府は1995年、デンマーク労働環境評議会(Danish Working Environment Council)に加わっている労使との協力のもと、清潔な労働環境のための2005年までのアクション・プログラムを作成した。このアクション・プログラムによって、安全で健康かつ労働意欲を起こさせる職場という普遍的ビジョンの達成を視野においた、労働者と企業競争力にとってメリットのある労働安全衛生強化を目的とした包括的プランについて、初めて合意が得られることになった。このアクション・プログラムが策定された背景には、デンマークの職場における安全衛生のレベルは多くの国に比べて高いものの、各種基準は十分に高いものとはいえないという懸念と、労働環境問題全般の継続的改善が必要との認識があった。アクション・プログラムは議会に提出され、幅広い支持を得た。
アクション・プログラムで強調されているデンマーク労働環境法(Danish Working Environment Act)の原則では、企業は自社の抱える労働環境問題をみずから解決しなければならないとされ、その際、経営者と労働者の協力が予防的安全衛生業務の不可欠な要素とされている。指導と監督は、政府諸機関、部門安全評議会(Sector Safety Council)、および各種の事業者団体と労働者団体が行う。