国際安全衛生センター - JICOSH

[本文へ]

英語サイトへ
国際安全衛生センタートップ海外安全衛生情報:安全衛生情報誌雑誌 Fact Sheet > 若年労働者の安全について━事業者に対するアドバイス

若年労働者の安全について━事業者に対するアドバイス
Young worker safety - advice for employers

資料出所:欧州安全衛生機構ファクトシート:FACTS 61
新しいウィンドウに表示されます原文はこちらからご覧いただけます
(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日:2006.12.21

若い人々、特に25才以下の人々は次世代を代表する労働力である。事業者の役割は、彼らに安全で実りあるスタートをきらせることである。事業者は、優良な安全衛生マネージメントシステムを導入して、すべての人々を保護し、若い人が安全に働けるということを確実に担保する責任を負っている。このfactsheetは、事業者の役割に対するアドバイスを提供するものである。この他のfactsheetsでは若年労働者を保護するための法的要件、並びにスーパーバイザー、若い人々及び両親に対するアドバイスの詳細情報を載せている。

若い人々は経験不足、教育訓練不足及び認識の欠如が見られるので特別なリスクに遭遇する可能性がある。若い人々は、適切で安全かつ衛生的な職場に加えて、優れたアドバイス、情報及び管理監督を必要としている。

良くない職場慣行の行く末

17才の少女が休日に仕事を開始後、たった1時間で一本の指の一部を失った。彼女の指は働いていたパン屋の機械で押しつぶされたのであった。自動安全ガードには欠陥があった。この欠陥は以前から報告されていたが、保全修理計画はなかった。彼女はこの機械について適切な訓練を受けていなかった上、彼女がこの機械を使用していることについて、彼女のスーパーバイザーは気づいていなかった。

18才の見習機械工が炎に包まれて4日後に死亡した;自分の上司が石油とディーゼルの混合油を廃棄物用タンクへ注ぐのを彼が手伝っていた時に石油が爆発した。彼はこの仕事を学ぶ上で、管理監督及び教育訓練に関しては事業者に全面的に依存していたが、安全衛生作業手順についてはガレージオーナーは労働者の一般常識にまかせていた。

両方の事例で、会社は安全衛生対策不備で調査を受け、罰金を課された。若年労働者に対する一般的な傷害原因は、作業遂行に関連した訓練がなされていない仕事を実施したり,管理監督不十分だったり、危険有害な機器類・化学物質を使用したりすることから発生している。カナダでの調査によると新人で若い不慣れな労働者は、この他の労働者に比べると雇われて最初の4週間のうちに5倍以上も災害に遭遇しているようである。(注1)

(注1)新しいウィンドウに表示しますhttp://www.iapa.ca/outreach_yw/yw_employer.asp
優れた職場慣行の利点

法令順守はさておき、若年労働者の安全衛生に注意を払うことで、次のような明確な利点が生ずる。

リスクアセスメント、組織及び災害防止

事業者はハザードを特定し、リスクアセスメントを実施して、若い人の特別なリスク及び必要な防止対策を決定しなければならない。(注2)

従ってリスクアセスメント及びリスクアセスメントに基づく対策・実施要領には以下のことが含まれていなければならない。

事業者が若い人々に対して作業体験実習を行う場合は、少なくても自社の従業員に提供しているものと同じ安全衛生保護具を提供しなければならない。

(注2)ハザードとは、疾病あるいは傷害の原因となりうるものをいう。リスクとは、それが起こりうる可能性をいう。多くの労働災害は適切なリスク評価あるいはリスク管理対策が実施されないことから発生する。
18才未満の労働者

事業者が、18才未満の労働者(職業訓練及び作業体験実習を行う人々、まだ学校あるいは大学で在学中に臨時の作業を実施する人々を含む)を雇用する場合には、ハザードへのばく露及び労働時間に関する規制を含む多くの特別規則が適用される。若い人に対する特別要件の詳細については‘若い人々に対する労働災害防止対策’factsheet64を参照のこと。完全な要件については、国内関連法令をチェックすること。

管理監督実施要領の作成

事業者は若い人々を管理監督するためには適切な実施要領を作成しなければならない;一例として事業者は若い人々への良き指導者を選任することがあげられる。

スーパーバイザーは、若い人の作業に関連したリスク及び管理対策について適切な教育訓練が実施されなければならなく、かつ若い人が実施可能な業務に関する就業制限についても承知していなければならない。スーパーバイザーは自分の役割、自分に求められているもの、そして自分の義務を実行する方法について十分な理解が必要である。またスーパーバイザーは、管理監督業務を実行するための十分な時間と権限が必要である。この要領には次の点が含まれていなければならない:

教育訓練

若い人々が作業開始前に十分な時間が割り当てられた効果的な安全衛生訓練を受けることは大変重要である。これには次のような点が含まれる:

事例による手引き

事業者にとって重要なことは、安全衛生に対する自身の公約を示し、作業手順及び対策を樹立し、それらを常に最新のものとし、不安全な作業慣行は受容できないことを強調し、そして安全衛生問題に対してはすぐに対処するということである。

若い労働者の安全に関する詳細情報はagencyのウェブサイト新しいウィンドウに表示しますhttp://osha.europa.eu/で利用可能である。

労働災害防止についてのアドバイス並びに特定リスク及び職場の優良事例のリンク先は新しいウィンドウに表示しますhttp://osha.europa.eu/である。アドバイスリソースには監督機関、労働組合及び経営者団体が含まれている。

若い人の労働災害防止に関する議会指令94/33/ECのテキスト全文のリンク先は新しいウィンドウに表示しますhttp://osha.europa.eu/data/legislation/18である。

指令は最低限の基準である。従って、それぞれ加盟国の法令及びガイダンスの完全な要件をチェックすることが重要である。

英国でのガイダンスの詳細情報:新しいウィンドウに表示しますhttp://www.hse.gov.uk

アイルランドでの法令の詳細情報:新しいウィンドウに表示しますhttp://www.hsa.ie

マルタでの法令の詳細情報:新しいウィンドウに表示しますhttp://mt.osha.europa.eu/legislation

このページの先頭へページの先頭へ