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NSC発行「Safety + Health」2006年4月号
掲載日:2006.09.26
ニュース

EPA、不動産業界にラドンを警告

 ワシントン― 環境保護局(Environmental Protection Agency: EPA)は、不動産業界に対し、全米安全評議会(NSC)などの団体に加盟して、顧客に対し、住宅のラドン汚染検査を勧告するよう、呼びかけている。

不動産業界向け刊行物に掲載されたEPAの広告は、業界に対し、「住宅のラドン汚染検査を勧告する認定団体に加盟しよう」と呼びかけている。広告に掲載された認定団体は、全米ラドン・ホットライン、ヘルプラインを10年以上運営してきた全米安全評議会(NSC)、全米医務総官(U.S. Surgeon General)、米国医師会(American Medical Association)、世界保健機関(World Health Organization)、米国肺協会(American Lung Association)、全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)である。 

広告では、高水準のラドンが検出された家屋が、ガンを引き起こしうると実証した調査に言及。専門家らは、高水準のラドンが検出された家屋は、簡単に除染できるという。ラドンは、土壌中の天然ウランの崩壊で出てくる、目に見えない、無臭の放射性ガスである。

EPAによれば、ラドンは、米国の肺ガン発症の原因の第2位を占め、ラドンばく露に関連した肺ガンによる死亡者数は、年間21,000人と推定されている。アイオワ大学(University of Iowa)の2005年3月の調査は、大気1立方リットルあたり平均約3.0ピコキュリーのラドンを5〜30年間ばく露すると、肺ガンのリスクが11〜21%高まることを実証して、住環境における長期のラドンばく露と、肺ガンのリスク増とを関連づけている。現行のEPAの限界水準は、1立方リットルあたり4.0ピコキュリーである。

2005年1月、全米医務総官のリチャード・H・カーモウナ(Richard H. Carmona)氏は、米国衛生勧告を公布して、人々に屋内のラドンを吸入するリスクを警告した。「この脅威は、まったく予防可能だということを知ることが肝要である。ラドンは、簡単な検査で検出でき、確立済みの排出技術で除染ことができる」と、同氏は述べた。

EPAの「住宅購入者・販売者のためのラドン・ガイド(Home Buyer’s and Seller’s Guide to Radon)」は、www.epa.gov/radon(別窓)でダウンロードできる。