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労働者の意見:危険な製品から労働者を保護する場合の不公平
The workers' view: Unequal protection for employees regarding dangerous products

欧州安全衛生機構発行「Magazine」6号p.11
(仮訳:国際安全衛生センター)

この記事のオリジナルは下記のサイトでご覧いただけます。
http://osha.europa.eu/publications/magazine/6/en/index_8.htm



労働者の意見:危険な製品から労働者を保護する場合の不公平

ヨーロッパの既存のOSH法令をより効果的なものにするには多くのことがなされる必要がある

 2003年の欧州労働安全衛生週間(European Week 2003)のテーマは、ヨーロッパ広報キャンペーンの主題である他のテーマと違って、主要なヨーロッパ法令が取り上げられている。筆者は筋骨格系障害とストレスについて特に考えたい。欧州労働組合連盟(European Trade Union Confederation:ETUC)は、職場におけるこれらの問題を確実に防止するためには、ヨーロッパとしての手段が必要であると主張している。

 職場の有害化学物質に関連する問題は、かなりの程度、ヨーロッパの法令でカバーされている。1967年以来、何度か改正されながら、有害物質の販売、分類、包装、表示などについていろいろな規則が導入されている。1976年からは、数十種類の物質について販売の規制もされてきた(リストはその間修正されている)。これは1999年に行われた、すべての形のアスベストを販売禁止とする措置の法的根拠となった(アスベストの販売に対する最初の制限は1983年に行われていたが)。

 1998年に、欧州理事会は、すべての有害物質に暴露される労働者を保護するための指令を採択した。その8年前に、理事会は発がん性物質に暴露される労働者を保護するための別の指令を採択している(現在、発がん性が確認された物質のリストに42品目があり、また疑わしい物質のリストもある)。この指令は、そのような物質を、有害性がより少ない物質、段取り、又はプロセスに置き換える義務が中心となっている。これら2つの指令は、最低限の整合のみを国内法に求めているが、他の指令は単一市場との関係において完全な整合を要求している。このような状況下で、欧州委員会は、トリクロロエタンを発がん物質として禁止する1998年のスウェーデンの決定に異議を唱えたが不成功に終わった。

 この立法制度は、今後、化学物質に関する欧州共同体の戦略を実施するための新しい規制枠組みによって修正されることになっており、欧州委員会の作業プログラムには、本年に法案を公表することが記載されている。新しいシステムは、化学物質の分類及び表示に関するグローバル整合システム(Globally Harmonized System: GHS)を考慮するはずである。閣僚理事会は、欧州委員会に対し、このシステムを化学物質に対する新しいEU立法に組み込むことを念頭に、法案を閣僚理事会に提出するよう要求している。

(以下省略)