このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
|
 |
 |
|
最近の各国の労働安全衛生プログラム - マレーシア
(資料出所:ILO発行「Promotional Framework for Occupational Safety and
Health」
International Labour Conference, 93rd Session, 2005, Report IV (1), Annex
I, pages33-48)
Copyright © 2004 International Labour Organization (ILO) |
Disclaimer |
|
The ILO shall accept no responsibility for any inaccuracy, errors or omissions
or for the consequences arising from the use of the Text. |
|
(仮訳 国際安全衛生センター)
原文はこちらからご覧いただけます
マレーシア政府は、労働者の安全と健康の保護を目的としたUNDP(国連開発計画)/DOSH(Department
of Occupational Safety and Health: 労働安全衛生部)プロジェクトの各種勧告を、2020年までに先進工業国の仲間入りを果たすという同国の目標の追求とあわせて検討している。「セーフワーク・マレーシア(SafeWork
Malaysia)」と題された戦略的中期国家プログラムの策定は、UNDPが資金援助している現在進行中のプロジェクトで予定されている主な成果の1つである。プログラムの草案はプロジェクトの活動の一環としてすでに作成され、全国労働安全衛生評議会(National
Council for Occupational Safety and Health)に提出された。工業化の目標は、労働者の安全と健康を損なうことなく実現できるし、またそうするべきであると考えられており、労働者の安全、健康、および福祉は、品質と生産性の改善の前提条件であるとみなされている。このため、今後粘り強い取り組みを通じて全国に安全文化を作り上げてゆく。
こうした目標へ向けての重要な一歩となったのは1994年の労働安全衛生法(Occupational
Safety and Health Act)であって、労働者の保護を経済活動のあらゆる分野に拡大した同法は、労働者を保護するための法的基盤となっている。労働安全衛生法によって設立された全国労働安全衛生評議会は、政労使の三者からなる組織で、各種戦略や実践的プログラムの開発、見直しを行ってきた。当時、労働災害届出件数については懸念が高まっており、1997年の災害件数は86,589件で、死亡事故は1,473件に達していた。各種プログラムでは、労働者の健康と福祉の増進、労働災害・傷害・職業性疾病による死亡の予防と低減が目標に掲げられている。
こうした目標を達成するために、多方面からの意見を採り入れつつ、国の5か年経済計画と密接に関連付けられた全国レベルの「セーフワーク」プログラムを策定することになっている。これには、人的資源省(Ministry of Human Resources)を調整役として、関係政府諸機関および各種労使団体が資源を最大限に動員して協力して取り組む予定である。
プログラム案には、以下の10の分野における行動が盛り込まれている。
|
(1) |
|
安全文化の推進。これは、あらゆる労働安全衛生活動を支える最も重要な基盤である。講じるべき措置として、毎年全国レベルの安全週間キャンペーンを実施して成功体験の共有を図ること、2001年から始まった「ロードショー(Road
Show)」の拡大も含めたさまざまなタイプの意識向上プログラムの開発、などが挙がっている。
|
|
(2) |
|
労働安全衛生および関連分野の法的枠組みの改善。1994年の労働安全衛生法の下で数多くの規則や実施基準が公表されてきたが、この取り組みをさらに進めて法的枠組みの完備を図るとともに、ILOの条約、勧告、実施基準(codes
of practice)、およびガイドラインを考慮しつつ、既存の法令の見直しと改善を図る。
|
|
(3) |
|
労働安全衛生法規の遵守の徹底。自主的遵守の促進、より効率的で効果的な執行などの措置を講じる。
|
|
(4) |
|
労働災害と職業性疾病に関するデータの収集および分析の改善。労働安全衛生部(DOSH)と社会保障機構(Social
Security Organization)が互いに協力し、入手した情報の有効利用とデータ収集の改善について慎重に検討する予定である。また、保険会社などのほかの情報源についても活用を図る。
|
|
(5) |
|
職業性疾病の特定と予防のための制度の改善。制度を強化するために、健康に対するハザードについての意識向上キャンペーン、専門家の訓練の迅速化、実用的な予防対策ガイドの発行などを行う。
|
|
(6) |
|
労働安全衛生を改善するための集中的具体的プログラムと新たなアプローチの実施。これは建設業や化学工業などの重点産業では特に重要であり、労働安全衛生マネジメントシステムに関するILOのガイドラインに沿って労働安全衛生マネジメントシステムを推進するための全国的な枠組みを策定する。職場の暴力やストレスなどの新しいハザードについても考慮する。
|
|
(7) |
|
各種労使団体の労働安全衛生プログラムの強化。
|
|
(8) |
|
労働安全衛生に関する教育訓練および情報サービスの拡充。このため官民の諸機関を動員し、情報技術を最大限に活用して情報サービスの拡充を図る。
|
|
(9) |
|
国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and
Health)の強化。同研究所は、教育研修プログラムの開発・提供のいっそうの推進、情報および助言サービスの提供、および実際的研究の実施に取り組む。1996年に独自の庁舎を持ってから、同研究所は十分に機能するようになっている。
|
|
(10) |
|
各種当局および諸機関の間における労働安全衛生に関する協調と連携の拡大。 |
|
|