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騒音の低減と抑制
Noise reduction and control

資料出所:欧州安全衛生機構ファクトシート:FACTS 58
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(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日:2006.10.25

事業者にとって、余分な騒音を除いたり、低減したりすることは、単なる法的責務を果たすだけのものではなく、企業経営上の利益にもなる。労働環境が安全で健康的なものになればなるほど、高価なものにつく高欠勤率、災害の発生、企業業績の不振などが生ずる可能性は低くなる。このfactsheetでは、職場での騒音を低減、抑制するために取り得る主な手段について概説する。

成功へのステップ
騒音は建設現場、工場に限らず、事業所から酒場まで、学校からコンサートホールまで、あらゆる職場で問題となる可能性がある。どのような職場においても、労働者への害を防止するためには、3つの重要なステップがある:
リスクアセスメントの実施
アセスメントの頻度及び種類は、職場に存在する問題の範囲と程度にかかっているが、騒音による全てのリスクを考慮しなければならない。例えば、どんな騒音が工場での災害リスクを増加される恐れがあるかということを、騒音による聴力損失(NIHL)のリスクと同時に検討されなければならない。
リスクアセスメントにおける重要点
リスクを防止あるいは抑制する手段の実施
労働者の安全衛生確保につながる抑制対策には、次のような優先順位がある:
騒音源を除くこと
労働者のリスク防止において、最も効果的な方法は騒音源を除くことである。新しい作業機器あるいは作業方法が計画された場合は、常にこの除去方法を考慮しなければならない。騒音の無い設備、あるいは低音設備を購入することは、常に騒音を防止、抑制する上での最も費用対効果の優れた方法である。いくつかのEU加盟国では、作業機器の選択について企業に役立つデータベースを有している。
騒音の抑制
騒音低減は、音源であれ、その通り路であれ、機器設計・職場の設計及びメンテナンスの両方を考慮した騒音管理プログラムの主な部分である。幅広い工学的対策により、以下のことを初めとする抑制方法の実施が可能となる:
総体的な抑制対策
騒音がその音源で適切に抑制できない場合、労働者の騒音に対するばく露を低減させるためには追加的対策が取られなければならない。これらには以下の事項の変更が含まれる: 騒音抑制としてエルゴノミックス対策が考慮されなければならない。騒音抑制策が、労働者が仕事を行う上で障害になる場合、労働者が抑制策を効果の無いように変更、除去する恐れがある。
個人用保護具
耳栓、イヤーマフのような個人用保護具は、騒音源を取り除いたり、低減したりする全ての努力が実施された後に最終的手段として利用されるべきものである。個人用保護具使用にあたって考慮すべき事項としては、以下のような点が挙げられる。
情報と教育訓練
労働者は情報と教育訓練を受けてリスクへの理解を進め、騒音関連リスクに対処しなければならない。これには次のことが含まれていなければならない:
リスクと抑制策の定期的なモニター
事業者は、実施中の騒音防止対策あるいは騒音抑制策が効果的に実施されていることを定期的にチェックしなければならない。騒音ばく露に関連して、労働者は、適切な健康診断を受ける権利を有している。健康診断を実施した場合、個々人の健康記録は保管され、従業員にその情報提供が成されなければならない。健康診断により得られた情報は、リスク及び抑制策を見直すために活用されなければならない。
労働者参加
労働者と相談することは法的要件となっていて、労働者が確実に安全衛生手順と改善に責任を持つことに役立つ。労働者の知識を活用することは、ハザードが正しく指摘され、有効な解決方法が実施されるのに必ず役立つ。労働者代表は、このプロセスにおいて、重要な役割を担っている。従業員は新しい技術や新製品が導入される前に安全衛生対策について協議されなければならない。
法規制
機械および機器のメーカーもまた、騒音レベルを抑制する責任がある。理事会指令98/37/ECによると、機械は「空中への騒音の放出によるリスクが最も小さいレベルに引き下げられるよう、設計し組み立てる。」ことが必要である。

物理的要因(騒音)によるリスクを生ずる労働者のばく露に関する、欧州議会と理事会の安全衛生最小要件指令2003/10/ECが2003年に、採択された。この指令は、指令86/188/EECと置き換えられるもので、2006年2月15日までに全加盟国における法律に取り込まれる。

この指令の第5(1)条においては、技術の進歩と発散源におけるリスク抑制手段の利用を考慮に入れ、「騒音へのばく露によるリスクは、その発散源で除去するか、最小限度まで抑制する。」ことを求めている。また、この指令における一日平均の新しいばく露限界は、87dB(A)である。

詳細情報の所在

このFACTSHEETは欧州職場安全衛生週間2005キャンペーンの一部分である。

騒音に関する情報:http://ew2005.osha.europa.eu
EU安全衛生法令:http://europa.eu.int/eur-lex/

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