皆さんの子供達は安全に働いているか?子供達の面倒を見ている人がいるという確信があるか?このfactsheetは、事業者がどんな安全衛生のお膳立てを若年者に準備しなければならないかについて皆さんの理解の助けとなり、労働災害防止について皆さんが子供達に話す時の一助となるものである。
毎年、多くの生徒及び大学生が小遣いを得るためにパートタイムとか夏休み中にアルバイトをしている。多くの生徒や学生はきちんと組織された作業実習訓練に参加している。初めてのフルタイム作業を始める者もいる。早い時期の作業体験は重要な職業技能を学ぶ大きな機会となり、若年者にとって価値があるはずである。この体験は同時に安全衛生を学ぶ体験でなければならない。
また、初めて若年者がフルタイムの仕事に就く時は、安全で生産的な出発点とならなければならない。そして若年者は生きるために働くのである。不幸にも事実は常にその通りではない。欧州の労働災害統計によると、18〜24才未満の若年者の労働災害率は他の年代の労働者グループに比べると50%以上も高くなっている。(注1)
(注1)Eurostat、EUの労働と健康─統計集 1994-200217才の女性が、休日のアルバイト作業を始めてほんの1時間後に指の一部を失った。彼女の指は、働いていたパン屋の機械で押しつぶされた…。
18才の見習機械工が炎に包まれて4日後に死亡した;彼が、上司の石油とディゼルの混合油を廃棄物用タンクへ移す作業を手伝っていた時に,石油が爆発した…。
労働者は安全衛生規則によって保護されている。事業者は職場のハザードを評価し、必要な防止対策、教育訓練を実施することがこの規則によって要求されている。若年者及び新人労働者は訓練、経験及び認識が不足しているので、事業者は彼らに特別の注意を払わなければならない。
18才未満の労働者に対しては、更に特別な要件が求められている。というのは経験不足の上に肉体的、かつ精神的な成熟度が不足しているからである。また、労働時間についても制限が設けられている。
職場の若年者を保護する欧州規則から派生する国内法令が存在している。(注2)
若年者は経験、認識及び成熟度が不足しているので、規則では彼らに対する特別リスクが考慮されている。
18才未満の人々に対する一般的な規制として、許可されていない業務には次のようなものがある:
Factsheet64‘若い人の労働災害防止対策’は業務、年令及び労働時間の制限、職業訓練の特例、及び各加盟国の義務教育終了年令未満の児童労働に関する厳しい制限についてより詳しく記述している。詳しい要件については国内法令をチェックすること。
若年者に職業体験実習が実施される場合、事業者は少なくても自社の従業員と同じ安全衛生保護具を彼らに提供しなければならない。
若年者が義務教育終了年令未満の場合、事業者はリスク及び管理対策について両親あるいは法的後見人に通知しなければならない。このことは作業開始前に実施されなければならない。多くの労働災害が予防できるにも拘らず、若年者に死傷災害は起こりえるし、発生している。また、働くということは、将来にわたって若年者の健康を危うくしかねない。例えば彼らがアレルギーの原因となる職場の製品、大きな騒音、あるいはぎこちない緊張した作業姿勢にばく露されるような労働によってである。従って安全衛生対策と訓練の重要性について、過少評価してはならない。 次に両親が子供達の助けとなれるようないくつかの対策を述べる:
皆さんの子供が自分の仕事の安全衛生状態について自分自身で詳しく知るように勧めること。例えば各国の監督機関からあるいはEU安全衛生庁のウェブサイトの情報供給源へリンクすることで。自分が置かれている状態を知ること。
若年労働者は、すべての労働者と同じように次の三つの重要な安全衛生上の権利を持っている:
若年者は次のような責任も、また有している:
英国でのガイダンスの詳細情報:http://www.hse.gov.uk
アイルランドでの法令の詳細情報:http://www.hsa.ie
マルタでの法令の詳細情報:http://mt.osha.europa.eu/legislation