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作業における安全衛生の権利―若年労働者に対するアドバイス
Your rights to safe and healthy work - advice for young people

資料出所:欧州安全衛生機構ファクトシート:FACTS 65
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(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日:2007.02.06
欧州安全衛生機構ファクトシート:FACTS 65 PDFイメージ

もし,若年労働者が労働災害に遭遇すると、これからの人生をその出来事と共に生活していかなければならない。これは冗談ごとではない。このfact sheetでは皆さんの権利及び責任についての情報提供を行う。別のfactsheet66では若年労働者が気をつけなければならないハザードについて記述している。

何が起こっているのか?

欧州の災害統計によると、18〜24才までの若年労働者の労働災害率は他の年代グループに比べると50%以上も高くなっている。欧州においては、多くの若年労働者が毎年業務により傷害あるいは疾病を被っている。悲しいことに、何人かが命を失いそして、少数だが業務についた最初の日に生きてさえもいないのである。がん、腰痛あるいは聴力損失というような職業性疾病及び健康状態は、時間の経過と共に徐々に悪化していく。これらの悲劇的な出来事の大部分は防ぐことができるのである。

若年労働者が業務を開始する時、若年労働者は肉体的あるいは精神的にまだ十分成熟していないのでリスクをより受けやすい;法は若年労働者が18才未満の場合、危険有害業務に従事させないように求めている。

更に、若年労働者は、業務に不慣れで、職場にも不慣れである。更に、若年労働者は、作業経験が不足であり、事業者も若年労働者も対処しなければならない職場に存在しうる安全衛生リスクに対する認識が不足していることもある。潜在するハザードを認識する及び安全作業を遂行する能力としては、常識が必要とされるだけでなく、観察、訓練及び経験が必要である。若年労働者は不安全と見受けられる事に、質問する権利を持っているが、若年労働者ははっきりと意見を言うような自信がないようである。あるいは、若年労働者は、事業者および同僚に対して自分は感覚がすぐれ、かつ心配をかけないということを示そうとして業務を続けているのかもしれない。

安全衛生問題について労働者及び労働者代表と相談し、若年労働者自身を含む彼らを参加させること。若年労働者に対する取り決めに関し労働者代表に相談すること。

事実の示すもの
17才の女子学生が休日にパン屋で働いていた時に、パン製造機械で指の一部を失った。彼女は働き始めて1時間たらずで彼女の手が機械に引きずり込まれたのであった。安全装置の欠陥が報告されていたが、保全修理は計画されていなかった。彼女はその機械について適切な訓練を受けていなかったし,彼女の監督者は、彼女がその機械を使用していたことに気づいていなかった。
建設現場で働いていた18才の男子が、5mの高さからクレーンのつり荷(750kg)が落下して傷害を受け死亡した。若い労働者はその業務に適格であると指名されていた訳ではなく、あるいは適切な訓練を受けていた訳でもなかった。会社は適切な安全手順を守らせていなかった。
重要な教材

安全衛生はばかげた、うんざりさせるような規制に過ぎないというものではない。それは今日、若年労働者を将来ともに安全かつ健康に保持することにかかわっている。それによって若年労働者は人生を終わるまで楽しむことが可能となるのである。若年労働者の生命を業務で危険にさらしてはならない。

自分自身を安全に保つことの他、若年労働者は同僚をリスクに遭わせないようにする作業方法について知っていなければならない。若年労働者がした事で、たとえその事に対して若年労働者がミスをしなかったとしても、もし何か悲しい出来事が同僚に起こったならば、若年労働者はどのように感じるかについて考えてみよう。

従って、若年労働者は職場の安全衛生において、事業者が労働災害防止のためにしなければならないこと、自分自身がしなければならないこと及び若年労働者の権利とは何かについて知らなければならない。

若年労働者の安全に対する上司の責任

すべての事業者は、若年労働者の保護に対する法的・道義的責任を負っている。事業者は職場の安全衛生ハザードを特定し、リスクを評価し、そして防止対策を策定しなければならない。ハザードとは傷害あるいは疾病の原因となるようなものをいう。リスクとは傷害あるいは疾病が発生しうるような可能性をいう。多くの災害はリスク評価が適切に行われていなかったとか、リスク管理対策が実施されていなかったことにより発生している。これらの問題には騒音、取り扱う化学物質、物の持ち上げ、引きずった電線、一日中コンピュータスクリーンと向かい合って座っていること、管理者あるいは同僚からのいじめさえも含まれる。また事業者は、特別なリスクがありそうな労働者グループ(若年労働者を含む)に対して特別な保護対策を準備する義務が課されている。例えば、事業者は若年労働者の能力の範囲内で実施できる業務を用意し、かつ適切な管理監督が確実に実施されるようにしなければならない。

若年労働者が18才未満の場合の特別保護対策

若年労働者が18才未満の場合には、特別な保護対策が適用される。特に若年労働者が就いてはならない業務としては以下のようなものがあげられる:

若年労働者が最低限の義務教育終了年令を超えていない場合の職業訓練については、有資格の管理監督者がいて、かつ事業者が適切な保護対策を保証できることが必要である。

Factsheet64‘若年労働者に対する労働災害防止対策’では業務、年令及び労働時間制限について詳細に記述している。もし若年労働者が最低義務教育終了年令未満であり、かつ労働が許可されている場合、休日および放課後における作業時の年令と時間については厳しい制限が設けられている。詳しくは各国の国内法令をチェックすること。

若年労働者が自身の権利を知ること

若年労働者は次の権利を有している:

もし、若年労働者が自分の業務の安全状況及び自分のしたいことについて疑問点がある場合、自分の関心事に監督者が配慮するよう提起する権利と責任を持っている。最終的には、若年労働者は不安全な作業の実施を拒否する権利を持っている。上司がそのようにいうか、誰もがそのようにするのだから 若年労働者は危険有害業務を実施する必要はない。

責任ある行動

情報源:若年労働者及び労働安全の情報新しいウィンドウに表示しますhttp://ew2006.osha.europa.eu/;さまざまな職場における個々のハザード及びリスクに関する情報新しいウィンドウに表示しますhttp://osha.europa.eu;情報源には加盟各国の国内安全衛生監督機関,労働組合及び経営者団体がある。

英国での指針の詳細情報:新しいウィンドウに表示しますhttp://www.hse.gov.uk

アイルランドでの法令の詳細情報:新しいウィンドウに表示しますhttp://www.hsa.ie

マルタでの法令の詳細情報:新しいウィンドウに表示しますhttp://mt.osha.europa.eu/legislation

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