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作業関連性筋骨格系障害からの脱却をはかる欧州

資料出所:European Agency for safety and Health at Work
(欧州安全衛生機構)発行
「Magazine」2001年3号

(訳 国際安全衛生センター)


「筋骨格系障害は、欧州の1億5,000万人の労働者にとってきわめて深刻な問題です。しかし悪いニュースばかりではありません。欧州全域に、労働者の筋骨格系障害発生のリスクを低減させる方法を見いだした、大小の組織や企業の例が多数あります。今年の「労働安全衛生欧州週間」の重要な目的は、筋骨格系障害を予防する現実的解決策の普及を欧州全域の職場で後押しすることです」(欧州委員会のアンナ・ディアマントプル雇用・社会問題担当委員)

作業関連性筋骨格系障害の事例は驚くほど多く、また増加していますが、事業者と労働者が既存の安全衛生規則と優良規範の指針を順守すれば、そのほとんどは予防できます。これは欧州週間が広く伝えるべき重要なメッセージです」(欧州議会ステファン・ヒューズ議員)

過去3回の「労働安全衛生欧州週間」の成功に勇気づけられ、2000年10月の第4回「欧州週間」の組織化を欧州機構に委ねるとの案は、欧州委員会、欧州議会、15の加盟国から幅広い支持を得た。

社会的パートナー、各国の当局、欧州委員会の各代表が加わった欧州機構の3者構成の運営委員会は、欠勤の最大原因である筋骨格系障害をキャンペーンの焦点とすることに決定した。欧州議会は、加盟国での情報、コミュニケーション活動に欧州機構として共同資金提供するための追加予算を割り当てた。

この共同体予算は、アイルランドでのバス広告からフィンランドでの双方向的なテレビ番組にいたるまで、さまざまな取り組みを支えた。全体で37件のプロジェクトが行われ(囲み参照)、そのいずれもが、筋骨格系障害は予防可能であり、予防しなければならないというメッセージの普及に焦点をあてた。「欧州週間2000」の内容の一端を明らかにするため、本誌では共同資金提供によるいくつかのプロジェクトと、その他の国別活動の詳細を紹介する。ただし、それらは「欧州週間」の活動の一部にすぎない。

各加盟国は、それぞれの優先課題に基づいた独自の国内キャンペーンを実施したが、その内容は、作業関連性筋骨格系障害一般の予防に関する会議や情報キャンペーンなど、宣伝普及活動に重点をおいたものや、また解決策の提起のための具体的プロジェクトに重点をおいたものがあった。

これらのキャンペーンの支援のため、欧州機構はEUの全公用語で宣伝資料(ポスター、リーフレット、ハガキ、概要報告書など)を作成し、「欧州週間2000」のウェブサイトを開設した(http://osha.europa.eu/ew2000/)。また、作業関連の首および上肢障害、腰痛症、「反復的負荷傷害」など、筋骨格系障害問題の個別的側面に関する情報プロジェクトを実施するとともに、優良規範例の収集に取り組んだ。

EU全域だけでなくEU外においても、「欧州週間」に多数の参加者があったことが報告された。欧州機構は、「欧州週間」で高まった筋骨格系障害と腰痛への関心と予防活動の普及が、欧州の労働者にのしかかる筋骨格系障害の重荷の軽減に役立ったものと考えたい。

「欧州週間2000」の終了後も、キャンペーン中に収集したデータは欧州機構のウェブサイトで「生き続け」、この業務関連のリスクに関する情報、とくに優良規範例について知りたいと考えている人々のための、貴重な情報源であり続けるだろう。

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「欧州週間」では、欧州連合全域とそれ以外の国々で、きわめて多様な活動が展開された。このうち7ヵ国での取り組みの一部を報告し、「欧州週間」の内容の一端を明らかにしたい。

フランス

欧州機構が資金提供したフランスの4件のプロジェクトのひとつに、筋骨格系障害に関する経営者向けの実用的な研修コースがある。

Caisse Regionale d'Assurance Maladie des Pays de la Loire(CRAM)(ロアール地方健康保険公庫)の安全衛生担当エンジニア、Pierre Carriereによると、ロアール地方の筋骨格系障害の件数は、この4年から5年間で急増した。「いまやわれわれは市場に対して、筋骨格系障害をくいとめ、その予防を強化するための解決策を提示しなければなりません」

CRAMは現在、職場で筋骨格系障害に対処できるようにするため、工場などの職場の変更権限をもつ管理者を対象とした研修を行っている。1回6日間の研修が4ヵ月にわたって実施される。3日間は参加者に筋骨格系障害に関する情報を提供し、保有するプロジェクトを説明する。参加者は、学んだことを実行に移すことを念頭に職場に帰る。

研修の4日目は、数週間後に行われ、それまでの進行状況を確認する。何週間か後に行われる最後の2日間で、プロジェクトは完了する。「参加者はプロジェクト案を実行し、研修に戻って、当プロジェクトについてわれわれと議論します。われわれはプロジェクト案が完了するまでフォローアップします」

また参加者のプロジェクトは翌2001年にもフォローアップされ、さらに前進があったか、また目標が達成されたかといった、その後の進展が評価される。

Carriere氏は、「工場の現場で予防を強化する権限のある人々を対象とした」研修は新しいアイデアだという。

フランスでは筋骨格系障害の研修を受ける管理者は少ないのかとの質問に対し、同氏は「フランスでは少ないです。筋骨格系障害についての情報を与えられていないのです。われわれは管理者に説明し、この疾病の深刻さを教える必要があります」と述べた。

最初の研修は、金属加工、電気通信産業の参加者を対象に、2000年3月から5月にかけて実施された。2回目の研修は、2000年10月から12月に予定されている。また2001年には3回の研修が計画されている。

詳しい情報は以下まで:Frederic Leonzi, Ministere de l'Emploi et de la Solidarite-Direction des Relations du Travail Bureau CT 1-2,Eメール:frederic.leonzi@drt.travail.gouv.fr、ウェブサイト:http://www.travail.gouv.fr またはhttp://fr.osha.europa.eu

イタリア

イタリアでは、2000年9月20日にモデナで作業関連性上肢障害に関する会議が開催された。招待発言者は、主にリスクアセスメント、職場の再設計、作業関連性上肢障害の労働者の再雇用の経験があるWhirlpool、Electrolux、Embraco、Emersonなどの企業である。

新しい指針を示した"La Valutazione E La Gestione Del Rischio Da Movimenti E Sforzi Ripetuti Degli Arti Superiori(「上肢の反復動作によるリスクの評価と管理」)"という本が発行され、配布された。Daniela Colombini他が書いたこの指針は、産業技術者向けに、筋骨格系障害の予防のための職場の設計または再設計の際に、簡単に利用できるリスクアセスメント方式を提供している。

指針の前文を書いたAntonio Grieco教授によると、この本は、主として「製造環境のなかでの特定業務遂行のための時間と方式を、みずからの専門知識と経験に基づいて設計、実施、監督、評価、修正する」男女を対象にしていると述べた。

反復的業務に暴露する労働者を対象に、健康情報を記載したリーフレットも配布された。

10月にはローマで、反復動作、手作業、入院患者の取り扱いによる筋骨格系障害の予防に関する会合が2日間開催された。発言者は、リスクアセスメント、予防、健康教育についての具体的経験を交換し合った。ここでも上述の本とリーフレットが配布された。

今冬と2001年春には、EPM(Ergonomia della Postura e del Movimento)研究ユニットが、イタリアの各地域と北部、南部の企業技術者を対象に、2日間のコースを9回にわたり編成する。このコースでは作業関連性上肢障害、手作業の業務のリスクアセスメント、腰痛予防をとりあげる。

詳しい情報は以下まで:ISPESL、Dipartimento Documentazione、Informazione e Formazione、ウェブサイト:http://www.ispesl.it、またはhttp://it.osha.europa.eu

オーストリア

オーストリアでは、「欧州週間2000」の一環として、欧州機構の共同資金提供による2件のプロジェクトが取り組まれた。

オーストリア労働者補償委員会(Allgemeine Unfallversicherungsanstalt)が後援した「取り返しのつくうちに(Be clever with going back)」プロジェクトは、筋骨格系障害に対する認識を向上させ、その対策を奨励することを目的としている。中小企業向けに、小冊子、ポスター、ビデオを使った情報キャンペーンが実施されている。

このプロジェクトでは、重量物の取り扱い、反復的負荷傷害、健康的な行動、作業組織、作業工程、健康的な職場の設計方法、実用的な支援策とヒントなどをとりあげている。

2番目のプロジェクトは、「知っておいてもらおう−私たちの体を支え、動かしているものの大事さを、またいやでも姿勢と動作の大事さに気づくように(Inform: What supports me! What moves me! Impulses to posture and movement)」と題され、LIFE、Institut fur Gesundheitsentwicklung、Human-ware、Institut fur Gesundheit、Sicherheit und Ergonomie im Betriebが実施を担当している。その目的は幅広い人々、とくに労働者と学生に対し、筋骨格へのストレス要因と潜在的疾病について教育することである。

キャンペーンでは手引書やポスターが使用されている。チェックリストを使用すると、労働者が自分の職場の筋骨格系障害リスクを評価できる。また作業、作業工程、手順の立案を通じた筋骨格系障害予防のための優良規範例も盛り込まれている。

またオーストリアでは、「欧州週間」期間中の10月18日−19日に、「マウスの腕と猫の湾曲した背中」と題された会議が開催された。3つのワークショップが行われ、「自分の体を支え、動作を維持してくれるもの」というテーマについて、言葉と図と動作を使った独創的手法がとられた。第1日目の夕方は、健康促進と筋骨格系障害のテーマに沿ったパフォーマンスで締めくくられ、2日目は科学的なプログラムが実施され、上述のオーストリアのプロジェクトに関するプレゼンテーションがあり、またドイツ、スウェーデン、オランダ、オーストリアの参加者の発言もあった。

詳しい情報は以下まで:Gabriele Kaida、Eメール:gabriele.kaida@bmv.gv.at、ウェブサイト:http://www.bmv.gv.at/vk/9schutz/arbeitsmain.htm、またはhttp://at.osha.europa.eu

イギリス

新ミレニアム最初の「労働安全衛生欧州週間」は、「腰を大切に週間(Back Care Week)」と時期を同じくして、10月16日から22日に行われることになった。

「欧州週間」の目的は、認識の向上、職場での解決策の把握、さらに支援のための実用的なプロジェクトを通じ、腰痛と筋骨格系障害の問題を抑制することにあった。筋骨格系障害と腰痛は、イギリス経済に毎年、約50億ポンドのコストと1,100万日以上の労働損失日数を強いており、何万人ものイギリス労働者が窮状と苦痛を訴えている。

安全衛生庁(HSE)は、全英腰痛協会(National Back Pain Association)、イギリス労働組合会議(TUC)、CBI、保健省、教育・雇用省、社会保障省、スコットランド教育・保健委員会とチームを組み、事業者と労働者に作業関連疾病と負傷を減少させるよう奨励した。

HSEのPeter Rimmer情報部長は、「欧州週間」を人々が職場から安全衛生上の問題を排除する意志を固め、行動を起こす機会ととらえた。同氏は「毎年、ますます多くの地方当局、政府省庁、国民健康保険基金、大小の企業、労働組合が、「欧州週間」の積極的な支持を表明しています」と述べた。

HSEは以下のとおり、「欧州週間」で出版物、宣伝資料などを発行した。

  • 2000年5月に主要な安全衛生雑誌に4ページの広告掲載。
  • 2000年5月中頃にニューズレターを50万部発行。
  • 「アクション・パック」。
  • 全国紙、地方紙、労組機関紙、専門紙への広告掲載。

HSEは、この他に以下の活動に取り組んだ。10月16日にロンドンで「欧州週間」開会に際しての記者会見を開き、「Back Care」、TUC、スポーツ選手のロジャー・ブラックとサリー・ガンネルがこれに同席した。「ともに健全な労働を(Working Well Together)」キャンペーンと連携し、10月17日と18日に建設産業での労働衛生に関する会議を開催した。イギリス各地での多数のワークショップ、セミナー、行事の運営を担った。

「Back Care」キャンペーンでは、情報パック、ポスター、ブックレット、理念・概要報告書が発行され、専門機関との地方での連携も行われた。一方、イギリス安全会議(British Safety Council)は、アバディーンからブリストルまでの各地域に会場を置いて、HSEその他の講演者を招待した5つの巡回行事を計画し、会員に12,500のアクション・パックを配布した。

教育・雇用省は「障害者のためのニューディール」を策定し、10月には「優良規範」指針の発表を計画した。また「欧州週間」のための会議を開催して、保健省が「仕事における腰(Back in Work)」から資金提供されたプロジェクトの進捗状況を報告するという計画を立てた。

スコットランド教育・保健委員会は、10月16日に「腰痛を考えるスコットランド(Backs in Scotland)」を開始することを計画し、HSE北アイルランドは同週に「腰痛」会議を計画した。ウェールズでは、欧州機構のリーフレットとポスターがウェールズ語に翻訳され、当地で配布された。

詳しい情報は以下まで:Janice Martin(安全衛生庁)、Eメール:janice.martin@hse.gsi.gov.uk、ウェブサイト:http://uk.osha.europa.eu

ルクセンブルク

ルクセンブルクのTravail et de Mines(鉱山業)監督局長のPaul Weber氏によると、同国では欧州安全衛生機構の連携、後援により、建設産業における労働安全衛生に関するCD−ROMが作成された。同産業と中小企業向けに、自主的評価に焦点をあてたインターネット版も作成された。これは自主的評価を促進するだけでなく、優良規範モデルで効果が示された解決策も提示している。

金融産業などを対象とした同様のCD−ROMも製作中で、2001年春には完成する予定である。

このCD−ROMとインターネット版で、企業の安全担当管理者は企業の自主評価を行うことが可能になり、職場のリスクを観察してそれを予防するための適切な解決策を策定できるようになる、とWeber氏はいう。

また「欧州週間」期間中の10月22日から29日にかけ、ルクセンブルクでは興味深い宣伝イベントが行われ、職場の安全衛生に関するテレビ番組などが注目を集めた。たとえば「欧州週間」期間中毎晩、筋骨格系障害対策で効果をあげ、コンペの決勝に残った各産業を代表するさまざまな中小企業が、3分間のテレビ広告に登場した。

テレビ番組は、ゴールデンタイムに放送される1時間番組のRTLニュースで放映され、各時間帯に繰り返し放送された。同ニュースは毎晩ルクセンブルク国民の約75%が見ている。「欧州週間」中の木曜日には、ルクセンブルクで宣伝イベントが催され、賞をとった6つの企業がメディアに登場した。

一方、「欧州週間」中の日曜日には衝撃的なテレビ番組が放映され、事業者、労働組合、ルクセンブルク政府が参加して、職場の安全衛生促進に関する30分の円卓討議を行った。その目的は、安全衛生を、利益や生産性と同等の企業活動の中核的目標に据えることにあった。

ルクセンブルクの国民的な秋季フェアでは、職場の安全衛生を強調するための巨大なスタンドが設置された。これは、業務災害に保険金を支払わなければならない保険会社、鉱山業監督局が密接に連携している税関と共同で設置した。

これら3つの機関の合同行事として、巨大なスタンド上でスタントマンが20分おきにパフォーマンスを披露した。そこでは業務災害が再現され、適切な安全管理が欠如した場合に、いかに災害が発生するか、また逆に安全な職場での操業がどのようなものかを表現した。

詳しい情報は以下まで:Paul Weber(Inspection du travail et des mines、Eメール:paul.weber@itm.etat.lu、ウェブサイト:http://www.itm.etat.lu、またはURL:http://lu.osha.europa.eu

アイルランド

単一の事象によって腰の傷害が発生することは、比較的少ない。労働者は、物を持ち上げる際は腰を曲げず、常にひざを曲げるべきだという通念は間違っている場合がある。作業の立案責任者は、起床間もない時間に、腰に対して大きな曲げ加重が発生する作業をさせないようにすべきである。

以上は、6月にアイルランドで行われた作業関連性筋骨格系障害の大規模な会議の参加者が提起した、挑発的で意欲的な提案のほんの一部である。この会議は、筋骨格系障害に関する欧州のプログラムへのアイルランドの参加の一環として開催された。主催はアイルランドの安全衛生局(Health and Safety Authority)と、アイルランドエルゴノミクス学会である。

カナダのワーテルロー大学のStuart McGill教授は、物を持ち上げる際は、いつでも腰を曲げるよりひざを曲げる方がよい(つまり上体を前に曲げるのではなく、しゃがむ)とする通念に疑問を呈した。多くの労働者は上体を曲げる方を好むが、その理由はおそらく「しゃがむのは生理学的に負担が大きい」からだと思われる。同教授は、物を持ち上げる際の上体の曲げとしゃがむのを比較した最近の研究を引用し、「少なくとも腰への圧迫という点では」、どちらの方がより適切とはいえないと結論づけた。

「いえるとすれば、持ち上げるときに上体を曲げる方がよいか、それともしゃがむ方がよいかが重要なのではなく、荷物を身体の近くにおくことを重視すべきだという点である」。これは「反作用モーメントを減少させ」るとともに、「脊椎が完全に曲がることを避け、せん断加重を最小限に抑える」ためである、と同教授は述べた。

「そのためには、ときにはしゃがんだ方がよい場合もあるし、両膝の間に入らないほど荷物が大きいときは、上体を曲げた方がよい場合もある。臀部で曲げるわけだが、つねに完全に曲げることは避けて、背中の靭帯への影響を最小限に抑えるべきである」

教授は、1日のうちでの脊椎の長さの変化について触れ、早朝は腰部傷害のリスクが高い可能性があると述べた。そして経営者と作業の立案責任者は「早朝または起床直後には、腰への最大の曲げ加重が発生しないように業務計画を立てるべきである」と述べた。

労働者と医療関係者に対し、「単一の傷害原因」、つまり傷害を引き起こした単一の具体的事象を明らかにするよう求める現在のやり方は、最近の科学的進歩の結果としての「多くの傷害は累積的な外傷の結果である」との理解に反している。したがって「現行の傷害報告システムの総点検を検討する必要がある」と同教授は述べた。

またアイルランドは、「欧州週間」が筋骨格系障害を焦点にしたことに合わせ、9月に国内各地で一連の会議を開き、10月には安全衛生局が作業関連性筋骨格系障害に関する会議を開催した。安全衛生局は、手作業の指針に関する無料のブックレット「取り扱いは慎重に−安全な手作業(Handling with Care - Safe Manual Handling)」を作成した。またダブリンの駅、列車、バスに「ほんの不注意が大事件に−持ち上げ作業で腰を痛めぬようご用心!(The Straw that Broke the Camel's Back: Lifting at Work Shouldn't Break Yours!)」というメッセージを込めた広告を掲出した。

詳しい情報は以下まで:Ruth O'Flaherty (安全衛生局)、Eメール:ruth_oflaherty@hsa.ie、ウェブサイト:http://ie.osha.europa.eu

ドイツ

「欧州週間」はドイツで大きな関心を呼んだ。ドイツでは筋骨格系障害が疾病休業日数の約29%を占め、障害の最大原因になっている。「欧州週間」参加への関心が高まり、優良規範賞には多数の申請があった。

「欧州週間」期間中、ふたつの会議が計画された。ひとつは保険専門会社の協会が、10月25日にシュトゥットガルトでの開催を計画した。

会議のテーマは、筋骨格系障害の予防法、筋骨格系障害の予防を成功させるための作業バランスの視点、業務別の筋骨格系障害の発生状況などである。繊維、建設、卸売り、倉庫、食肉、医療、金属など、各種産業の中小企業での具体例が示された。会議の対象は事業者、労働者、医師、労働安全衛生機関で、とくに中小企業の労働条件に焦点があてられた。

会議は報告とワークショップで構成され、バーデン・ヴェルテンベルク州政府のErwin Teufel首相が後援した。

ふたつ目の会議である「乗数効果専門家会議(Multiplikatoren-Kolloquium)は、10月24日にポツダムで、ブランデンブルグ州政府労働安全衛生研究所の主催で開催され、連邦政府のWalter Riester労働大臣が出席することになった。

その目的は、筋骨格系障害の疫学上の問題、筋骨格系障害の分析と評価手法、予防戦略、各種の職場での結果と経験の解明である。今後の活動の見通しも提起する。

この会議は、事業者と事業者団体、労働者、労働組合、職員組合、労使協議会を対象に組織された。また産業医、地域の労働安全衛生機関、連邦と州政府の労働安全衛生研究所、保険会社、政治家も対象となった。

詳しい情報は以下まで:Frau Brigitte Steck(ドイツ政府労働社会相)、Eメール:br.steck@bma.bund.de、ウェブサイト:http://de.osha.europa.eu