このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
国際安全衛生センタートップ海外安全衛生情報:安全衛生情報誌雑誌 Fact Sheet > EU加盟国における反復的負荷傷害

EU加盟国における反復的負荷傷害
Repetitive Strain Injuries in EU Member States

資料出所:欧州安全衛生機構ファクトシート:FACTS 6
原文はこちらからご覧いただけます(別窓)
(仮訳 国際安全衛生センター)

「反復的負荷傷害」(RSI) は、一連の作業関連性筋骨格系障害を包含する用語として、普遍的ではないとしても一般に使用されている。 作業関連性筋骨格系障害は、肩および頸部、手首、肘、膝を含む上下肢を冒し、不自然な姿勢や動作を伴う作業、あるいは非常に反復的または速いペースの作業が原因となって起こり得る(欧州安全衛生機構レポート「作業関連性頸及び上肢筋骨格系障害」参照)。

本ファクトシートは、新しい欧州安全衛生機構レポート「EU加盟国における反復的負荷傷害」の所見に焦点をあてており、1999年に行ったアンケート調査の結果に基づくものである。このアンケート調査はオランダ社会福祉雇用省の要請に基づいて実施されたもので、同省はヨーロッパ各国がRSI問題をどのように定義し測定しているのか、そしてこの問題に対処するためにどのような政策や措置を実施しているのかを知りたかったのである。

RSI − ヨーロッパの視点

RSIに関する政府の政策

かなりの加盟国は作業関連性RSIの予防を目的とする具体的な政策や計画を策定している。以下に示すように、その形態は様々である。

また、他の加盟国では、職業性リスクを防ぎEUの法律施行を進めるアプローチ全体の中でRSI予防を行っているようである。RSIは、とりわけ手作業のリスクを原因とする腰部の損傷を含む、より大きな筋骨格系障害群の一部と見なすことができる。加盟国における事例のいくつかが手作業にも言及しているのはこのためである。

RSI関連愁訴を減らすための目標設定

まだ非常に一般的な取り組みとは言えないが、RSI発生率を減らすために数量的な目標を設定した加盟国もある。デンマークのアクション・プランでは、ソーシャル・パートナーとの協力により反復作業半減を目指している。スウェーデンでは、毎日15kgの荷物を持ち上げる女性の割合を25%減らすために具体的な目標を設定した。オランダはVDU作業に関係するRSI愁訴を4年間で10%減らしたいとしている。

RSI関連愁訴に関する情報キャンペーン

調査により、RSI関連愁訴予防を目的とした多くの情報キャンペーン事例が明らかになった。そのうちのあるものは政府主導で、事業者や労働組合などのソーシャル・パートナーとの協同で運営されている。しかし、労働組合自体など他の組織も定期的にキャンペーンを実施している。情報資料の作成・配布、セミナー開催、問題提起のための検査員任用、活動週間の設定をキャンペーンの内容に含めることができよう。背部痛や手作業など、特定部門や特定の疾患・リスクをキャンペーンの対象とすることもできよう。いくつかの例を以下に示す。

RSIに関する協力や自主協定への取り組み

ソーシャル・パートナーとの協力や自主協定の構想が広がっている。これは通例、ソーシャル・パートナーが積極的に協力することにより、部門レベルで行われている。

参考文献

英語版レポートの全文は、欧州安全衛生機構のWebサイトから入手できます。 http://osha.europa.eu/publications/reports/

欧州安全衛生機構が発行する印刷版 Repetitive Strain Injuries in the Member States of the European Union(EU加盟国における反復的負荷傷害), 32pp, 2000, ISBN 92-828-8804-S は、ルクセンブルクのEC出版局、EUR-OP(http://eur-op.eu.int/)から直接入手できます。販売代理店を通して注文することも可能です。

欧州安全衛生機構発行のWork-related neck and upper limb musculoskeletal disorders(作業関連性頸および上肢筋骨格系障害), 116pp, Buckle, P., Devereux J., 1999, ISBN 92-828-8174-1も上記同様の方法で入手可能です。 本体価格は7ユーロです(VATが別途、かかります)。

筋骨格系障害に関するEUの情報キャンペーン

「作業関連性筋骨格系障害を追放しよう(Turn Your Back on Work Related Musculoskeletal Disorders)」は、EU加盟15カ国が2000年10月に実施する欧州労働安全衛生週間のテーマである。安全衛生週間を支援するため、欧州安全衛生機構はファクトシートその他の情報資料を作成した。http://osha.europa.eu/ew2000/ が同週間に関する情報への直接のリンクである。

このページの先頭へページの先頭へ