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交替勤務スケジュールの改善
shifting the burden of work

欧州安全衛生機構発行「Magazine」5号
(仮訳:国際安全衛生センター)

この記事のオリジナルは下記のサイトでご覧いただけます。
http://osha.europa.eu/publications/magazine/5/en/index_15.htm



HANS JEPPE JEPPESEN
(デンマークオルフス大学心理学研究所)
勤務時間の改善

 交替制勤務は、従業員の社会的生活はもちろんのこと、バイオリズムまで乱し、ストレスを招いて健康を損ない、病気や事故の危険性を増大させる。

 多くの産業で重要な役割を果たしている交替制勤務をやめることは非現実的であるが、最近のデンマークの例が示すように、交替制勤務の労働安全衛生に与える影響を最小限に抑えることは可能なのである。

 デンマークのオルボリにある地方病院で行なわれた交替制勤務に関する研究で明らかになったように、成功の秘訣は、経営者と職員の両方が協力して交替(シフト)のスケジュールを作り直すことである。この共同作業により、職員は年齢、家族構成、経済的必要性などの要因をもとに、一人ひとりが希望する時間帯に勤務を合わせることができるようになり、経営者はある程度柔軟に対処することができるようになった。

 従業員を4,000人以上抱えるこの病院で、この方式を採用したのは、7つの集中治療病棟であった。各病棟におけるシフトにつく従業員人数は、看護のレベルを一定に保つために、それまでと同数でなければならないが、職員には、新しいスケジュールを作成し、いつ導入し、どのように評価するかを決定する権限が与えられた。主な目的の一つは、連続夜間勤務の回数を最小限に減らすことであった。

 新しいスケジュールの作成と実施を監督するために、経営側、従業員、研究者から選出した代表者を含む実行グループが各病棟に配置された。実行グループはエルゴノミクス的な観点に基づく助言について議論し、アンケートによりデータを集収し、その結果を分析して討論を重ね、スケジュールを改善するための提案を行った。

 こうして4つの病棟のスケジュールが変更になった。研究者は、交替勤務者の満足度が高まったことを、アンケートの回答だけでなく、血液サンプルの数値(循環器系の生体マーカーベルが改善した)からも理解したのであった。